山間部.3
僕とサリーで、裸盗賊を射つ。僕は、武器を射って弾く。サリーは、利き手を撃ち抜く。
「あひぃ~!いってぇよぉ!」
「ふひぃ!我々にぃ~、なにをするかぁ~!」
なんとか痛みを我慢して村長たちを人質にしようとして、懲りてないので射つ。
「大丈夫ですか?」
「おお、ありがとう旅の方々。こいつらがいきなり襲いかかって来て……」
村長たちは、震えながら話してくれた。怖がらせるなんて、なんて奴等だ。
「どうしてこんなことしたんですか?」
「ひぃひぃ!そ、それは、安全な場所が欲しかったからだぁ!」
苦しむ盗賊たちも見てサリーが、首を傾げる。
ああそうか。この辺の魔物のこと言ってるのかな。
「この辺の魔物がカーストアップして強くなってることを言ってるのなら結局、自業自得だよね。盗賊なんてやってるんだから」
「そ、そうだが、それだけじゃねぇ!」
「あのガキが、俺様たちのアジトを襲って来たんだ!」
「べらぼうにつえー!この俺が手も足も出ないなんて」
信じられないようなものを見た感じで言ってるけど、あなたはただの雑魚キャラなのに、その台詞はないと思うけど。
あのガキってのは気になるけど、もう危険はないみたいだな。
後は、こいつらの処遇だけど、どうしよう。
冒険者ギルドまで連れて行かないといけない。
「……なぜだ」
「どうしました、ハヤテさま?」
「疲れたのなら、あ、汗拭きましょうか?」
「それともお水ですか?それとも、あ・た・し?」
困った。女性が増えてるじゃないか!
普通のラノベのハーレムならあんなことやこんなことで、主人公がでれでれしてるんだろうけど、根が真面目な自分の性格を呪いたい。
朝起きて、旅立つ時に盗賊の冒険者ギルドへの受けわたしのことを説明したら、丁重に断られた。
僕たちが倒したものだから、報酬は受け取れないと。
それ以前に村の外へ出たがる者はあまりいなかった。
その代わり、ここは不便だと村を出たい女子がついてきてしまった。
知的でクールなミオン。静かで家庭的なシズナ。
そして、日焼けしてお色気ムンムンなサーファ。
みんな美人。これが、学校とかだったら、男子どもに目の敵にされていただろう。
気が進まない面もあるけれど、実は女子の方が話しやすい。
男だと、どっちが上かとか自分のことは店にあげて、見下したりして来ることがある。
山道を進みながら話しかける。僕のいた世界と違って、故郷に帰るのも大変だからだ。
「あの村は、閉鎖的でしたから。私は外で暮らしたいです」
「でも、ミオンさん。僕の村も田舎ですよ?」
「いいんです。親も病気で亡くなったので、気分を変えたかったのです」
「……そうですか」
どう答えていいか分からなかった。しかし、ミオンさんは気にした風もなく微笑む。
「私は、普通に生活が出来ただけマシですよ」
「そうですよ。落ち込まないで下さいハヤテさま。私なんて戦争で家を追われたとこをここにたどり着いたんですから」
元気にそんな爽やかに言うサーファさんは、辛いことを乗り越えて来たんだろう。
「そう考えると、三人の中では私が一番恵まれてますね」
シズナさんが、淡々と言うけど、恵まれた表情ではないよね。
「それなら、出てきて良かったんですか?」
サリーが、面白くなさそうに言うのは、なんでだろうか?
みんなと仲良くしてほしいんだけどね。
それはともかく、三人娘たちは僕とパーティーを組んだから、強くなった。
山間部の村にいたから、戦闘なんて出来ないと思ったけど、ミオンさんは魔法を使え、シズナさんは投擲を使い。
そして、サーファさんは、ひたすら応援する。
すると、なぜか元気が出てくるのだから不思議だ。
なんでそうなのかは分からないけど、頼りになる。
また、山道から獣道に入り苦労しながら進むと、シカの魔物たちに囲まれた。
つづく




