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11話

初戦にてオークに完勝……完封とは言ってない。けど完勝。

それはそれで自分の自信にはなるわけで。

以降はMAP内のオークっぽい反応に注目しての行動にした。

……けして、ドロップしたオーク肉が充分に熟成を済ませた甘味たっぷりの肉塊だったとかが理由では無い。

まぁ、確かに。

見た瞬間、脳内に濃いぃ味の生姜焼きが浮かんだりはしたが。

千切りキャベツと熱々ご飯と共に映像化して腹が鳴ったりもしましたが。


飯は未確認だが食感がキャベツの青い葉野菜はゲット済み。ちょっと合わせて食いたいなーな気は高ぶっている。


……そうですね、僕ぁー嘘付きです。


この系統の肉の在庫は無限に欲しい。

鳥も良いが豚もいい。

ウサギは鳥肉に近いと同じで、ホーンラビットも敢えて言えば鳥風味だ。

現物見て豚に飢えてんのを自覚しちまったんじゃい。


感情の高ぶりは別にして、現実的な利点も感じている。

自前で解体する必要の有った物に比べて、このドロップという形の肉には少し特殊な加工があったのだ。まるでこう、真空パックされたハムな感じに。

もしかしてコレ、俺の[収納]の機能と関係無く保存性の高いファンタジー仕様なんじゃね? な感じで。

世間様には如何にも需要の高そうなお肉である。なら積極的に狩った方が世のため俺のためでしょう。


殲滅スピード、上げました。

もう矢でゴブリンの各個撃破とかメンドイわ。どうせ被ダメ貰っても今の鎧なら表面の傷だけで済むし。むしろ、この両手斧のスウィングで鎧袖一触ってやつ? タイミング合えば三体くらい一撃で行けるし。効率的効率的。


更に殲滅の効率化。

観察してても判らないが、何かの手段でオークがゴブリンを統率しているのは確からしい。それが結果的に小隊行動になっているというか? とにかく、真っ先にオークを始末すれば残ったゴブリンは烏合の衆と化すのは確認した。

なので、投擲専用のジャベリンが活躍。矢の場合、ゴブリンがオークの肉盾として活躍するが、槍だと貫通して諸共にしやすい。強襲でも結果を出しやすいので初動が楽。ついでに言うと、一度の使用での破損度もちょっとマシなので経済的。

これで平均して、30秒程度の短縮はできた感じである。

オーク肉20個くらいで気がついた。


更に更にの効率化。

気のせいか徐々にオークを重く感じ無くなってきたので、試しに槍を投げずの特攻で串刺し。そのままその位置に留まって360度の大回転とかやってみた。

やっぱりタイミングが合えばだが、それで近場のゴブリンへの巻き込み攻撃も可能になった。

上手くいけば一撃での範囲攻撃で一瞬で終われる。

平均して40秒程の短縮。


「うふふふふ」

「ふへへへへ」


気持ち悪い鳴き声の敵が混ざってるのかとか思ってたら自分の笑いだったり……、やべぇ、なんかハイになってた?


最終的な効率化。

とうとう使ってしまった。近接状態での[万色の調味能]。

過去に二度、接敵状態の魔物を狂乱化させ、しかも周辺からも増援を呼んだかもな危険行動。

今回はそれが真実だったと確信するしかない反応を確認してしまった。

斧の両刃が致死辛ソース味に染まった途端、あれだけ隊列行動を取ろうとしていたオークが凶化した。もう発狂したと断言しても良いだろう。周囲の魔物はオークも含めて、俺を敵だとしか理解できずの乱闘の場に変貌した。

極論、実に都合がいい。

人型は死体を残さないので足場の確保が楽だ。血飛沫で多少はぬかるむ感じはあるが、それもやっぱり塵と化すのか、少しの移動で地面とのグリップも回復する。

ドロップ品に関しては視界の端に異物として写りやすい肉のみを、回避行動に合わせて収納のボードへと接するよう心がけるのみ。ゴブリンの骨はそのついでに巻き込み収納できればいいし、踏めば簡単に割れて粉と化すので、正直もう気にして無い。


既に平均殲滅の区別をとれないくらいの連戦と化したので、もう効率とか考えるだけ無駄な状況である。

過去のタコ殴られの経験で生きてるのは……多少は回避可能になったくらい?

後は、チートな身体、マジ半端ねーな精神。

痛いけど怪我じゃないからっ、平気だし。


体力が減った感じ無し。披露は……気力のみか。集中力が欠けた感じのみ。ただ相手も戦術だ技だの駆け引きが無くなったし、斧を振れば魔物に当るのでどうでもいいか。

唯一、少し気にしているは引き際だ。

過去は何だかんだと逃走しての途中退場だったので、この状況が何時終わるのかの判断がつかない。

人型魔物がイナゴの大移動のようなものだという情報から、何時かは終わるとは思うのだけど。

だからこそ、こんな無茶やる気持ちもあったんだけども。


あ。……そう言えば。


オークのもう一つ上のやつで、トロールとは未だ遭遇してないよな。

実はオークに混ざって既に倒してたり?

俺の知識にあるトロールというと完全にゲームでの敵か童話の登場キャラか。

前者なら、確か再生能力持ちが共通で外見はゲーム其々で結構違うからな感じ。後は火が弱点とか。火傷すると傷が治らないな解釈だっけ。

後者だと……ちょっと敵として認識するのは苦労しそう。素の形態ならまだ何とかだけど、金髪内股とかエプロンとかシルクハットが付属したら正直戦意を保てるかどうか。更に言うと、極々稀にそのデザインから発展したモビルスーつっぽいのが……ゲフンゲフン。いや、それは無い、流石に。

それもう『Fァンタジー』じゃなくて『SっごいFぁんたじー』だし。


そんな馬鹿な連想とかしてたからだろう。

なんか、いきなり見えてる光景が変わった。

背中に衝撃を食らったな意識の後に実際の感触が来た。

対面してたオークを俺自身が弾き飛ばして、そのまま周囲の景色が空だけになった。

顔面を圧する空気が物理的な何かに感じられる。

背の衝撃が痛みだとやっとこ理解して、今自分が何かに衝突され跳ねられたのだと理解し……いや錯覚した。

正確にはぶん殴られた。

トラックの全面みたいなサイズの拳骨で、俺の全身でアッパーを食らったのだと理解した。


これ、トロールと言うよりはジャイアントでしょう。


それが、俺が初めて見るトロールの第一印象だった。




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