畑と魔物の種.2
いつもの宿屋件酒場で、食事をする。
「ああ~。ここの飯は美味しいな!」
ステーキを頬張りつつ、ホッとしている。
リアは、お子様ランチみたいなのを食べている。
プラチナは、パスタか?この世界の食べ物って、日本で食べてるのとあまり変わらないよな。
和食食べたいな。他所の国に行けばあるのだろうか。
「嬉しいこと言ってくれるな。これは、サービスだ」
それは、ポテトだった。油で揚げて塩を振ったポテトは、馴染みの味だった。
「ポテトうめー!」
「そうか、そうか。これは、昔の異国から伝わって広がった物だ」
「この世界独自に広がったと言うことかな」
まあ、うまいからいいか。しかし、食べ出すと手が止まらなくなるから気をつけないとな。
「おお、ハヤテさん。帰っていたと聞いていたが、元気そうだな」
「あ、村長さん。ただいま戻りました」
「ただいま~」
みんなが、それぞれ挨拶すると、僕はミコのことを紹介する。
「ケイズ村のミコです。よろしくお願いします」
立ち上がり丁寧に、頭を下げる。
「……そうか。あの村の生き残りか。話しはガレットから聞いた」
「それで、ミコもこの村に住んでもいいですか?」
「うむ。なんもないとこだが、あなたさえ良ければかまないよ」
「はい。ご厚意に感謝します」
また、丁寧に頭を下げる。村長は、嬉しそうに頷く。
「若い子が増えてくれれば、いずれ村人の人数も増えて大助かりだな!」
村長は、ホントに嬉しそうに喜んでいる。
もしかして、少子化問題のこと考えてたりする。
村にとっては、大問題だからね。
「……」
ミコは、言葉の意味を知って照れている。
「私たちも、頑張ろうね?」
ルリが、にっこりと微笑む。いや、仕事サボってここにいていいのか?
「あ、そうだ。村長、畑の一部を借りたいんですけど」
「もう!ごまかすな!」
話しを反らす。その方がいいだろう。
僕は、魔物の種のことを思い出したので、どこか良い場所で埋める場所はないだろうか。
「私の畑にも植えておくれよ」
「さて、そうだな。後で村の者に案内させましょうか」
「それは、ありがたいです」
コハクの台詞は、ものの見事にスルーされた。
村長は、コハクの下ネタに馴れているのだろう。
「ここなら使ってもいいよ」
獣人のおじさんは、結構広い場所を提供してくれた。
こんなに広くなんても大丈夫だけどね。試しに種を植えてみることにした。
緑色の種か。大丈夫かな。桑で少し深く掘って、種を落としていく。
レベルが高いから、植えるのも楽だ。
「これで、水でも上げればいいのかな?」
「神の雫でも、かけてみる?」
プラチナが、そう提案する。
「神の雫?」
「エリクサーよりも効果が高いの。びょうきも完治して、死人もびっくりして生き返る凄さだよ」
「そ、そんな貴重なもの、訳の分からないことに使えないよ!」
「お兄ちゃん、水でもいいのかな?ら」
「リア、頼めるかな?」
「はーい!」
笑顔で返事すると、他の子供たちと走って行く。
「そう言えば、コハクは?」
「コハクなら、温泉で温まるって」
まあ、この寒いのに、ビキニアーマーなんて着ているからだろう。
「ミコもいないね」
「村を見学してくるって。ねえ、ハヤテくん」
「……ん?」
なにって聞こうとして、言葉に出来なかった。
真剣そうで。どこか泣きそうで。そこにリアが戻ってくる。
「お兄ちゃん、持ってきたよ?」
僕とプラチナを交互に見て首を傾げる。
「お、ありがとな」
「う、うん。二人とも喧嘩した?」
「し、してないよ!なぁ、プラチナ」
「う、うん。今日は二人で寝よっかって話しをしてたんだー」
「それも、してないよ!?」
「私も、一緒に寝るもん」
頬を膨らませて抗議するリア。なぜか、その日の番は、三人で同じベッドで寝ることになった。
真ん中にリアが寝てるから、変な気を起こすこともないけど。
「リアの寝顔、可愛いね?」
プラチナは、そう言ってクスッと笑う。
まあ、疲れたんだろうな。今は、ゆっくり休んでほしい。
「まるで……」
「ん?なにかな?」
「いや、なんでもないよ」
川の字になって寝てるから、まるで家族みたいなんて。照れくさくて言えないや。
つづく
今年もお世話になりました!
来年もよろしくです。
よいお年を!




