新生活と出会い 8
食事の……というかご飯を炊く為にお米を仕掛けただけですけど……準備を終え、外行きの服から部屋着に着替えた私は戸締りの確認を済ませログイン。いくらアパートのセキュリティがきっちりしていても、自室の鍵などの点検はきっちりしないとダメですよ?まだ昼過ぎだとしても最近は物騒なんですから注意しないとね?
ログインし、ステータスからデスペナの表示が消えていることを確認した私は、早速私有地の倉庫へ向かいました。倉庫の中には飼育しているペットたちから取れた素材が山積みとなっている。いつもどおりマスター裁縫のスキルで糸球に加工し、使わない分はバザーへ出品する。
そしてそんな私有地の倉庫に幾つか眠るこの子達の封印が今、解かれたのです!
狼人形:レアリティ1、体力6・魔力1・腕力7・体格3・賢さ2・敏捷9・運1。品質評価8。評価ボーナス+1、使用可能レベル1~、コスト1
熊人形:レアリティ2、体力10・魔力2・腕力12・体格8・賢さ3・敏捷7・運3。品質評価8。評価ボーナス+2、使用可能レベル6~、コスト2
狐人形:レアリティ3、体力9・魔力10・腕力5・体格5・賢さ9・敏捷8・運5。品質評価8。評価ボーナス+3、使用可能レベル11~、コスト4
虎人形:レアリティ3、体力14・魔力4・腕力16・体格10・賢さ6・敏捷17・運5。品質評価8。評価ボーナス+3、使用可能レベル12~、コスト4
これらは全て【人形操作】で使用する人形達ですね。一応この子達は3体ずつ作ってありますので、もしモンスターに破壊されても替えが効きます。もちろんできるだけ壊されないように頑張りますけど念のためです。
というのも、人形達には回復魔法が無効ですので、どうしても数が必要になります。人形達にはレベルアップの概念もありませんし、強いフィールドに行くなら戦力を揃えるという意味で次々新しい子を作っていかなければなりません。
「ほんと、裁縫と人形操作って密な関係よね……。今日はとりあえず、人形たちの使い方を覚えないと!」
今回持ち出したのはウルフ人形3体とベア人形3体。スキルレベルが上がらないとベアを使役できないけど、今までの様に行けばすぐ上がるはずです。行き先は《始まりの草原》。ます最初はここで手慣らしですよ!
「……弱い!弱すぎるわ!ここのフィールドモンスターにも勝てないなんて!」
なんと初期から使えるウルフ人形ですけど、始まりの草原にでる初心者向けモンスターのウルフにも勝てませんでした。自信作のウルフ人形が本物のウルフ程度に負けるんですよ?どういう冗談ですか!
手持ちのウルフ人形3体が大破し、レベルアップもしなかったので泣く泣く町に引き返しました。
人形と戦っていたウルフ?そんなの私の……
指先 一つ で ダ ウ ン さ~!
……すみませんウソつきました。ちゃんと風魔法で倒しました。
まさか品質評価8のウルフ人形でもあっさり負けるのは予想外でした。これってもう評価10のウルフ人形を目指すっきゃないわよね?
そういうわけでバザーを覗き、なつかしのウルフの毛皮を大量購入しました。その後、私有地に取り付けた裁縫・調香を行う施設で作業を開始。慣れた手つきでウルフの毛皮をなめし、品質評価10のウルフレザーを制作。そこまで終えると評価8の人形を作った時のことを思いだし変更すべき点を考える。
「あの時は確か…普通にウルフレザーと麻糸を使用して作ったわね。なら今回はもうちょっと糸の素材ランクを上げてみようかしらね」
倉庫を漁り何か良い糸はないか探す事5分。5分もかかりすぎ?……だって倉庫が大きいから全部当てはまる品名を調べるだけでも時間がかかるのよ。そんなこんなで探し当てた2種類の糸。
「水補正がつきやすいサプレスレッド、土属性のつきやすいマッドスレッドなら、レアリティ的にも使えそうね」
素材さえ揃えば後は簡単。型紙に沿ってウルフレザーを裁断し、つけた目印どおりに縫っていく。もちろん外側だけだと、中身がスカスカで評価が下がるので中にはサンドウルフの毛玉を詰め込みボリューム感を出す。そうして出来たのがこちら。
狼人形:レアリティ1、体力8・魔力2・腕力8・体格4・賢さ3・敏捷10・運5。
特技:ブルースラッシュ。品質評価10。評価ボーナス+2、使用可能レベル1~、コスト1
以前のものと比べるとステータスが少しはマシになっています。あと特技が使えるようです!このブルースラッシュは水属性を持つ引っかき攻撃らしいですね。
で、とりあえず試作品が出来ましたが1体だけだと、破壊された場合ここに戻ってくるのが面倒です。
なのでマスター裁縫の量産で同じ品質の物を作り上げ、最終的に6体のウルフ人形が完成しました。
再度やってきました《始まりの草原》。そしてグッドタイミングで現れたモンスターのウルフ。
「さっきと同じようには行かないわ。ウルフ、やっておしまいなさい!」
【人形操作】で攻撃・回避・様子を見るという大まかな指示を与えながら戦うこと3分。
予定より時間がかかり、ボロボロになりつつもなんとかモンスターのウルフを倒す事ができました。
「特技を使用しながらでもギリギリ勝利かぁ……ほんとに先が思いやられるわね……。こんなに大変なら初期スキルに選ばなくて本当に良かったわ」
一応勝てることは勝てるようなので、残りの6体も次々と出してはウルフを倒し倒されつつ、1時間経過したときに【人形操作】のレベルが6へ、戦力も残り2体となったので休憩のため町へ戻りました。
【人形操作】のレベルアップに伴い、覚えた特技は《人形補修》と《複数操作》の2つ。
《人形補修》は文字通り、戦闘中なら破壊されかけた人形に応急処置を施す技。非戦当時の場合、人形を完全な状態まで回復可能。スキルレベルが低い間は使用回数が少ない(現在1回まで)
《複数操作》は初期コストが2ポイントあり、スキルレベル/2の数値(小数点以下切捨て)を追加コストとし、その合計コストに収まる場合複数体同時操作できる。(現在スキルレベル6ですので、コストは2(初期コスト)+3(追加コスト)で合計5となります)
スキルのレベルが6になった事で当然ながらベア人形も出陣可能になった訳ですけど、対ベア戦の結果は言うまでもなく惨敗。ベア人形でもウルフやコボルトを相手にするのがやっとでしたのでこちらも作り直す必要がありそうです。
熊人形:レアリティ2、体力15・魔力0・腕力15・体格10・賢さ2・敏捷6・運6。
特技:滾る血潮、品質評価10。評価ボーナス+4、使用可能レベル6~、コスト2
作り直した結果、こちらもステータスの上昇が見えます。魔力・賢さがそれなりに下がってしまいました。
特技の滾る血潮は自己強化の特技。一定時間、腕力と敏捷を上昇させる。自分の体力が減っていると攻撃力が増す…とのこと。
この結果は相打ち……。うん……まあ相打ちでも人形で倒したという判定になり、熟練度は増えるんですけど、何か違う気がするんですよね。
釈然としない結果のまま、プレイ予定時刻を迎えてしまったので、町に戻りログアウト。
その日の夜は、ナナのレベルあげに付き合いました。




