表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命の灯(第二稿)  作者: 坂上きつね
第三章ー--つむぐー--
51/52

紡ぐ1

 その時、ハクが三人の元へやってきた。

 「王様!無事だったんですね!」

 「心配かけてごめんね」

 「? 王様少しお変わりになられました?」

 マキが口をはさむ。「ハクさんはお餅さんの世話をしていたから気づくと思うよ」

 「そう」

 「良かったらウチへ来ませんか。お話ししたいことがあります」

 イリオモテヤマネコは渋い顔をする。「ハクよせよ。俺たちはもう離婚しただろ?」

 「あなた、知っていますよ。人間の女の子を隠していたでしょう?」

 「それは、事情があってな、、、」

 「こっちにも事情があるんです。坂下さんのことについてです」

 つむぐはハクの言葉に反応した。正しくは、坂下、という言葉に反応した。「どういうこと?」

 「とにかく、時は熟しました。お餅さん、ウチへ来てください」

 「わかった、行くわ」

 四人はハクのお家へと行った。

 やがて家に着き、皆は腰掛ける。

 「あれは7年前のことです、、、」

 「聞かせて」そうつむぐは言った。

 「私は子猫だったサクラとモンを連れて住宅街をさまよってました。運の悪いことに私は喧嘩が苦手で、地域猫の縄張り争いにはいつも負けて食料に困っていました。最後にたどり着いたのが坂下さんの家でした。彼は玄関で煙草を吸っていましたが、不思議とその時はこの人なら大丈夫と直感が働きました。案の定、坂下さんに甘えたら餌とミルクをくれて、私たちは生き残りました。ガリガリだった私とサクラとモンもみるみるうちに元気を取り戻していき、坂下家に住み着くようになりました。サクラは立派に育ち、地域猫との縄張り争いを制してくるようになって私たちの生活は安泰になりました。王様あなたの夢の世界は力を失っていってるんですよ」

 その時、つむぐとマキの視界はぐにゃりと歪んだ。にゃんにゃん王国には巨大地震が起こった。外へ出てみると猫たちはにゃあにゃあと鳴いて、もはや人間の言葉を話さなくなっていた。

 「どうなっているの?」マキがそう尋ねる。

 「どうやら死神は私たちを飲み込む気だわ。マキちゃん走って!」

 空には巨大な亀裂が入っていた。崩壊していく世界。ああ、この世に神なんていなかったのね。二人は暗闇の中に吸い込まれて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ