帰還とのんびり.5
アルフさんに武器の素材とか持って行ったら、大変喜ばれた。
「くくく!いいぞ、小僧!貴様等の装備を改造して、強くしてやる!」
アルフさんの高笑いに、リアはビクッとしていた。
「そこの小娘にも、最高の装備をこしらえてやる!」
ニヤリと微笑まれたら、リアもにこっとなんとか笑顔を返す。怖がらせないで下さい。
「アルフさん、子供を怖がらせないの!」
「なんだと?貴様には、勝負下着を作ってやったろーが!
そこの小僧を落とすんだろうが?」
「わー!わー!しー!静かに!この変態!」
「ふん。恥女め。いや、痴女だったか?恥ずかしい方の恥女の方が面白いがな」
「うっさい、タコ!」
ルリがいると賑やかになるな。会話は、聞かなかったことにしてと。
「リア。あの人はああ見えても、腕は一流だから、武器防具に関しては、頼るといいよ」
「うん。分かったよ、お兄ちゃん」
そして、アルフさんにペコリと頭を下げる。
「よろしくお願いします、アルフさん」
「おう。礼儀正しい子供は好きだぞ。よろしくな!
お前が、死なないような防具を作ってやるぜ」
「はい。ありがとうございます」
「ふ。ルリ、みたか?お前も少しは見習え」
「なにおぅ?私は、気さくでフレンドリーなんです!ね、ハヤテくん」
「そ、そうだね。それ確かにその通りだよ」
「私のこと、好きになった?」
「いや、ごめん」
「そこはなったと、言えよー!もうすぐクリスマスなのにさー!」
頬を膨らませてるとこは、なんかプラチナみたいだな。
「ハヤテくん?今、失礼なこと考えたでしょ?」
「な、なんのことかなー?さて、とリア。依頼でも受けて、レベルでも上げようか?」
「うん、そうだね。私は頑張るよ!」
笑顔で、にっこりと笑う。ホントは子供に戦わせたくない。心が痛む。
でも、体質かなんかなのか。
魔王は、勇者しか倒せないそうだ。
なんか、昔のレトロゲームの展開になってきたな。
何回、勇者は魔王を倒したのか。ソフトの数だけ物語があるって、親父は言ってたっけ。
鎚を振るい武器を叩くアルフさんと別れて、ギルドに行くとガレットさんが、依頼書を張っていた。
そして、僕たちを見ると睨みつける?いや、睨まれたのはルリだ。
「あんた、仕事サボってどこ行ってた!」
「えーと。ハヤテくんとデート?」
小首をかしげると、ズカスガとやってくる。
「あんまさぼってると、タダ働きさせるよ!」
「は~い!がんばります!」
どう見ても、適当に言ってるように聞こえるんだけど。
「……ん?その嬢ちゃん、武器を持ってるけどまさか、戦うのか?」
「はい。私もお兄ちゃんの力になりたいの」
「そうか。泣かせてくれるなぁ。家族なんて、煩わしいだけかと思っていたが、こう言う優しい子供だったら、家族としていいのかもね」
涙ぐんで、遠くを見ちゃったよ。ガレットさんも、色々あるのかもしれない。
「もう、遅いわ」
「なんか、言ったかルリ?」
「いいえ。さ、仕事しよ」
ルリが、カウンターに入ったので、リアのギルドカードを作る。
僕の時と違い、虹色に輝いて光は消えた。
「おっと?」
「なんだい、今の光りは?」
「私は別に、いたずらしてませんよ?」
ガレットさんが、詰めよって来たので、慌てるルリは、ギルドカードをカウンターに置く。
「ふむぅ」
ガレットさんは、それを手に取り眺める。そして目を見開く。
「こ、これは、勇者専用のギルドカード!」
「へぇ。そんなのあるんですねぇ」
ルリは、呑気だ。特に興味がない。
「新人研修で、習わなかったのかい?あ、教えたの私か」
気が動転してますか、ガレットさん?
「……どんな方法を用いても、持ち主の元へと戻ってくる紛失知らずのカードだよ!」
「じみー」
「うっさい!お嬢ちゃん、もしかして、勇者なのかい?」
「……うん。そうみたいです」
「………そうか。こんなかわいい子がね」
痛ましい表情を見せる。
「いいかい?勇者だってことは隠しておくんだよ?」
「うん。言わないです」
リアは、ギルドカードを受け取り頷く。
まあ、見た目かわいい女の子だから、誰も信じないだろう。
「やっぱり、勇者って知られるのはまずいのかな?」
「ああ。クエストはともかく、魔王退治は、勇者任せになってしまうし、国同士で奪い合いになるかもしれない。ブランド力が高いからね。
色々と、利用されるだろうからね」
その言葉にプラチナは、むむむと考え込む。
なんだか、めんどくさいことになったな。
つづく




