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追いオリーブはありません

はい、今日はお便りが届いてまーす。

えー、ペンネーム「アルパカ大好きっ子」さんからいただきました。ありがとうございます。

「毎日モミズキッチン楽しく見ています。私は今、無人島でエンジョイしてるのですが、食事に潤いがありません。

このままでは大好きなアルパカちゃんにも愛想を尽かされてしまいます。何か潤いとガッツが付く食べ物を教えてください」

はい「アルパカ大好きっ子」さんからのお便りでした。

いやーすごいですね。無人島をエンジョイされてるんですか?アハハ。既にガッツあるじゃないですか。アハハハハ。

じゃあ今日はリクエストにお答えして、オリーブオイルを使わないガッツが付くもの作りましょうかね。

それでは参りましょう。モミズキッチン!


ずっと一人で居ると変なテンションになっちゃいますよね。

まあ誰が見てるわけでもなし。たまにアルパカちゃんの視線が痛いけど。

さあ気を取り直して。

まずお米を炊きます。これはもう慣れたもんです。

んで、今日はガッツを付けたいんで、豚肉を用意しますんで。マキシマスの世界にも豚ちゃんは居たのでちゃんと豚肉だと思います。たぶん。もしかしたらイノシシかも。イノシシも居たんで。

まず塊肉から脂身を取っておきます。すごいですね、豚ちゃんの脂身ってお肉に対してめっちゃあるんですね。

脂身はとりあえず置いといて、お肉の方は2センチぐらいの厚さに切りましょうか。厚さは好みでいいです。

切ったお肉の赤身と脂身の間の部分にスジがあるので、それを断ち切る感じにちょっと刃先で何ヶ所か切れ目を入れてください。火を入れた時に反ったりしなくなります。

あとは塩胡椒して少し揉みこんで置いておきます。

その間に鶏がらを作ります。ストックするために多めに仕込みまーす。骨はモモ肉や手羽がいっぱいあるのでそこから調達しました。お肉の部分は別の機会に使いましょう。

それでは豚肉に戻ります。小麦粉を全体に薄くつけて溶き卵を潜らせ、パン粉をまぶします。パン粉はバゲットをおろし金で摩り下ろしました。

深めのフライパンに水を入れ、沸騰させる。沸騰してきたらお湯の中に脂身をどっさり入れる。直に脂身をフライパンに入れると焦げるので、ラードはこうやって取る。

水分が蒸発し、ラードを出し切ってカラカラになった脂身を取り除いたらカツを入れる。

カツの揚げ方には色々流儀があるが、私は最初から高温で揚げて、衣が狐色になったら30秒数え取り出し、網の上に置いて油を切る。フライパンは火から下ろしておく。

まだ完成じゃないぞ。小さなフライパンに鶏がらをお玉一杯半とお醤油スプーン一杯と砂糖少々、切った玉ねぎ半個を入れて少し煮る。

玉ねぎが半透明になったら切ったカツを上に乗せて、ざっくりと溶いた卵をのの字にかけて周りが固まり出したらフタをして火から下ろす。

蒸らしの間にアルパカちゃんにキャベツと人参のザク切りにコーンを乗せたサラダとパンと果物、今日はブドウを用意する。

深皿にご飯を盛って蒸らした具を乗せたら、ガッツの出るカツ丼の完成だ!


はい、じゃあいただきます。もう作ってる途中からお腹がグーグーです。

まずカツを一口。私は右から左へ順に食べていく。

もぐもぐ。うん!グー!グッド!上半分はサックリと衣の歯ごたえを残していて、下半分はダシを吸ってしっとりとしている。

カツ丼はこれが醍醐味だけど狙って作るのが難しい。今日は大成功。グーグー言ってたお腹もグー!グー!と満足しているだろう。

ダシの味は少し物足りない。やっぱり鰹節か昆布ダシが欲しい。でもまあこれはこれでおいしい。

ダシを吸った玉子はわざとざっくりと溶いたことで、食べる箇所によって白身と黄身の配合が違うのだ。そこに玉ねぎも絡んでどこを食べても新鮮な味がする。

トンカツが食べたいけどソースはないし、作り方もわからないので苦肉の策でカツ丼にしてみたが、おいしくてあっという間に食べてしまった。ごちそうさまでした。

やっぱりトンカツは満足感が違うなあ。フライ界の王様だね。お腹がポンポンだ。お腹が出たりはしないけど、気分的に。

洗い物を済ませると、鶏がらスープを洗っておいた空のワインのビンに入れる。ラードは冷まして布でこしたあと、錬金用品でフタ付きのビーカーがあったのでそれに入れて保管する。

デザートに私もブドウを食べてみた。

実は甘いけど皮が厚くて種も大きい。ワイルドだねぇ。

種が無くて皮まで食べられる現代のブドウに私は甘やかされていたんだなぁと痛感する。これはこれでおいしいけど。


午後は戦闘訓練だ。

手袋と胸当てをつけて、スカートを腿の辺りまで持ち上げて結ぶ。こういうの、少しやってみたかったんだ。

弓の訓練を10セットする。動く的以外は中心に当てられるようになってきた。

しかし屋内ではどうしても近距離の訓練しか出来ない。仕方の無いことだがもどかしい。

基本に戻って弓道のようにひとつの的を撃つ訓練も5セットほどしておく。前よりも確実に上手くなってるのがわかって嬉しい。


剣の訓練はとりあえず木刀を持って素振りしてみる。

素振り千回を越えた辺りでふと思い立ち、素振りする自分を思い浮かべながら忍術の分身を作ってみる。すると、素振りをする分身が現れた。

こんな仕様はゲームには無かった。ゲームではただただキャラの周りに瓜二つの分身が現れるだけだ。

あくまで分身、実体が無いので試しに分身の木刀に当たってみても分身が消えるだけだった。それでもこれは訓練用にはすごく使えそう。

色々とアイデアが浮かんできてワクワクしてきたが、とりあえず目の当たりにしたスカートを結んだだけの自分の格好がかなり恥ずかしかったので、下にハーフパンツを履くことにする。

誰かに見られる前で良かったよ。


三時になったのでおやつにクッキーを食べる。まだ食べるかと思いました?食べますよもちろん。

クッキーはゲームの中でも割とオーソドックスなお菓子で、無駄に買っておいたものが沢山あるのを発見した。

ひとつひとつが大きく生地がしっかりとしている。アメリカのコーヒーショップにあるクッキーがこんな感じだった。

サクサクと軽いクッキーも好きだけどこれはこれでいいのだ。

濃く入れた苦いコーヒーが欲しい。


分身を使って攻撃される練習をする。

当てられてもノーリスクとはいっても、攻撃を受けるのはかなり怖い。

攻撃が当たってもセーフという感覚にはならないように気を付けながら訓練しようと思う。

様々な動きの分身を作り、避けては手を打つというのを繰り返してみる。まだ手以外を攻撃するのは抵抗がある。

デコピンに比べたら成長したと褒めて下さい。褒められて伸びる子です。


一時間ほど分身を使った訓練をしてふと思う。

分身を作るのにもマナを使うはずだけど、どうもマナが減ってるとか枯渇して分身が作れないという感じが無い。

アクセサリーで自然回復速度が上がってるせいかな?

とは言ってもそれだけで何とかなるような量じゃないような…。

物は試しと分身をどんどん作ってみたが、20人を超えた所で怖くなってやめてしまった。

いくらチートみたいなアクセサリーの多重効果とは言っても、普通のプレイヤーキャラ自体のマナは最大100で、アクセサリーを加味しても150は行かないはずだ。

分身のマナ消費は少なく見積もっても一回10か20はあるはず。計算が合わない。

……。

深く考えないどこう!しゃーないしゃーない!出来るもんは出来るんだから!

時間差ですごく疲れたりしたら嫌だなぁ…。

20人の私の分身は両手デコピンで処理した。


アルパカちゃんに「待て!」をする。教えても無いのにちゃんとその場で止まってくれる。可愛い。

さて、待てをすることでどこにでもホイホイ付いて来るアルパカちゃんを家の中に止めておける。

これから外に出るつもりだ。

武器と防具をつけて、ではなく、シャベルとバケツを持って。

バケツの中には木を燃やした灰でいっぱい。

さすがに溢れそうなこれをどうにかしないといけないので、私は思い切って外に穴を掘って埋めることにした。

今まで家の前にまでアースゴーレムが来たのは一度きりだ。

大丈夫大丈夫、心の中で自分に言い聞かせながらゆっくりと扉を開ける。

……。

静かだ。風の音もしない。

足音がしないようにソロリと外に出て、バケツを地面に下ろす。

手が滑って持ち手がバケツに当たって大きな音が出る。

………大丈夫。物音はしない。

なぜこういう時、意味もなく自分も静止してしまうのだろう。ふふふと笑ってしまう。笑う余裕が出てきた。

シャベルは採掘用で、ゲームでは岩山を掘ることも出来たから土もラクラクに掘れるだろう。

ザクッと土に突き立て、足で押し込む。うん。いけるいける。

いくら今は危険が無くても早く済ませた方がいい。手早く済ませよう。

サクサクと穴を掘り、バケツの灰を流し込んで逃げ込むように家に入って鍵を閉める。

窓から外の様子を見る。平気そうだ。

ほっと胸を撫で下ろしてから、窓を開けて捨てれば良かったんじゃないかと気付く。

しかし窓をよく見るとはめ殺しで開かないようになっていた。良かった。

良かったっていうのもおかしいけど。結果的に同じことだしね。良かった良かった。

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