畑と魔物の種.1
「……帰ってきたよー!」
遠くに村が見えて来たので、リアがはしゃぐ。子供の笑顔は可愛いな。
同じ日数と時間をかけて、馬車を走らせて、村の前へ。
帰ってくる道中話しをした。リアは困ったように微笑むと教えてくれた。
「……私、レベル10000あるんだ。えへへ」
「いち!?なんで、黙ってたの?」
「うーん。私はガイドだけど、私の強さに頼って欲しくなかったかな。解くに今は、こんな状況だしね」
言いたいことは分かるかも。相手に頼ってだらけても生き残れないだろう。
「まあ、主様があんな風になったから、力を解放したみたいな?」
「そっか。ありがとな、プラチナ」
「えへへ。いいよ、いいよ。後で責任取ってくれれば~」
「なんの責任!?」
「でも、プラチナ様のおかげで助かりました。ありがとうございます」
ミコは、丁寧にお礼を言う。
「それにしても、あの場所に悪魔の気配したんだけど、見つからなかったなー」
「…それは、僕も感じた」
「私は、あんたを見るとゾクゾクするね」
「コハクさん、おっかしいの~」
楽しそうにリアが、ケラケラ笑う。意味分かってんのかな?
「ハヤテ、よく無事に帰ったな!」
見張り台の上のおじさんに挨拶してから中に入ると、村のじじばばや子供たちが出迎えてくれる。
「リア、おかえりー!」
「カナエちゃん、ただいま!」
手を合わせて、きゃっきゃっ言っている。
「お兄ちゃん、しばらく村にいるの?」
「うん、まあ。依頼にもよるかな」
「そっか。みんなと遊んでてもいい?」
「いいよ」
遠慮がちだなぁ。頭をくしゃくしゃに撫でてやると嬉しそうに笑う。
この子は、過酷な運命みたいだ。きっと、僕の転生なんてこの子のこれからに比べたら、大したことないのかもしれない。
遊べるときに、遊んで欲しいと思う。
「ふふ。私とも遊んでおくれよ」
「ちょ、コハク、離れて下さい!」
「照れちゃって~、ホントにウブな坊やだよ」
やいやい言いながら歩いていると、ギルドからルリが駆け出してきた。凄い嗅覚!
「ハッヤッテくん~♪おっかえり~!」
そのまま抱きつこうとして立ち止まる。そして姉の襟首をつかんで引き離そうとする。
「ちょっと、お姉ちゃん!私のハヤテくんに抱きつかないでよ!」
「なに言ってんのさ。ハヤテとは、夜な夜な身体が夜鳴きするもんだから、慰めて貰ったよ?」
にやりと勝ち誇ったよ、この人?
「ハヤテくん、それはホントなの!?」
「そ、そんなことしてませんからね!?」
プラチナは、それを微笑ましそうに眺めている。
ギルドに入ると、ガレットさんがいた。
「た、だいま、ガレットさん」
「おお。無事でなにより……だが、二人のビッチがしがみついてるね」
「……はは」
「それに、新しい女が増えてるし。元気なのはいいけど、ほどほどにね」
なんて答えていいのか分からない。誰とも関係を持ってないし。
取りあえず、ルリはこめかみをぐりぐりされている。
「いたい、いたい!離せ年増!」
「うるさい、ビッチ!毎回、毎回仕事放り出して、盛りのついた犬か!」
「ひっど!」
睨み合う二人。まあ、賑やかなのは良いことだ。
なんか、故郷に帰ってきた感じだな。
カウンターに戻ったルリに依頼の報告をして、報酬の入った袋を貰う。
提示版を見ると、高難度の依頼書が張られている。
「……まだ、依頼が沢山ありますね」
「まあ、あんたしかいないしね」
どうやら、他のギルドからの応援は来てないようだ。
いや、敵が強すぎて高ランクの冒険者でも慎重になるのかもしれない。
どうしたもなのかと考えていると、肩をポンポン叩かれる。
「まあ、少しはゆっくりしてなよ。プラチナの結界で安全にはなったからね」
「……でも、ガレット」
ルリが言いかけたとこを止める。なんだ?
「……それはまだいいよ。しばらく休んでから来ておくれ」
「?はい、分かりました」
「じゃあ、いこ。ハヤテくん」
名残惜しそうなルリに見送られて、外へ出る。
つづく
いつも遅い投稿ですみません。
ノベルアッププラスの方では、新作も投稿しています。
良ければどうぞ!




