畑と魔物の種.5
畑に着いたら、魔物がいた。頭に葉っぱの生えた鶏みたいな奴とか、狼みたいな奴とか。角の生えた馬もいる。
後………ドラゴン?ドラゴンの子供!?ちっさくてかわいい赤色のドラゴンと青色のドラゴン。
それらが、畑の回りをうろうろして、羊やヤギ。そして、猫や犬たちにじゃれついている。
子供だから。遊び盛りなんだろうな。
「キュイ!」
「クゥン」
「ヒュウイン」
なんだが、僕の方にもやって来て、僕やリアたちにも懐いてるよ。
なんだか、動物園みたいになって来たな。
「わあ!ユニコーンもいるよ~!」
「ユニコーン?」
リアが、首をかしげユニコーンの首のとこを撫でてる。
ちっさいユニコーンも、嬉しそうだ。
「とても、可愛らしいですね。邪気も感じません」
ミコが、そう言うならそうなのかな。魔物だけど、村人にも懐いてるから。
しかし、最終的には僕のとこにまた来る。可愛いんだけどね。
「うわっ!ハヤテくん、みてみて!大収穫だよ~!
レッドドラゴンにブルードラゴンの子供にコカトリスと、魔界にしかいないシャドウウルフ!」
プラチナは、魔物の雛が可愛くて興奮している。
天使だから、魔物の全てが敵だと思ったよ。
「これは、なんの騒ぎだね?」
村長さんが、村人をかき分けやって来ると、魔物の雛を見てびっくりしてる。
「ま、魔物でないかい!?」
変な驚きをしている。村人たちもどう対応していいか分からないのだろう。
この村は、驚異にさらされて来ているから、魔物に対しても恐怖なのだろう。
「ハヤテさん。これはどう言うことですか?」
「……これは」
魔物の種のことを説明する。どうさればいいのか?
リアや子供たちが、魔物の雛をかばってるのを見て、村人たちは危ないからと呼ぶ。
「ほれ、リオ!危ないからこっち来な!」
「平気さ、かーちゃん!こんなに可愛いんだぜ?」
小さな狼男を抱き上げると、流石に母親もそのつぶらな瞳に惹かれてしまう。
「こっちの鶏さんだって!」
カナエが、鶏冠を撫でると、ちっさなブレスを吐いて地面の草をパキパキにする。
「……………ね?」
「「ね?じゃねー!」」
「ハヤテくぅ~ん。みんなが雛たちをいじめようとするの!」
うるうるした瞳で見て来て私の手を取ると、もう反対はルリがしがみつくよ。
「私も、しがみついていいよね?」
「ね?じゃなくてだね。プラチナも見てないで止めてよ!」
「うふふ。いいからいいから。楽しみなさい」
なんだそれ?妙に余裕のある発言ですね。
まさか一緒に寝たことを話したりしないよね?
一筋の汗を流したところへ、あの人がやってくる。
「みんな、なにしてんだい?仕事サボってさ」
「ガレットさん!」
「ああ、ハヤテか。また、ルリにだっこちゃん状態……」
魔物の雛を見て固まる。そして、ゆっくりと目を細めて僕に説明を求める。
「実は……」
子供たちと遊ぶ魔物を見ながら話しを聞いている。
まさか、いきなり背中の長銃をぶっぱなしたりしないよね?
「確かに、魔物は不安になるね」
「「そうだ、そうだ」」
大人たちの意見に、子供たちと動物たちまで、魔物の雛をかばう。
確かに今は、可愛くていいかもしれない。
でも、大人になったら大変なんだろうな。襲ってくるかもしれない。
だけどこんなに懐いてるのに、見殺しは出来ない。
「………あの」
やいやい言う村人にを手を上げて制する。みんなが見てくるので、そう言うの苦手。
カナエは、不安そうにしがみつき、リアも泣きそうに見詰めてくる。
悲しいことがあっても、大人に絶望しないでくれと、僕は子供たちに思ってしまう。
人に絶望した僕が言うことではないけど。僕みたいになってほしくないから。
そして、自分の考えを、つっかえながら話し始めた。
これで、なんとかなるといいんだけどね。
つづく




