10/11
本当。
朝、目が覚めた。
カーテンを勢いよく開くと、陽光が私を照らした。
少し、自分が光り輝くような存在になれた気がした。
昨日買った本棚の上に、日和はいる。
少しは読んでくれただろうか。
おはよう。日和。少しお話ししよう。
流行り物は廃れる運命とはよくいうものだけどさ、それなら、流行りもしない物は最初から廃れているとでも言うのかな。
私の生み出したものたちは、全て価値がなかったのだろうかな。
日和。君にとって、私は、俺は、いや、僕は、価値のある人間だったかな。
僕は、君にずっと愛されるような人だったかな。
ねぇ、日和。僕、君のおかげで生きてみようと思えたんだ。
君に生きて、って言われたんだよ。
それに、生み出すことをやめない限り、僕は永遠に死なないんだ。
でも、君はまた、僕を残していった。
やってくれるじゃないか。
いいさ。今度は間違えない。
何があろうと生み出すことをやめない。
僕が僕を求めてやる。
見ていてくれ。日和。
草葉の陰からでも、骨だけになってでも、僕は僕のため、君のために生み出していく。
生きるんだ。
君がいなくたって、幸せになってやるさ。




