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どこかの土地で.8

「よし。行ってこい、サリー!」

「え?いいの?」

「ありがとう、お父さん!こんちくしょー!」

いいのかな。この人。簡単にOK出したけど。ノリで言ってる?



「あ、いやあの。僕の住んでる村は、厳しいとこで…」

「ふ。程度はどうあれどこも厳しいものよ。

どこぞの帝国では、力の無い者は奴隷として扱われると言う。

それにこんな寂れた……いや、村にいるよりは、ハヤテくんの嫁になった方が幸せで安全さ」

今、寂れたって言いましたよね?いや、それより。



「ぼ、僕は、サリーさんと結婚するとは言ってませんよ?」

「なんだと!?サリーを昨夜、楽しませておきながら、責任も取らずに逃げると?やり逃げ……」

「お、お父さん!私はまだハヤテくんとどうにもなってません!これからです!」

それもどうかと思うんだけど!?これからもないからね。たぶん。


「……そうか。これからか。なら、尚更連れていってもらおうか?」

ギロリと睨みつけてくるおじさん。どうしよ。断ったら猟銃で撃たれそうだ。


「ま、まあ、あなたがいいなら僕はいいですけど、サリーさんとは結婚しませんよ?」

「なんだと?なるほど、そうか。そう言うことか。落としてみろってことかい?モテ男は言うことが違うね」

「はあ?」

なにやら勝手に納得している。寡黙な人なのかと思ったけど、口を開いたら開いたで、話しが噛み合わない。


「サリー!行くからにはハヤテくんをものにするがよい!」

「はい!頑張ります!ありがとう、お父さん!」

もういい。サリーさんにはちゃんと話しをしてと。

取り敢えず、サリーさんの分まで、旅支度をしないとな。





そして、村人に見送られ、サリーさんのお父さんの案内で、山に入る。

途中まで、見送ってくれるそうだ。獣道みたいのを進みながら、しばらく進んでいく。


「お父さんと山に登るのも久しぶりね」

「はは。そうだなサリー。もう登れなくなるな」

少し、寂しそうなら、OKを出さなければいいのに。

「なんなら、サリーさん、帰ったらどうですか?」

「そう言う冷たいとこも素敵だな」

「…………」

もう、なにも言わないことにしよう。警戒しつつ進んでいくと山道に出る。


「ここから山道に沿って行けば山の頂上ですが、そこから先は私は行ったことがない」


「ここまでで大丈夫です。ありがとうございます」

「いや。娘を頼んだよ。最初から外でするのは駄目だぞ」

しませんよ、エロジジイ。

「いや、あの」

「うちの娘が勝手に好きになってついて行くから、あんまり気にしないで下さい。

せめて、人並みの暮らしが出来るよう助けてやって下さい」


「はい。それはもう」

「サリー。幸せにな」

「うん、お父さんもあまり、お酒飲みすぎちゃ駄目よ?」

「ああ」

なんだか、僕が来ない方が良かったのかも。

この二人を引き離すことになってしまった。


「結婚式には呼ぶからねー!」

なんか、それが前提になってませんか?ちゃんと話さないと行けないな。



「さて。これをサリーにやろう」

それは、一丁の猟銃。サリーは、嬉しそうに受け取る。なんか、物騒なんだけど。

「あ、あのそれは?」

「ああ。サリーには、狩りを幼い頃から仕込んでいるからな。

私が病気で山に入らない時には代わりに山で狩りをしてもらっている」

うーん。やっぱりこの世界の十代は凄いな。

トナの村でも、子供たちもしっかり自分の仕事をしていたしな。

リアやカナエ。リオは元気だろうか。


子供たちの笑顔を思い浮かべると、心配にもなるし、こっちも笑顔になる。


「ふふ。これでハヤテくんと同じ後衛だね。狩りしようね」

「……はは」

目が笑ってないような。気のせいか。




手を振るサリーのお父さんと別れ、山道を下っていく。

サリーも、狩りに来るくらいなので、僕の後をそれなりについてこれる。

でも、レベル差があるので、引き離さないように気をつけなくてはならない。

雄大な山脈が続いていて、途中村とかあるかなと心配になる。



それから、風か強いときは休み、風のおさまっている間に進んでいくことにした。


時折、シシノキバなる猪の魔物が襲ってくるし、サンウルフの群れもまだ、余裕で二人で仕留めていった。


サリーさんが僕と一緒に行動しているので、レベルも上がっていく。

このまま、フォルティシオ領に入ったら、ルリの時のようにどんどんと強くなるのかもしれない。




途中、雨が降って来たので、雨宿り出来そうな洞穴を発見したのでそこで休むことにした。

濡れてしまったので、火を起こして身体を暖める。


「いや、くっつきすぎ!」

「そんなに照れなくても、村では一緒に寝た中なんですから」

頬を染めて照れるサリー。もじもじしてる。こっちも照れてしまう。



スキル『イチャイチャ』を覚えました!

スキル効果―女性とイチャついてると、一時的に能力が上昇する。

効果は、イチャつき具合によって変わる。




ん?ステータスボードに文章が浮かんだ。

こう言うとこ、ゲームみたいだな。



「雨音が治まるまで、くっついていていいですか?」

そう言いつつ、くっつかれる。なんだ?くっついてると、力が少し溢れてくる?


なんだか、恥ずかしい能力だけど、光の女神様に感謝しないとな。

でも、僕は遊び人じゃないから、女性にモテまくるのが違和感を感じる。

でも、ぼっちでいた時よりは楽しいけどね。



つづく

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