私達の戦いはこれからだ(笑) 2
指摘のあったセリフ前のスペースを修正しました。
もしかしたらまだまだあるかもしれませんけど……。まだ成り行き任せで書いてますので矛盾もでてくると思いますが笑って教えてくださると助かります。
私達の学校は11月に入ると直ぐに文化祭があります。文化祭自体の準備は、10月の後半からスタートしており、この間授業は短縮となり文化祭の準備期間を長く取ってくれます。(やはり私立ですしね?公立だとこうは行きませんよね)。ただし、文化祭後にその反動がくるのは言うまでもありません。
という訳で七実が戻ってきて4日目であり文化祭本番の日。今日から七実も学校へ復学するので、かねてより計画していた事を実行しようと思います。
それは七実の復学歓迎会を文化祭とごっちゃにして行おうという企画です。文化祭の準備期間に歓迎会の準備も同時進行(歓迎会組と文化祭組に分かれて作業)し、文化祭本番で身内で集まり、パーティを行うという物です。
「「「改めまして、紡木さんアメリカからお帰りなさーい」」」
パーンパーンとクラッカーの音が響く。やっぱりこのクラスメイトたちノリが良いかもしれません。というかクラッカーって音が大きいからって理由で却下されたはずじゃ?生徒会とか風紀委員の人たちが来ないかすごく心配です……。
「え?あ、ありがとう皆!!よく分かんないけどすっごく嬉しいよ~」
「「「わかんないのかよッ!?」」」
「紡木さん……相変わらずわけのわからないテンションで皆を手玉に取るのが上手いね。3ヶ月……私達の場合は2ヶ月だけど……そんなに離れていたって言う気がしないよ」
あっという間にクラスの輪に戻った七実は、2ヶ月ぶりとなるクラスメイトとの会話に花を咲かせていた。その間私はというと……もちろん文化祭の客引きをやる事になってましたのでそちらを担当しながら、後ろから聞こえる賑わいに顔がほころんでいます(たぶん)
「なぁ、あそこに立って笑ってる子、マジ美人じゃね?」
「お、おぉ、奇遇だな俺もそう思っていたところだ」
「声……かけるか?」
「…だな!」
と、文化祭を見に来たお客さんが私のクラス近づこうとしたとき、何処からともなく、4人の屈強な男子生徒(風紀委員とかだったりするんですけどね)に囲まれ、一言二言、話していたかと思うと、屈強な男子生徒に連行されてどこかへ行ってしまいました。
「あれ?さっきこっちに来ようとしてた人たちが連れて行かれちゃったわね?どうしたのかしら?」
「……鏡さん、それきっと本気で言ってるんでしょうけど……いえ、なんでもないです」
「そんなところで切られた方が気になるのだけど……?」
そこに、一人のクラスメイトの女子が来て私との交代の時間だから歓迎会の方に行っていいよと言われ、結局曖昧なまま、その場を離れるしかありませんでした。
私が客引き業務から外れた後の、客引き現場ではこう言った事が話されていたみたいです。
「鏡さんのことだけど、クラスでは普通に話してくれるようになったけど、まだクラス以外では以前の悪い評価のままなのかな?」
「そうでもないみたいよ?鏡さんが、今までと違って積極的に行事に参加してくるようになって、役員の人たちともよく話すようになってから急激にファンが増えてるみたいだしね?ほら、さっき、そこで連行されていった無謀にも鏡さんをナンパしようとした男の二人組いたじゃない?あれを連行したのは鏡さんの親衛隊らしいから」
「し、親衛隊って、それほんと?」
「えぇ、それも風紀委員長と書記、それに運動部の各部門のインターハイ経験者の前キャプテン連中が中心になってるって聞いたわ」
「うわぁ、それ鏡さんは知ってるの?」
「馬鹿ね?さっきの反応見たら分かるでしょう?知ってるはず無いじゃない」
「そ、そうだよねぇ~。鏡さん、この事知ったらどうするんだろう?」
「それは分からないわ。案外卒業まで気付かれないんじゃないかな?誰の口も滑らなければ……だけどね?」
「最近離れてた紡木さん辺りが、口滑らさないか心配だね。ちゃんとこの事は、紡木さんには言っておくべきだよね」
「そうね、あの紡木さんの事だし、鏡さんのこの2ヶ月間については数日もしないうちに調べちゃいそうだから、早いうちに教えておきましょう」
私が歓迎会会場に戻ると、七実は直ぐに私に気付き、話しかけてきました。七実いわく、最近クラスメイトと仲良くなった私のことだとか、以前はサボりがちだった役員会議に出席する様になった私のこととか……DCOでの私の容姿と装備性能がテラヤバイとか……私の事ばかり聞いてたのね。…最後のだけはどうでも良いことでした。
「麗華ちゃん。やっぱりクラスの人と一緒に居るのって楽しいよね」
「そうね。前の私なら考える事もなかった事だけど、最近はそう思わなくも無いかしらね」
「おぉ~?なんか麗華ちゃんが素直~。うれしいなぁ」
「ちょっとまって?私いつも素直だったはずよ?」
「そうだったかな~?前までは素直とは言い難かった記憶しかないよ?」
「そ、そうだったかしら?記憶に無いわね」
「この歳で健忘症とか痴呆症になるのはマズいよ~!!ふふふ」
「誰がお婆さん並の記憶力ですってぇ」
「そこまで言って無いよぉ!?」
その後私達は歓迎会会場で、こっそり仕入れたお菓子等を飲み食いし、ギャーギャーと騒いでいましたが、それも文化祭の終わりとともに収束していきます。
「あれだけ準備を頑張った文化祭ももう終わりなのね……」
「そうだね~」
「七実は一切準備して無いでしょ!?」
「そうでした~、テヘッ」
「……」
「えぇ!?ちょっと、何でここで無言になるのよ~。返事してよぉ~。寂しくなるよ」
「ハァ……」
「麗華ちゃんに心底呆れたみたいなため息をつかれたっ?」
「ような……じゃないわよ?」
「ガーン!?」
歓迎会会場ではクラスメイトの数人が片づけを、文化祭のブースでは展示物の取り外しや後片付けなどが始まっています。
「さて、私も片付けに参加しないとね。七実はもうかえっていいわよ?今日の隠れメインに作業させるわけに行かないしね」
「そうはいかないよ!私もクラスの一員なんだから片付けるのは当然の事だよ。皆でさっさと片付けて家に帰ろ?」
「七実がそうしたいなら文句は無いわ。そのかわり言うからにはしっかり片づけしてもらうわよ?」
「了解~。私に任せて!」
「じゃあ、全クラスで出たゴミを教室前に置いてもらってるから、全部焼却場までお願いね?」
「ちょっと待ってぇ!?校舎から焼却場まで5分掛かるんだよ?しかも、全クラス分?私一人で?」
「え?手伝ってくれるんでしょう?」
「むりぃ!やっぱり帰るぅぅ!」
「七実?有言実行よ?」
「ほんとに一人じゃ無理だからね!?フリじゃないから!?」
「……もぅ、しょうがないわね。ちゃんと人員を出してもらえるように手配してるからそっちに参加して頂戴」
「分かったよ!じゃあ、麗華ちゃんも頑張ってね~」
「早く終わりたいなら早く行くの!」
「はい!!!」
こうして文化祭という名の歓迎会は終わり、翌日からは準備期間の遅れを取り戻すべく実施された、補習授業という名の地獄に全校生徒が悲鳴を上げることになった。
次話 明日の6時に予約済み。




