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第二十話 遺跡でデート

ステータス画面、見づらかったので変えました。順次以前の分も直していきます。

「これ、ユーヤ。まだ準備できぬのか?」


 サラ姫が勇也に待ちくたびれた顔で呼びかける。しかし、当の勇也は全く気にするそぶりを見せない。


「んー。待ってくださいよ。まだ準備できな……、あっ、こんなところにオーパーツ……」


 そういって勇也が拾ったのは『無線コネクタ』であった。


「おっ、これがあればいろいろな素材に充電できるかも……。他に無いかな……無さそうか……。では姫様、ちょっと自分の胸当て作るんで五分待ってください」


「うむ。それが終わったら探索開始じゃな」


「ま、今のぺらぺらの胸当てにプレートを重ねるだけなんで」


 勇也はサラ姫と会話しつつも、さくさくと胸当ての強化を進めていく。オリハルコンのプレートを胸当てに重ね、戦利品のボス・ベア・ボアの皮で包み込み、ついでに銃の差込ポケットを加工している。背中にもプレートを差し込んであり、かなりの防御力がある胸当てになった。


「どれ、こっそり確認……、おお」




 コシロ・ユーヤ



  LV  18


  HP 402


  TP 366



 『STATES』 

     


 STR(腕力) 125 


 CON(耐久)  91 


 AGL(機敏) 101 

 

 INT(知性) 105 


 LUC(幸運)  93 


 STM(体力) 120   


 GUT(根性) 105 



 『EQUIPMENT』



 武器1:コスモガン +1000 属性:光 効果:貫通 攻撃範囲:遠近


 武器2:レーザーブレイド +800 属性:光 効果:シールド破壊 攻撃範囲:近


  手 :


  体 :オリハルコンプレート+450


  足 :革の靴+10


  頭 :  


 付属1:神樹の琥珀 [水属性吸収 土属性無効 即死無効]


 付属2:




 勇也は自身のステータスに満足すると、サラ姫に向き合いうなずく。


「意外に早かったのう。流石じゃな。では行くか」


 サラ姫はモバーンに遺跡の柵の鍵を開けさせると、勇也に袋を手渡す。


「ヒールペーストくらいあったほうがよかろう。何があるか分からぬゆえ」


「ふむ、俺も持ってるけど確かにそうだな。数があっても困らんし。……ってか明かりがなくね? 遺跡って暗いんだろ?」


 勇也の記憶では遺跡には光源が無いために、松明を使用するか、魔法で照らさなければならない。しかしサラ姫は不思議そうに言った。


「何を言っておる。わらわは火属性魔法『トーチ』を使える。問題ないわ」


 『トーチ』はダンジョン探索用の初級火属性魔法である。光魔法の『ライト』よりは暗いが、レベルによって明るさが変化し、さらに上級者になればいくつも光源を出せるため問題にならず、光魔法よりもTP消費が少ない利点がある。


「なるほど。確かに姫様がいれば助かるな。頼りにしてますよ!」


 勇也はそう言ってサラ姫の肩をぽんと叩いた。


「えっ? う、うむ。そうじゃろ……」


 勇也に肩を叩かれ、頼られたサラ姫はちょっと恥ずかしそうにしていたが、まんざらでも無さそうである。

 そんなサラ姫はふと勇也の背中に刺さったパイプに気付いた。


「ユーヤ。そんなもの持って行くのか?」


「はあ? パイプのこと? あたりまえじゃん。俺の相棒だぜ!」


 さも当然といわんばかりにサムズアップして答える勇也。サラ姫はやれやれといった顔で呆れる。


「なんの役に立つのか知らぬが……。まあ、よいわ。いくぞよ」


「おう!」


「……ユーヤ、気をつけて」


「がんばってね~」


 マリアとアリスが見送る。それを見た勇也が二人の頭を撫でながら優しく言う。


「ちょっと待っててくれ。おみやげ持って帰るからな」


 うなずく二人に今度はサラ姫が声を掛けた。


「なに。わらわがおる。二人とも、心配せずに待っておれ」


「うん、姫様も頑張って~」


「……なんか心配」


 マリアはサラ姫の胸を睨みつつ、聞こえないようにつぶやいた。


 そして、双子と話し終わった勇也とサラ姫がお互いの顔をみてうなずきあう。もう準備完了である。


「じゃ、いい加減行くかの」


「おう。楽しみだぜ!」 


 こうして二人はついに遺跡の内部に入る。遺跡に入ってすぐサラ姫が魔法で光源を出した。


「トーチ」


 すると二つの光源があたりを照らし、それを見た勇也が感想を漏らす。


「おお、すげえな……」


「ふふーん」


 得意げになるサラ姫であったが、実は勇也は遺跡の内部がゲームでの記憶と同じだったことがわかったために感嘆しただけであった。


「こちらじゃ」


「ああ」


 先に進む二人。すると急に壁の材質が変わる。


(ん、建物に入ったか……。では向こうにアレがあったはず……)


「どうした、ユーヤ」


 サラ姫が考え込んだ勇也に声を掛ける。


「姫様。こっち」


 サラ姫を呼び、目的の場所に誘うと、目の前には古代文字で書かれた看板があった。ゲームではただの壁の図柄だったものだが、もしやと思ったのだ。

 勇也はその看板をじっと見ると、しばらくして日本語が浮かび上がってきた。古代文字をスキルで解読したのである。


「おお、予想通り。これは……」


「な! ユーヤはこれがよ、読めるの!?」 


(――メルタルン・ランバートル・サイナス工場、か……。やっぱり工場だったんだな)


 うなずきながら看板を凝視する勇也にサラ姫がせかしてくる。


「これ、ひとりで納得しておらんで、わらわにも説明せい!」


 ぷんぷん怒っているサラ姫に勇也はごめんごめんと謝る。ちょっと怒ったサラ姫の顔はなかなか可愛らしい。勇也はゲームと違い、様々な表情を見せるサラ姫に惹かれ始めていた。


「じゃあ、説明の前にちょっと注意を…。まず俺はこれが読める。正しいかは証明できないけど。信じてくれとしか言えないが内容がわかった」


「そんな心配せずともユーヤを信じるのは前提条件じゃ。気にせず説明するのじゃ」


 サラ姫はなに言ってるのじゃといった表情をしている。勇也はどうやら信用されているらしいと判断し、説明を続ける。


「まずわかったのは、ここは工場跡だということ。メルタルン・ランバートル・サイナス工場といったらしい。」


「ほうほう。ランバートルとはなんじゃ?」


「さあ。それは分からんが、サイナスは地名だろうな」


「ふむ。他にわかったことはないかの?」


 この看板は社内案内図で、各フロアの説明がしてあり、勇也は内容をサラ姫にざっと説明していく。


「ここは三階で、社長室、会議室、事務室となってるな。二階は製造ラインが三部屋ある。一階は製造ラインと出荷ブース、それに倉庫だな」


「われらが探索したのはここともう一段したの階じゃ。下でそのミノタウロスという魔獣にあったらしいのう。わらわはその時はいなかったから詳しくは不明じゃ」


「ふむ……」


 勇也は考え込む。


(――姫たちは一階には行ってないのか。しかも倉庫があったなら、なにか残っているかもしれない。亜空間関係のオーパーツでもあればいいんだが……)


 サラ姫が話しかけてくる。


「ユーヤ。この階にも結界を破ったミノタウロスが来ておるかもしれん。油断できぬぞ」


(――そのミノタウロスを倒してから一階に行くか、それとも一階で穴を塞ぐのが先か……、ってそうだ。神様に言えばいいんだ。犯人なんだし……)


「これ、さっさと倒しに行くぞい」


 その声に勇也は方針を決める。


「よし、採集は後回しだ。まずは数を減らす。何匹いるか分からないからな。行くぜ!」


 階段を目指し、先へ進む二人。幸いにもこのフロアは一本道であり、何事もなく無事に階段にたどり着いた。


「結界は破れておらんようじゃな」


 そう言ってサラ姫は呪文のようなものを口ずさみ、結界に手をかざす。するとサラ姫の指輪と反応して結界が消え去った。


「これで行けるぞい」


 サラ姫を先頭に階段を下りる二人。明かりを照らした先に人影らしきものが見える。勇也たちは身構えたが影は動く気配が無い。

 警戒しながら近づいてみると、人影は兵士のようであった。殉職した二人の兵士なのだろう。遺体の損傷が激しく、ミノタウロスの強さをうかがわせる。


「――バッツ……、ダンデル……。すまぬな、まだ引き上げてやれぬのじゃ、許せ……」


 二人の兵士に悲しそうな顔をして許しを請うサラ姫を見て、勇也は思い出したように声を掛け、サラ姫の手を取った。


「そうだ。これ、姫が使えよ」


 ちょっとおどろいた顔のサラ姫が渡されたのはレーザーブレイドであった。思わず勇也の顔を見つめる。


「よ、よいのか? ユーヤはどうするんじゃ?」


「――ミノタウロスは強い。二人で連携した方が勝率が上がるだろう」


「わらわとて魔法がある。そなたが持って……」


「姫、はっきり言って姫の魔法じゃミノタウロスの四枚の魔法障壁は突破できない。トーチを見てわかる。せいぜい中級になったばかりだろ? せめてサーベルタイガーを瞬殺できるくらいでないと……」


 はっきりとダメ出しされたサラ姫は肩を落とす。


「確かにバッツもランデルもモバーン位の強さであった。そんな彼らをあっさりと倒す魔獣なら、わらわの魔法は効かなそうじゃな……」


「そんながっかりすんな。俺なんか魔法使えないんだぞ。代わりに俺がコスモガンで援護するから、止めは姫様が刺せばいいよ。『戦斧二連撃』が来たら厄介だ。なんとか的を分散させないと……」

 

 がっかりするサラ姫にフォローをいれる勇也。

 そんなサラ姫は話を聞いて、勇也がいてくれてよかったと思い始めている。

 古代文字を読んだり、あったこともない魔獣の対策を立てたりと不思議な青年だが、なぜか勇也の話は信じられる気がするのだ。


「うむ、ユーヤの言うとおりにする。それにこの光の剣は使ってみたかったのじゃ。文句はない」


「……まさかそのまま持ち逃げする気じゃないよね?」


「さぁーて? どうかのー?」


 遺跡内に二人の年頃の男女の楽しそうな声が響く。そんな二人を邪魔するかのように、強烈な殺気を放つ影が揺れた。


 そして…、 


 ――影は二人の前に現れる。


『作中にあるランバートルについて説明』

 あれは今で言う『原付』みたいなものです。何が違うかというと、ランバートル

は空中を移動します。最高点は20mくらい、最大速度は60kmくらいです。

 ちなみに特殊なセンサーを搭載してあり、他のランバートルと1mくらい接近して、ぶつかりそうになると反発し合って回避するので衝突事故は少ない…という設定です。遺跡はその工場跡でした。ほかにもいろいろ出すかもです。

 会社いくのにこんなのあればいいなあと思いながら書きました。


※12/15 工場名を変更しました。

ランバートル工場サイナス支店→メルタルン・ランバートル・サイナス工場

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