私達の戦いはこれからだ(笑) 7
本日2話目。
違和感ありありなところなどありましたらご指摘ください。
可能な限り修正いたします。
前々話:ナナ視点1不必要と判断した為、削除いたしました。
七実の秘密を聞いたり、私が秘密を喋ることになってから数日が経過し、世の中はもうクリスマスシーズン。私の学校でも本日、修行式が行われ配られた通知表をみて破り捨てようとする者、それを必死に押し留める者などが居て2学期最後の日である今日もクラス内は賑やかです。
「鏡さんに紡木さん。今日のアップデートで追加されるイベントにクラスの皆で参加しませんか?」
冒頭のような出来事があったにもかかわらず仲良く七実と話していた私の所へ、姫島さんや神込くんがやってきて本日……というかまさに今現在行われているアップデートで追加される戦闘職、生産職それぞれが楽しめると言う謳い文句のイベント《年忘れ年越し記念祭》ヘの参加を促してきました。
「七実が参加するなら問題ないわよ」
「私は麗華ちゃんが参加するならいいよ?」
二人同時に言い、なぜか笑い合う。姫島さんたちも息のあった私達のコメントに笑顔を向けている。
「もうすぐ高校生活も終わりますし、最後にイベントを皆でこなせたらと思うんだ~。だから二人もどうかな?ってね」
「そういうことなら参加させてもらいます。いいわよね七実?」
「モチおっけ~だよ」
「良かった。鏡さんたちが来てくれると皆喜ぶわね」
私達の返事が聞こえたのか、DCOプレイヤーのクラスメイトが一気に集まりだす。どうやらSNSっぽい何かで外に出ていたクラスメイトにも話が通ったみたい。
「今見た情報によると、生産職向けには作ったものを参加プレイヤーの投票によって品評してもらう《オークション》が。戦闘職向けには、夏にもあったようなインスタンスダンジョンがまた設置されるって」
「え?またインスタンスなの?」
私の呟いた言葉に姫島さんは苦笑しながらも話を続ける。
「前回と違うのは、今回はソロだと5階までしか潜れないみたい。以前どこかの誰かが一人でボスを倒し続けたらしくて今回はソロプレイに制限をかけてるんだって。その代わりに敵の強さは上がってるみたいだけどね」
「……プピューブヒュー」
私は明後日の方向を見ながら出来もしない口笛を吹いた。
ちなみにその対応で、その犯人が分かったらしくクラスの何名かが生暖かい目で私を見つめてきました。そんなに見られたら恥ずかしいです。具体的には姫島さんと神込君と七実の3人。
「と、とにかく、戦闘職でインスタンスに行くならPTを組んでいくことになるわ。インスタンスの種類はソロ・ペア・PT・レイドが選べるみたい。ペアは2人で、PTは3人以上6人以下で、レイドは3PT合同で潜るって書いてる」
「麗華ちゃん。時間が空いてる時はペアで行こうね」
「えぇ、もちろんよ」
その後の打ち合わせはトントン拍子に進み、クラス皆の都合がつきやすい夜の20時から23時までの3時間(ゲーム内で9時間程)で予定が決まりました。ちなみにイベント期間中はこの時間を毎日皆と過ごすことになるので、素材集めや生産などがしたい時は夕方までに済ませておかないといけません。
もちろん私は生産職向けのイベントにも顔を出すつもりですので作品の妥協をする気はありません。
以前なら攻略組の進み具合から装備品の性能を自重するように和仁から言われてましたが、それも既に解禁済み。今までに手に入れたことのある素材ならもう加工法を熟知しましたので、派生装備なども作り上げることは容易いです。
最近の派生装備でのお気に入りは、《大悪魔シリーズ》の派生である《サタニックシリーズ》。
これはナナと一緒に見つけた《ホルス周辺の森》の迷いの森じゃないマップ《ホウロウ鳥の森》で捕まえた火属性の糸《アダムン糸》を出すアダムアレネー、同じく水属性の糸《イヴル糸》を出すイヴアレネーたちの糸を束ね、ナナお気に入りのモンスター、タイタニスから取れる《大悪魔の表皮》をメイン素材としてふんだんに使用した現在最高峰と自信を持って言える装備品。
でも、このタイタニス、どうやら再出現時間がゲーム内時間で3日に一度ですので素材を集めに来るのがめんどくさかったです。タイタニスに行くまでに大量のモンスター達が出る神殿を抜けなくてはなりませんからね。その上狙って出るドロップ品じゃないという事ですし?
すいません。装備による運補正のおかげかほぼ毎回表皮ドロップ頂いてました、ほんとすみません。
あ、そうそう。何度目かの神殿探索中に待ち望んでいたテロップが流れたんでした。
特性【GM泣かせ】がゲーム接続時間3ヶ月を終えてようやく昇華されたんですよ!ほんとに、ナナと一緒に狩をしていても、ナナばかりレベルが上がるのでちょっと羨ましかったんです。でもこれで私にもまともな経験値が入りますね!
《特性【GM泣かせ】が、特性【イジメに耐え忍んだ者】に変化しました》
え!この特性やっぱりイジメだったの?くっそー!あの神官GM今度見つけたら罵ってやるんだから!
ちなみに効果はといいますと……
【イジメに耐え忍んだ者】:全ステータス+15、運+5。NPCにアイテムや素材を売る時、買取額が上昇する。NPCからアイテムや素材を買う時、割引してもらうことが出来る。特殊イベント遭遇率上昇。フレンドとPTを組んだ時、獲得経験値・アイテムドロップ率が上昇する(特性所持者・フレンド共に。フレンド以外は対象外)
なんていうか半端なくすごい。以前の特性だけ見るとイジメだけど、それを超えればすごくチート特性ですよね。まあ貰えた理由も、初めてのオーラを迎えた記念だったんだし、私だけのユニーク特性って事かな?ステータス各種15上昇って言えば1レベルでステータスポイントが2~3だから5レベル分。それが全項目分(体力・魔力・腕力・体格・敏捷・賢さ)だから……30レベル分ステータス上がってるのね。なによそれ……。
『もしもーし聞こえますか~?』
特性を見ていると、なにやらムカッとくる声が聞こえてきました。
『レイカさーん・応答願いまーすどうぞ~……っす』
この声はやはりあの神官GM!?だけど答えたくても返事の仕方が分からず私はオロオロするばかり。
『あ、応答の仕方説明してなかったっす。システムのGMコールから返答コマンドを押してくださいっす』
言われたとおり応答コマンドを押し返事をしてみる。
「いきなりなんなんですか?用があるならこっちに出向きなさい!」
『ご、ご機嫌ナナメッすね。用件はレイカさんも確認してくれている特性についてっす。見てのとおりこの特性は、ユニーク扱いになりレイカさん以外は取得できないっす。後の詳しい内容は登録メールアドレスに送っておくっす。じゃあ忙しいから切るっす』
「ちょっとまって!」
『どうしたっすか?』
「特性の各種ステータス15上昇は要らないわ。運だけにして」
『……地味に自分に役立つとこだけ選んで良い性格してるっすね……わかったっす。そこは修正しておくっすよ。もういいっすか?』
「まだよ!文句言ってやりたいからこっちへ来なさいよ」
『それは遠慮するっす!文句が言いたいならレベルを70まで上げて次の上級職へ転職しに来るといいっす。レイカさんの転職応対は俺がすることになったっすから(はぁ…まじっすか!NPCにやらせたかったのにあの上司め!)そういう訳なんでさらばっす!』
私が二の句を繋げる前に接続を切ったあの神官GM。早くレベルを上げて私の、この憤りを神官GMにぶつけてやる!
装備の話をしてたはずなのに私の悪い癖で、また話がそれてしまいました。あー思い返すとまたイライラしてきました。レベル70にするにはまだ64レベルも上げないといけませんけど、あのGMに文句が言えるなら達成して見せるんだから!
特性の変更は次回アップデート(冒頭部)の時に行うとのことでしたので、今回ログインすれば表示が直ってるはずです。




