ワイバーン退治.2
「あふぅ」
。それを見てくすくすと、笑われてしまう。
「変なあくび~」
「いや~、夜になるとうるさい幽霊たちがうるさいんだ」
「あ~、あれね。ごめんね?」
「なにが?プラチナなんかしたの?」
「あれ、私を狙ってるんだよ~、てへ」
そう言って可愛く笑うけど、笑いごとじゃないんだけど。
「私って、天使だからその神聖なオーラに幽霊たちが引き寄せられてくるんだよね~」
「えへへと言って、ピースとかしなくていいから」
文句を言い返しながら、エアウルフの群れに矢を放つ。
よっぽど近い魔物しか仕留めないのだけど、このまま行けばエアウルフの群れと遭遇したから仕方ない。
そっちの方へ行くと沢山の魔物が素材に変化している。魔石に変わっている。
「うーん。やっぱりゲームみたいだ」
「どうしたの?まさか、私とのラブゲームを期待してるの?駄目だよ。私は天使。あなたは、人間」
「なに言ってるの?してないよ」
こんな美人が僕をからかってなにが楽しいんだか。
魔物が素材とかに変化するのが不思議なこと話すと、得心が言ったように何度も頷く。
「あ~、うんうん。それは、光の女神様のおかげだよ」
「そうなの?」
「そーなの。普通だったら、解体して毛皮とか牙に分けないと行けないんだけど、ハヤテくんはそう言うの慣れてないでしょ」
そりゃそうだよ。二十歳そこそこの男が、現代社会でそんなことしてたら、奇異な目で見らてるよ。スマホで撮られて拡散されてそうで怖い。
「……つまり、光の女神様々だってことだね」
「そうだよー。ついでにガイド役の私も崇めなさい」
ついででいいんだね。そうだ。聞いてみたいことがあったんだ。
遠くに見えるワイバーンの住む山々が近くなって来ているのを眺めがら、素材を回収する。緑色の魔石を持って尋ねる。
「なんで、魔物の中に石ころがあるの?」
「う~んとね、それは、魔物が感情を出すたびに、内部に蓄積されていくんだって!」
「ふーん。それが、素材になったたり、お金になるのって不思議だな」
「でしょー?大きくてきれいなのほど、価値があるんだよ」
「そうなのか……ん?あれは」
山の麓に村がある。二人は顔を見合わせて行って見ることにした。
村は、閑散としていた。中を見回って見ても、もう何年も生活感がなくて、見捨てられた感じだ。
「……こんなとこがたくさんあるのかな?」
「うん。悲しいけどそうだよね」
「早く、なんとかしないと」
この周りが高レベルの魔物がいる理由を早く見つけないといけない。
山登りの前に少し休もうかとなり、休憩しつつアイテムボックスに入れて来たお弁当を食べる。
さすが、酒場のおじさん。うまい。サンドイッチはいいけど、いつかお米が食べたいな。
「どうしたの?ご飯、美味しくなかった?あ、私の手作りが良かった?」
「うんまあ……じゃなくて!」
「じゃないのかよ~!」
ぽかぽか肩を叩いてくる。
「お米が食べたいな~」
「ああ。ハヤテくんの世界の食事は、和食がメインだっけ?」
「まあ、うちは大体そうかな。たまに、洋食とか中華とか。
でも、日本人としては和食が食べたいな」
手料理か。幼馴染みのお弁当を思い出して、胸が少し痛む。もう、食べられないんだよな。
「……なら、いつか、東方の島国に行くといいよ」
「そこに行けば、米が食べれるのか?」
「そだね~。昔の日本に似てるかもね」
「そっか。その時は、僕の手料理をご馳走するよ」
「……………うん。楽しみにしてるね」
少し間があって、にっこりと微笑む。あ、もしかしてあんまり嬉しくないか?
僕が、あんまり料理上手く無いのを気づかれた?
そんな時に視界のはしになにかを捉えて矢を構える。
「プラチナ、誰かいる!」
「待って、ハヤテくん!あれ、人間だよ!」
それは、赤い髪の子供だった。なんでこんなとこに?もしかして、生き残りとか?話しに夢中になっていて気づかなかった。
その目は、ずっと僕の手元に。食べ物か?
サンドイッチをその子の目の前に差し出すと、警戒よりも食欲が勝ったのか、サンドイッチにかぶりついた。凄い食欲だ。
喉につまったのか、胸をトントンと 叩いているので水を差し出すと、がっと奪って飲む。うむ。ワイルドな子供だ。しかし、なんでここにいるんだ。
子供が食べている間に、キョロキョロと周りを見回すが、誰もいない。
「ハヤテくん、この子どうしたんだろ?」
「こっちが、聞きたいけどね」
子供は、食べ終わったのか、今度はプラチナの食べ掛けのサンドイッチをガン見している。
「これ?いーよ。上げるよ」
プラチナが、そっと差し出すとおずおずと手に取りかぶりつく。
僕の時は、ガッと奪ったのに。それにしても、よっぽどお腹空いたんだな。
つづく




