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☆いきなり転生☆ さらに~   作者: たかさば


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133/144

お疲れ様でーす!

足立麻衣は、ごく普通のパートである。

毎日旦那と息子のお弁当の残りをタッパーに詰めて出勤しお昼にモリモリと食べ、毎日9:13と16:17にタイムカードをきる、齢36のパートである。


今日も今日とて、産休明けで復帰予定だった松下さんの第二子ご懐妊による出勤不可報告を受け社員の勤務スケジュールの調整をしたあと、行きつけのコンビニで軽自動車税と大きいサイズ専門店の通販の支払いをし、事務所に戻ろうとしていた―――のだが。



キイィイ!!キ――――イイイイイイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!


ぐわしゃぁああ!!


ぶちゅ。




真っ白な空間。

足立麻衣の魂と…、女神が対面している。


「足立麻衣さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます」

「はあ」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください」


────────

足立麻衣(36)

レベル12


称号:転生者


保有スキル:お疲れ様でーす!


HP:12

MP:20

────────




「というわけで、いきなり草原…、すごい景色!昔行ったマケガ池のSA みたーい!!」


べよん、べよん。


水色の、ぶよぶよした丸い塊が…パートの前に現れた!


「うわ?!これ…スライム?!ヤバ、こういう時はどうすべき?!」


うろたえる、パート。


「あっ、保有スキル!これを試せばなんとかなるかも?!《お疲れ様でーす!》って…ちょっと待って、ココ…職場?もしかしてこのスライムさん、出勤されてる感じなのかな…」


うばほん!!!


草原のど真ん中に、社員証ケースとタイムレコーダーがあらわれた!


スライムは自分のカードを探している!

似たような名前が多くてどのカードを使えばいいのかわからないようだ…。


「あ、一緒に探しますよ!ええと…種別:スライムのカードは全部で29枚ありますね。ピンク色は女性、緑色は男性…灰色は無性ですが、貴方は…フフ、仕草が可愛らしいから女子ですよね!ピンクは6枚あります、ススライームさん、栖ライムさん、まっちゃさん、ほぐぬっぱべリーンさんに…どうしよう、読めない文字のカードが二枚ある…あ、わかった!これアルファベットだ!DALUCK…だるっくワーンさん?これは…記号だよね、謎解きみたい…、キラパーセント???」


スライムは、自分は男性なんだと言えずにモジモジしている!


「うーん、カード…見当たらないですね、ちょっと庶務課に行って聞いてきます!ここでお待ちください!」


ああー!!

そんな事してくれなくても~!!

あなた忙しいんでしょ!!


触手を伸ばしてパートを引き留めたスライム!


「ぎゃあああああああああ!!!」


ふいに右腕を掴まれたパートは、猛毒が付着し秒で全身に行き渡り、あっという間に腐食して絶命した。


朗らかで世話好きの穏やかなパートの代わりにやってきた経理さんは大変苛烈な人だったため、ドミノ倒しのようにバタバタと退職者が続いて倒産危機が訪れたが…なんとか持ち直したらしい。



「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


パートは時間を巻き戻されて、コンビニの入り口前に立っていた。

コンビニの入り口で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが…、それに気づく様子はない。


パートはコンビニで軽自動車税と大きいサイズ専門店の通販の支払いをしたあと事務所に戻った。


自社ビルの近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「エッ…ちょっと待って、課長と同じ車、まさか?!」


パートは、長らく正社員になりませんかという誘いを子供が高校生になったらねと返し続けていたのですが、ようやく思う存分働けると思った年に父親が倒れて勤務時間を減らさざるを得なくなり、扶養内で働きながら介護に明け暮れつつ独り暮らしをするようになった母親の世話をしているうちに体力が落ちてしまい、結局正社員になれないまま定年を迎え、経理部に配属されてストレスが溜まりがちな息子をフォローしながら歳を重ねて、孫が経理部部長になったという知らせを聞いた翌日、ポックリ86歳の生涯を終えたとのことです。




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