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死人  作者: 井原枝葉
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8/11

重なる。

窓から朝日が差し込み、小鳥の囀りが聞こえる。

私は、気付かぬうちに眠ってしまっていたらしい。

「退蔵さん。起きたんですね」

またしても背後から、彼女の声がした。

「君、いや、あぁ、名前を聞いてないな。何て、言うんだ?」

「…絢香」

絢香か…。

「いい名前だね」

再び前を向いて、机と向き合おうとすると、十冊以上の本が山積みになっていた。

題が、全て私が書いたものと同じだったため、察してはいたが、絢香に訊いた。

「これは…?」

「二日で終わらせたんですよ!」

私の質問には答えなかったが、大方理解はできていた。

二日?昨日書いた筈だろう。

「…待て、私は二日も寝ていたのか?」

「そうですね」

「あ、いや、正確には一週間です」

…流石に寝すぎではないか。

いや、私のことなんてどうでもいい。

日和のことが気になって仕方がない。

「絢香、日和のところに行く。その本全部持ってついてきてくれ」

「はぁ!?ちょ、女の子にやらせる仕事じゃ…」

私は早足で、呼んでおいたタクシーに乗り込み、日和の元へ向かった。

しかし、病室の扉を開いても、彼女はいなかった。

急いで戻り受付に確認すると、日和が亡くなったと、聞かされた。

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