第115話 約束の果て
レオン達はロドリック・ヴァインガードの裁判後にある場所に向かった。
「ここだ」
ガレスが、王都の記録保管所の扉を押し開けた。
埃っぽい室内には、無数の巻物と帳簿が積み上げられていた。
計画の全容が明らかになった今、最後の任務が残っていた──拉致された者たちの行方を突き止め、可能な限り家族の元へ帰すこと。
アーサーが古びた杖を掲げ、低声で呪文を唱えた。
杖の先から柔らかな光が広がり、部屋の隅々を照らし出した。
「探している記録は……『特別保護対象移送名簿』だ」
キースが鋭い片目で棚を素早く見渡す。
「向こうの棚だ。王国の紋章が刻まれた革表紙の分厚い帳簿がある」
4人は帳簿の周りに集まった。
レオンが重い表紙を開くと、無数の名前と移送先が列記されていた。
ページをめくる指が、次第に震えていった。計画の規模は想像以上だった。
数十の町から、数百の若者たちが……
「サラの町の記録は……」
レオンがページを急いでめくった。
「あった」
彼の声が詰まった。サラの両親の名前が、はっきりと記されていた。
移送先は「北部鉱山地区・第3収容施設」
ガレスの顔が険しくなった。
「鉱山地区……あの地獄のような場所か」
王国の最も過酷な労働が行われる北部鉱山。
そこで「特別保護対象」とされた者たちが、どのような扱いを受けていたかは、容易に想像がついた。
「すぐに向かおう」レオンが帳簿を閉じた。
「サラとの約束を果たさなければ」




