畑と魔物の種.4
うん。やっぱりヤギや羊が後をついてくるね。懐かれているのか。
鶏や猫もいるぞ。
「いつの間にか、この村に来たんだ」
リオが説明してくれた。まあ、外を歩いていたら、空の魔物に狙われまくるだろう。
たまに、結界が張ってるのに空の魔物たちが攻めて来るのは、動物たちが狙うと言うこともあるのか。
「お兄ちゃん、こっち!」
リアに手を引かれてたどり着いた先には、目立たない場所に鳥居があり奥には神社があった。
なるほど。この道の先にはこんな場所があったのか。
それは、懐かしい感じで。日本を思い出した。
「ハヤテさま。おはようございます」
「ミコ、おはよう」
巫女姿のミコがここにいると似合うな。懐かしいな。
「コッコッコッ」
「にゃん」
「メェー」
「………ふふ。ハヤテさまは、子供や動物に好かれますね」
「……はは」
人に好かれることには慣れてない。前世は、ほぼ、独りだったからな。
「それにしてもここにも、神社があるなんてな~」
「それは、東方之島国のことですか?」
「ん?違うけど、似たようなとこかな」
転生したことを話しても、信じてもらえるか分からない。
子供たちに、プラチナも混じってだるまさんが転んだをしている。
日本の遊びを時折教えているので、懐かれているのかもしれない。
未知の遊びを知ってるって、自分が子供だったら凄いなとおもうからだ。
「……そうですか。古い感じだけど良い神社ですね」
特に追求されると言う訳でもなく、この雰囲気が好きなのだろう。
よく見たら、狛犬が綺麗になっていたり、落ち葉が掃かれている。
「掃除したの?」
「はい。綺麗にするのは気持ちがいいです」
にっこり笑う。そう言えば、僕たちの家でも掃除してたっけ。
「掃除は、心身共に清めますよ」
「そうかもしれないね」
「お兄ちゃん、じゃあみんなで、掃除しようよ!」
「ん?ああいいよ。じゃあ、掃除道具借りてこないとな」
リアの言葉に頷く。ホントは掃除は苦手だが、子供たちが元気に言うものだから、やらないのもどうかと思う。
「転職屋のお家で借りて来ましたよ」
「あのカワウソの?」
「はい。かわいくて撫でたくなりました」
嬉しそうににこやかに笑う。子供たちが元気に駆けてくのをプラチナもついていく。
そうか。子供たちと一緒に遊んでるのは、万が一のことを考えて守ってあげているのか。
「おや、珍しいとこにあんたらいるね」
「ああ、コハク?」
珍しく、ビキニアーマーじゃなくて、村の娘が着ているような服だ。
「ふふ。どうしたい?質素な私は嫌いかい?」
「い、いえ。そうじゃなくて普段は質素なんですね」
「こう言う地味なのが好みなんだろう?私のことも掃除しておくれよ」
服は地味でも、あなたが派手なんですよねとも言えない。言っても気にしないだろうけど。
「もう。コハクさま。ハヤテさまが困っていますよ。戯れもほどほどにしてください」
窘めるものの、頬を膨らませている。
「あんた、敬語が過ぎるよ。もっと、こう砕けた口調は出来ないのかい?」
「そう言われても、長いことこうですから」
コハクは、敬語が苦手なのか。くっつきすぎて来たらそうしよう。ミコは、困ったように答える。
「あ、裸のねーちゃんが服着てる!」
「うるさいね、ペルコ。あんた、私のこと好きなんだろ?」
「んな訳ねーだろ?」
「ほれほれ、お色気むんむんじゃないから寂しいんだろ?」
ペルコと呼ばれた子供が捕まり、子供たちが囃し立てる。
「もう。みんな、掃除するよー」
「そうだよ。ぴかぴかにしたらご利益あるかもだよー?」
リアとカナエが注意する。ご利益目当てと言うのもどうかと思うがまあいいか。
信じられるならそれもいい。前世の僕には無理だったな。
でもまあ、光の女神を信仰してるなら信じてもいいか。
掃除は、テキパキと進んだ。なので、ご褒美に職場兼酒場でご馳走してあげた。
村のおじさんも嬉しそうだった。
それから数日は、近くの森のダークゴブリンや、群れから外れたギガントオークを倒して素材を集めたり、村の古い家のリフォームを手伝ったりした。
そんなある日のことだった。畑で異変が起きたのは。
つづく




