ワイバーン退治.3
「ふう。ありがとう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
その女の子は、満足そうに微笑むとぺこりと丁寧に頭を下げる。
「よしよし。次は、汚れを綺麗にしよっか?」
「え?」
「ハヤテくん、ちょっと手伝って」
「はいよ」
なにするのか分からないけど僕は、ドラム缶を持ってくるように言われた。そんなのあるのか?あ、会った。なにかの作業場に会ったので、それを転がしてやって来る。
「おっと」
ワイバーンが、女の子を狙っていたので弓矢を構え放つ。
鳥の魔物は、グエグエ言いながら落下したので、女の子がビクッとした。
「あ、驚かせてごめん」
女の子は、びっくりしたまま首をふるふると横に振る。
「ハヤテくん、こっちだよん」
だよんて。まあ、いいけどさ。
ドラム缶を立ててプラチナが、魔法を唱えると、掌からお湯がバシャバシャとドラム缶にたまっていく。
「なんでもありかー」
「えへん。ありですよ~」
そして、女の子に手招きして、お風呂に入れるようので僕は見回りをすることにした。
「ハヤテくんも一緒に入る?」
「入らないよ、たく」
今、倒した魔物の素材を回収してアイテム袋にしまう。
以前は、生活の合った場所が廃墟になっている。
みんなここで、笑顔で生活していたんだろうな。
それが、この土地が以上になったから逃げ出したのか。
それとも、壊滅したのか。分からないけれど、この世界の厳しさを実感した。レベル高くて良かった~。
暫くして二人のとこに戻ると、見違えた女の子がいた。
髪もツヤツヤ。服も綺麗になってる。恥ずかしそうにこちらを見てる。
そして、湯上がりのプラチナは、ドキドキするくらい色気がある。
「えへへ、どう?この子見違えたでしょ?」
「あ、ああ」
むしろ、プラチナに見惚れていたとは言えない。
いやいや、今はそんなこと考えないで、依頼に集中しないと。
「服も新しくしたの?」
「えへん。水洗いして、熱風で乾かしたの。ハヤテくんも後で乾かして上げるよ。すっぽんぽんになった後で」
すっぽんぽんなんて、久々に聞いたな。それよりもだ。
「君は、なんて名前なの?あ、僕はハヤテ」
「私は、リアです。おかしなお面のお兄さん」
おかしなお面?ああ、そうだ。妙にフィットするから忘れてた。お面を外して素顔を見せる。
「わぁ!素敵!お面着けてるなんてもったいないですよ」
「そ、そう?お世辞が上手いね」
「お世辞じゃないですよ!ね?お姉ちゃん?」
「私は、プラチナだよ。そうだよ。ハヤテくんは村でモテモテなんだよ」
何故か、得意気なプラチナはともかくとして話しを聞くことにする。
「私は、捨てられたの……です」
「いいよ。普通に話して?」
プラチナが、リアの頭を優しく撫でている。安心したように頷くと話し始める。
「うちの家は、生活がくるしかったけど、みんな優しかったの。でもあの日……」
突然、この辺に出る魔物が強くなって。とても暮らせなくなったので、村を捨てて逃げたのと。
「…でも、うちは、家族の数が多いから、ぐすな私は置いてかれたの。捨てられちゃった」
エヘヘと、悲しそうに笑うので、プラチナが抱きしめる。
「お姉ちゃん?」
「辛い時は、無理して笑わなくていいんだよ?」
「………うん」
リアは、大声を出す訳でもなく静かに泣いた。悲しくて、そして安心して、ホッとして緊張感が途切れたのだろう。
「疲れて寝ちゃったね」
「うん。この子どうする?連れて行くにしても危険だしね」
「う~ん。リアちゃんさえ良ければ連れて行きたいけど」
「……もしかしてアレ?」
「そ。アレだよ、アレ」
しかし、その方法はあまりおすすめしないなと思う。
この世界のバランスが崩れるからだ。
「あ~、それなら大丈夫だよー」
自信満々にそう言うので、大丈夫なのだろうか?
まあ、のんきと言うか、緊張感が無い人だけど頼りになるから任せて見ればいいか。
「じゃ、お風呂入ってくるよ」
「一緒に入る?」
「入らないよ?」
全く、冗談ばかり言うんだからな。天使ってこう、もっと神々しくて近寄りがたいとおもってたんだけどね。まあ、いいや。
久々の風呂だから、ゆっくりしよう。
つづく




