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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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138/143

全てを知るものの眼差し

キロは、ごく普通のあざとい猫である。

毎日シャープな目つきで主人を見上げ、毎日絶妙なタイミングでかわいらしくにゃあと鳴く、齢8のあざとい猫である。


今日も今日とて、冷蔵庫の上から不意に落っこちてしまった給水機フィルターの音に驚いたゴツい黒猫がド派手にビビり散らかした反動で空気清浄機を倒したのを見てフンと鼻息をひとつついたあと、コンビニに公共料金の支払いに行った主人の帰りを見晴らしのいい出窓を陣取って待ち構えていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

キロの魂と…、女神が対面している。


「キロさん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「……。」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください」


────────

キロ(8)

レベル38


称号:転生猫


保有スキル:全てを知るものの眼差し


HP:38

MP:28

────────




「……フン」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…あざとい猫の前に現れた!


「………。」


微動だにせずスライムを見つめる、あざとい猫。


スライムは黄色い瞳がキレイなつやつやした黒い生物から目が離せない。


「…ニャーン」


え!!

この子…なんかめっちゃ繊細な声出すんだね♡


スライムは完全に魅了されている!!


見つめられているだけで至福の極み!

美しい黒い毛皮が風になびいてそよそよと!!

白いひげが一本生えているのがとても神秘的!!!


ああ…もうこの子、神認定!!

ずっと大切に愛でさせてもらう!!


このままさらっていくことを決めたスライムは、指先を無毒化しそっとあざとい猫を掲げ…


ばば、ばさー!!!


上空からいきなりドデカイ鳥が!!


げえ!!

至福のセラピー生命体、奪われた~!!!


怪鳥ハルモニアに供物をささげたスライムは神力を授かったが、そんな事よりも毛ヅヤの良すぎるあの生物を生き返らせてほしいと切に願い続け、悔いの残る生涯を終えたという。




「……フーッ!」


あざとい猫は時間を巻き戻されて、出窓のところでコンビニから帰って来た主人の足音に気が付いた。

パンパンに膨れているコンビニの袋を持った主人が玄関でカバンから鍵を取り出す前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それを本能で感じたようだ。


あざとい猫はコンビニで買ってきたアイスにかじりつく主人のすねにかじりついたあと、出窓の下に置いてある爪とぎコーナーに向かった。


庭の向こう側の三叉路で、車の暴走事故が発生していた。


「……(ばりょ、ばりょ(爪を研ぐ音))」


あざとい猫は、常に落ち着き払ってじっと見つめる様相がただの猫ではない感をガッツリ物語っていたものの、ごく普通の見目麗しい猫として一般家庭で他の猫たちと共に穏やかに過ごして年月を重ねたのち、モッタリとした毛ヅヤの良い身体がだんだん細々としたバサバサになって、18歳でこの世を去ったという事です。

なお、今でも自慢の猫毛で作られたミニ毬が主人のデスク横に飾られているとのことです。



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