畑と魔物の種.3
明けましておめでとうございます!今年もよろしくです!
んん?なんだ。朝から息苦しいな。目を覚ますとなにかに塞がれている?
それが、圧迫されて動けないのか。身をよじって動こうとする。なんだ?この柔らかい感触は?
手でさわってみると柔らかくてずっと触っていたくなる。
「う~ん。ハヤテくんもう食べられないよ~」
「!!」
て、上に乗っかってるのってプラチナじゃないか!
ならばこの柔らかい感触は………!?
「……あ。ハヤテくんおはよ~」
そっと動いてどかそうと思っても、しがみつかれて離れない。
「お、おふぁよ」
圧迫されて上手く喋れない。ああ、これは軽蔑されるんだろうな。
「あ~もう!ハヤテくんたら、朝から駄目だよ~。恥ずかしいな~」
「え、いやそこは、悲鳴を上げてビンタじゃないの!?」
「ハヤテくん叩かれたいの?Mだったの?」
目を擦り、大きなあくびをする。
「Mじゃないよ!?」
「まあまあ。ハヤテくんだったらいつでもいいよ?」
「え?」
僕がぽかんとしていると、プラチナはベッドから降りると大きな伸びをする。
「さ、朝ご飯、朝ご飯」
さっさと降りていってしまった。男として、意識されてないのだろうか。
いや、意識されていてもぎくしゃくして困るのだけど。
一階に降りると、パンの焼けるいい匂いがした。
「おはよ。お兄ちゃん、プラチナ」
「おはよー!朝ご飯用意してくれたんだ、わーい」
プラチナは、子供のようなはしゃぎようだ。パンとサラダとスープのようだ。
この世界の子供はホントに働き者で感心するな。
「リアさまは、手際も良いですよ」
「もう。ミコおねーちゃんの方が凄いよー。それと、『さま』はいいから」
「……じゃあ、リアちゃん?」
「うん。その方がいいよー」
キッチンに立つミコは、とても様になっている。
昔の日本のお嫁さんて感じだ。キッチンに立つ女性を見るとドキドキしてしまう。
ぼっちだっただけに、そう言う暖かい家庭が憧れなんだろうな。
顔を洗いに裏手の井戸に行くと、村のおじさんがやってくる。
昨日、畑に案内してくれた人だ。挨拶する。
「おはようございます」
「おお、おはよう。昨日植えた種なんだが、もう芽が出ているよ」
「ええ?もう!」
「後で、様子を見に来るといい」
おじさんは、それを言うと取れたての冬野菜をくれた。
「あ、ありがとうございます。でも、お返しに出来ることがあったら言ってください」
「なんの。あんたのおかげで、村は安全なんだ。気にしなくていいさ」
そう言うと、笑いながら去って行く。うーん。お返しにわたせるものか。なにかないかな。
朝食は美味しかった。この年で凄いなと褒めると、前の村でチビたちに作っていたと言う。
孤児院のことかな。何て言っていいのか分からないので、「そうか」とだけ答えておいた。
ちょっと悲しそうな表情してたので、辛いことを思い出させたかなと胸が痛む。
畑への道を歩いていると、カナエやリオが遊びに来た。
リオは、村の男の子で、朝から畑を耕している偉い子だ。
褒めると、「当たり前のことしてなんでほめられるのさ?」と、真顔で返されて、自分の子供の頃を思い出して恥ずかしくなる。
「お兄ちゃんは、いつも、女をはべらしてんなー?」
「からかうなよ」
リオをくすぐると、笑いながら逃げていくのでみんなで追いかける。
畑につくと、確かに緑の葉っぱが生えていた。
「おっきい!」
「うん。なんの花が咲くのかな?」
子供たちは、興味津々だけど、魔物の種だからな。
魔物の花が咲いたら怖くて嫌だな。
「私たちが、水上げていい?」
「いいよ。気をつけてな」
「「「は~い!」」」
子供たちは、元気良くかけていく。
さて。これからどうしようか。僕もガレットさんについて見回りでも行こうか。
「……そう言えば、ミコはどこ行ったんだ?」
「そう言えばみないね?」
「アルフさんのとこにも行かないとな」
「そうだね。いい装備は持ってて損はないしね」
と言う訳で、アルフさんの鍛冶屋に行くことにした。
つづく




