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ワイバーン退治.1

次の日の朝。興奮している鍛冶師のアルフさんから疾風の弓を受け取って銀貨5枚を払う。

普通の武器防具は、もう少し安いのだけど、レア武器は扱うのも神経がすり減るみたいで高いようだ。まあ、金貨はあるからね。

「また、帰ってくるよね?」

「うん。依頼をこなすだけだから」

泣きそうなカナエの頭を撫でて、ガレットさんたちに見送られて旅立とうとして、ガレットさんがついてくる?

「あ、あの?」

「昨日、ルリから聞いたんだ。ルリの動きが良くなっていテキパキ働くからね」

「ああ~」

「問い詰めちゃったんだね♪」

楽し気にプラチナが微笑む。楽しくないよ?

「まあ、あの子を責めないでやっておくれ」

「分かってますよ。それで、もしかして?」

「察しがいいね。ほら、丁度良い具合にワイバーンが飛んでるだろ?」

ニヤリと笑い空を指差す。雲一つ無い青空だからか、よく見える。

トナの村にてを餌さ場として見ているようだ。

「すまんが、一時的にパーティーを組んでくれるかい?」

「……はは。いいですよ」

つまり、経験値稼ぎだね。そうすれば強くなって僕たちがいなくても、村を守りやすい。

そんな訳で、この村を餌場として狙ってきたワイバーンを狙い撃つ。

一呼吸で二射撃つことが出来るから、二射目はクリティカルで仕留めた。

少し歩いて、バーサクゴブリンやメガスライムを仕留める。

それで、それなりにレベルが上がったのか、ガレットさんも納得した。

「すまないね、こんなこと頼んで」

「まあ、世話になってる村のためですから」

「ちょっと~!ガレットさん、なにハヤテくんについていこうとしてるんですか~!」

きびきびとした動きでルリがやって来る。明らかに動きが速いのは、レベルが上がったからだろう。

いっそのこと村人全員とパーティー組んだら、凄い強い村になりそうだけど止めておこう。平和な村でも人間であるからには、欲望がある。

よからぬことを考える人もいるかもしれない。

「ルリ、危険だから村から出ては駄目だろう?」

「だって、抜け駆けしてハヤテくんとどこか行こうとしてる~?」

「はいはい、帰るよ、たく」

ルリを引きずっていたが振り返るガレットさんはニヤリと笑う。

「報酬は、弾ませてもらうからね」

「私と混浴出来る権利を上げましょう」

「丁寧に言ってんじゃねぇよ、ズベ公」

「年増!」

「ビッチ!」

ぎゃあぎゃあ言いながら、村へと戻って行く。

「な、仲いいね」

「うん、そうだね」

僕たちは、顔を見合わせて苦笑すると歩き出す。

ワイバーンの住む巣は、遠くに見える山々の中腹にあるみたいだけど、動きの速いメガスライムや、エアウルフ。空からは、マッハファルコンなどが狙ってきた……が、僕の弓で大抵は一射すれば仕留められる。

仮に近づいても、プラチナのレイピアで串刺しに出来るから、傷つかないが、精神的には疲れる。



夜は、夜でグールやリッチなど亡霊たちのお祭り状態だ。これ、やっぱりおかしいよね。この土地どうなってるんだろう。

ゲームの強くてニューゲームみたいだ。二週目的な奴のだな。

「この魔物たちの異常さはなんだろうな」

「そうだよね。前に転生者を案内した時は、それほどでもなかったのに、魔族の気配が強いんだよ」

「前の転生者がいたのか?」

「うん。大抵は前世で辛い人生を送った人とかを光の女神様のご慈悲でこちらに転生させてたの」

「……そっか」

しかし、この世界が危険な世界と知ってその転生者たちはどう思ったのか。


手頃な場所で野宿をしつつ、交代で見張りをする。

まあ、どんな強い魔物でも、火を焚いて置けば襲ってこないから、不思議なもんだ。


「グオオオオオオオ!」

「あ、リッチ。ターンアンデッド」

軽く唱えるとリッチは浄化されていく。簡単そうにしているが、説明書を見れば、高レベルの魔物を瞬殺しているのだ。

幽霊とかゾンビとかは僕の弓矢はあまり効果はないのだが、レベルが高いので仕留めることが出来る。

そして、アルフさんの鍛えたひょっとこのお面の効果は射程+15なので二倍だよ。しかも防火と防水耐性があるから頑丈だよ。

でも、聖水も用意してあるのでタフな奴と根性のある奴は、もがきながら地面を這いずって来るので、聖水をぶん投げる。下手なホラー映画よりも怖いんだけど。

ルリとプラチナの間の板挟みの方が怖いかも。なんちって。

まあ、この地方の異常なのはいずれ調べて見るとして、今は地道に依頼をこなすとしよう。


「グオオオオオオオ!」

「キィヒィエイェヒェ~!」

「ワカイムスメエェェェェェ!」

「ウケケケケケケケケケケケ……ゴホッ!ゴホッ!」

あ、むせた。その声で寝ぼけ眼でプラチナが起き上がると、今までで一番大きいターンアンデッドをぶちかまして、浄化させた……こわっ!

そして、そのまま眠ってしまう。それでもこの辺りを夜に旅する人もいなかったからか、また魔物が湧いて出てくる。

あの。朝までどんどん来るんですけどー、なんですかあれ?ゴースト系怖い!

「むにゃむにゃ。もう、ハヤテくんたら、甘えん坊でちゅねぇ~」

神聖なオーラを放ちつつすやすやと眠るプラチナさん。呑気でいいね。

それより、どんな夢見てるの!?

まあ。もう少し寝かしといて上げよう。大事な案内役だから。



つづく

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