第110話 影の中の猟師
キースは片目を細め、城壁の影に身を潜めていた。
彼の鋭い視界は、塔の上に配置された奇妙な装置を捉えていた。
それは水晶のような素材でできており、中で青白い光が規則的なリズムで脈打っている。
まるで生きている心臓のようだった。
「あれが制御装置か」
彼は囁くように言った。
「3人、あの塔に登る。残りは見張りを」
偵察隊の3人が縄梯子をかけ、静かに塔を登り始めた。
キースは弓を構え、周囲を見張った。
塔の下を巡回する1つの機神兵が、不自然な動きで首を傾げた。
その金属の頭部が、ゆっくりと塔の方へ向き始める。赤い光学センサーが薄暗がりの中で点滅した。
キースの息が止まった。
次の瞬間、矢が放たれた。
風を切る音もほとんどなく、矢は機神兵の首関節の継ぎ目を正確に貫いた。
火花が散り、機神兵の動きが止まる。
金属の巨体が微かに震え、そのまま静止した。
「早く」
キースが低く促した。
額に冷や汗がにじむ。
塔の上では、偵察隊の一人が装置の側面を調べていた。
「複雑な紋様が刻まれている……でも、ここに脆弱な部分がある」
彼が短剣で水晶の一部を叩くと、微かなひび割れが走り、中の光が不安定に揺らめいた。
塔の下で、数体の機神兵の動きが突然鈍くなるのが見えた。
「効いている!」
仲間の一人が囁いた。




