畑と魔物の種.7
みんなのおかげで、魔物退治は順調 だった。リアも強くなり、プラチナもいるからだ。
ガレットとと、協力してくれているので、何日もかからなかった。
「えい!」
プラチナが、地面に手を触れるとその場所が清められて、結界が広がる。
「ふぅ。これでよしと」
額の汗を、手拭いで拭いてプラチナは、笑顔を向けてくる。
そして、村人たちと柵を立てて行く。備蓄してある材木を使わせてもらったので、森の木を木こりの村人と協力して切り倒す。
まあ、レベル500もあれば、後衛職でも力仕事は楽々出来る。
お昼は、村のおばさんや瑠璃たちと一緒にお弁当を作ってくれた。
「ハヤテくん。あ~んして?」
「い、いえ。自分で食べるから」
「ハヤテくんは、私が食べさせて上げるの」
東の瑠璃と西のプラチナが、おかずを近づけてくる。
「そんなのより、私を食べて遅れよ」
コハクが背後からしがみついてくる。柔らかいものが、背中に当たる!
「いいなぁ、あんちゃんは」
「わしはもう……枯れ果てたよ」
おじいさんが、悲しいことを言う。それを、おじさんたちが励ましている。
しかし、こうやって見ると若者が少ないから、なんとかしないといけない。
「お兄ちゃん、モテモテだねー」
「リア、見てないで助けて!」
「大丈夫だよ?私はお兄ちゃんがモテモテでも、嫉妬しないから」
にこにこして、そう言うリアにおおっと言った感じで頷くカナエ。
「そうだね。リアちゃんの懐の深さを見習わないとね」
感心してないで、助けて。気づいたら、猫や羊たちまで近くにいる。
しかし、この賑やかさがいいのかもな。寂しくないよ。
日がくれるまでには、小屋も完成して、ユニコーンやら、コカトリスやらの雛が小屋に入る。
中は、フカフカの牧草が敷き詰められていて、魔物の雛もこうやって見ると、ただの動物みたいだ。
「今日は、ここまでにしよっか?」
プラチナが、いつの間にか釣竿と魚籠を抱えている。
「もしかして、釣竿してた?」
「うん。村のおじさんたちに教えてもらったの、見て」
差し出された魚籠の中には、魚が沢山だ。
「わあ!凄いね!お姉ちゃん、魚釣りの天才?」
「ふふん。私にもまだ、隠れた才能があったんだね」
得意気なプラチナに、村人たちが声をかける。
「プラチナちゃんは、筋がいいからな」
「ハヤテくんもいいお嫁さんをもらったなぁ」
そう言うと、笑い合いながら帰っていく。
「もう。おじさんたら~。ね?」
「……ああ。夕陽が村に反射してきれいだな」
「もう。ハヤテくんてば!話しを聞きなさいよ~」
ぽかぽかと肩を叩かれる。さてと。帰るかな。
「ピギャ!」
「ピィッ!」
「にゃ~ん!」
「な、なんだ?」
帰ろうとすると、魔物の雛や動物たちが押し止める。なんだろ?
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。みんな、寂しいんだよ」
「そっか。まだ、赤ちゃんだもんね」
リアの発言に僕も、プラチナも頷く。そうなのか。
「なら。今日は一緒に寝て上げるか」
その言葉に、雛たちが引っ張る。
「こらこら、引っ張るなよ」
困りつつも、頼られるのが嬉しい。
プラチナは、当然としてリアもついてくる。にこにこして、楽しそうだな。
「二人は、家にいてもいいんだよ?」
「何を今さら」
「そうだよ。みんなで、一緒に寝た方が楽しいよー」
やれやれ。まあいいか。夕飯は、プラチナとリアが運んで来てくれた。
一緒に寝たいと駄々をこねる瑠璃は、コハクが引っ張って行った。
魔物の雛や動物たちに餌を上げつつ、自分のご飯を食べる。
膝に乗っかる猫は、あの時助けてくれた君なのか?
そんな訳ないだろう。あの時助けてくれた猫ってなんだよとか思いながら、一人妄想を終える。
夜は、藁に潜るとリアと、プラチナが左右にくっつき。羊の毛の枕を堪能しつつ、他の雛たちもくっつく。
独りだった頃の自分が嘘みたいだな。
てか、プラチナがいい匂い。腕にしがみついてすやすやと、無防備に寝ているのでいろんなとこが当たって眠れない。
「……ねえ。ハヤテくん」
「……ん?」
起きてたのか。もう、ぐっすりしてたのかと思った。
暗がりの中で、こちらを見ているのが気配で分かる。
窓から差し込んだ優しい月明かりが僕たちを照らす。
「今、幸せ?」
「…………うん。幸せだよ」
プラチナがいて。リアがいて。みんながいてくれるから。賑やかで、幸せだと思うんだ。
「そっか。えへへ、ならよし」
そして、そのまま僕の腕を掴んで寝てしまう。
それは、なんだったのかよく分からないけど。
この当たり前の穏やかな時間が大切だと思った。
つづく
いつもありがとうございます!
10000PV行きました!




