寄り道.11
泥祭りは避難の連続だった。
外では、日々のストレス発散とばかり泥をぶつけ合う大人や子供たち。
しかし、こちらは泥に服が汚れるのは嫌なので、レベルの高さにものをいわせて避けて避けて避けまくる。
「ふふん。お兄ちゃん、待て~!」
リアが楽しそうに追いかけて来る。
勇者の投げた聖なる泥団子が僕の肩に当たる。
これが雪合戦ならいいんだけどね。
「泥プレイもはやるね~!しかしあたしの盾で防いでやるよ!」
コハクの頼もしい声だったが村の子供たちに背中から泥をぶつけられる。
みんなで泥合戦をした後はプラチナのクリーンの魔法で綺麗さっぱり。
汚れも落ちている。助かった。洗濯機なんてないからね。洗うのは大変だ。
その後はみんなで外にテーブルを出して食事をする。
ちゃんと僕たち用の料理も用意してくれて美味しい。
用意されたステージでは泥族の女性たちが踊っている。
ドロタとリオも踊っている。子供たち5楽しいならそれでいい。
素直で働き者だから、もっと遊んでも言いと思う。
「そう言えば、ミコは大丈夫だったの?」
「はい。私はプラチナ様の羽ばたきにより逃れていました」
隣に座るミコはほんのり顔が赤い。
えと。その目の前に置かれてるのは地酒?
ミコ、まだ未成年だよね。いいのかな?てか飲めるの?
「この世界では15才からお酒がたしなめるようですよ」
僕がジッとお酒を見ていたからかミコが教えてくれた。
「そうなのか。てか、プラチナ空中に逃げてたのか?」
「ふふん。汚れたくないも~ん」
「ずる~」
ふざけて言う。プラチナは結構参加しそうなイメージがあったけどね。
「ハヤテ様も一杯いかがですか?」
お酌をしてくれるがそんなに強くはないので一杯だけもらうことにする。
「ありがとう……うっ」
辛口だね。度数も高いのにミコはしっかりしてるんだが。
しかし、そのミコが立ち上がりこちらを見る。ん?なんかにこにこしてるけど上機嫌だな。
「脱ぎます」
「はっ!?」
言うやいなや、巫女服を諸肌脱ぎをしようとして上手く脱げないみたいなので慌てて止める。
「よ、酔ってるよね!?落ち着いて!」
「ふふふ。脱ぐならこのあたしも脱ごうじゃないか!」
コハクまでもが立ち上がり脱ごうとしているので慌てて止める。
「や、止めろ!この!リア!リオも止めるの手伝ってくれ!」
「だ、駄目だよ、ミコちゃん!」
「痴女ねーちゃんも止めなって!ハズいだろ!」
二人も止めてくれるがコンボはまだ止まらない。
「なら私も脱ご~!」
あ。こいつも酔ってる。プラチナがにこにこと無邪気に脱ごうとしている。
泥族も囃し立てるが人間の女性の裸には興味がないのかエロい目はしていない。
「こらこら、駄目に決まってるだろ!」
背後から抱きしめて止めようとするも思いっきり胸を鷲掴みにしてしまった。豊か過ぎる。
どうしてだろう。駄目と分かっていてもむにむにが止められない。
「や~ん!ハヤテくんのエッチ」
いや。嬉しそうに言われても。僕は、慌てて離れる。
「にしし!兄ちゃん欲求不満だな~!」
リオにもからかわれる。手には忘れられぬ柔らかい感触が。
「む~。私も大きくなったら大きくなるもん!
そしたらお兄ちゃんにもみもみしてもらうもん!」
り、リア。そんなこと言っちゃ駄目だよ。
「……兄ちゃんは女の敵だ」
槍を構えるリオ。落ち着け。
「あたしのだったらいつ触ってもいいよ?」
酔っぱらいがしなだれかかって来て上目遣いをする。
「コハクさん!私が触ってもらうんだもん!」
「リア。あんたは現実を受け入れなくちゃならない。あんたは大きくならない」
「ええ!?そんなことないもん!勇者は万能だもん!」
リアは負けじと応戦する。頑張れ勇者。メンタルの強さは必要だ。
「ははは!楽しいパーティーだな~!うちの兄ちゃんみて~!」
ドロタは楽しそうにそう言う。結構な明るい泥族ってことか。
それにしても僕のラッキースケベで、どうして盛り上がれるのだろうか。
ともかく、プラチナに謝ろう。
「そのプラチナ。わざとじゃないから。ごめん」
「いいんだよ。私のハヤテくんのガイドなんだから~。色々教えて上げるね~」
爽やかにそう言われても。よく見ればやっぱり酔ってる。やはり度数の強い酒か。
「……それに。いまだけかもだよ?」
「え?なに?」
騒がしくて聞き取れなかった。うつむいて表情が見えなかった。
「ん~ん。なんでもな~い!ハヤテくんはエッチだってこと!」
「こら!しがみつくな!」
「あ!ずる~い!私も!」
リアまで抱きついてくる。今まで黙って静観していたミコが立ち上がる。
「ミコ、助けて!」
「フフ。私も失礼して」
酔っぱらいがまた一人僕に抱きつく。笑顔が素敵なので止められない。
「フフ。それなら私もいいだろう」
いいだろうじゃないよ。いつの間にか鎧を脱いで水着みたいな格好で抱きついてくる。
人はこれを幸せと言うのかもしれない。
つづく




