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SilentRoseQuest  作者: 石食み
第1章
30/33

01-23

珍しい三人称視点です。

 その日、ロン王国の街エドバンズの冒険者ギルドは普段の倍賑やかだった。

 昨日、サービス開始と共にプレイヤーが世界各地に散らばり、手探りでゲームを初めて丸一日。

 常識の欠片も知らない人間が増えた事で、街はパンクしかかっていた。

 その最たる例が冒険者ギルドである。

 もはやゲームではお馴染みといったギルドの存在に、プレイヤー達は一も二もなく飛び付いた。

 この世界の住民は知る由もないが、彼等プレイヤーの殆どは当然のように()()()()()()()()()()()()()()()()

 冒険者ギルドがどの様な意図で設立されていて、どんな効果があって、どう言った人達が働いているのか、住民側の事情を一切考えない行動に、一日で殆どの住民が怒りを覚える。

 当然だ。

 彼らの中には、その日の宿代すらプレイヤーのせいで稼げなかった者も居るくらいなのだから。


 また、それと前後するかのように謎の怪鳥が現れ、そこそこベテランだった住民冒険者の大勢が死亡。

 ギルド職員が対応に動き出すのも納得出来る悲惨さだ。

 プレイヤーは殆ど気付いていないが、街は冗談抜きで限界が近づいていた。


 プレイヤー側もプレイヤー側で、一日行動した事によりこのゲームが従来のゲームのそれとは大きく異なるという事に気付き始める。

 ()()()()()()()()()()()()()()()、このエドバンズ周辺での獣・魔獣のエンカ率は驚異のゼロだったのだ。

 また、そもそもコントローラーでキャラを動かすゲームとは違い、自分で動かなくては行けない、という未経験の操作方法に、未だ戸惑っているというのもある。


 そういった両者の思惑があり、ギルドが突如として始めた「冒険者講座」が賑わうのも、当然といえば当然と言えた。

 住民側からすれば初歩も初歩、常識を説くようなその講座内容に驚愕するが、それを真剣に聞き止めているプレイヤーの姿を見る事で逆に納得する。

 それ程までに、プレイヤーの知識は不足していた。

 その講座には、ユーナとマイの姿もある。

 彼女達もまた、他のプレイヤーと同様に、ようやくスタートラインに立ったと言える。


「続いて、魔獣についての説明を行います」


 講座は滞りなく進行し、冒険者としての基礎知識から、魔獣の説明へと入っていた。


「魔獣と先程説明した獣との大きな違いは、体内に魔石があるかないか、という点です。魔石は、空気中に存在する魔素(まそ)と呼ばれる物を魔力に変換、蓄積するものです」


 獣は、現実で言う動物と同じような扱いで、特段特殊能力を持っていたりすることは無いが、魔獣は、魔石を持っている事によって、魔法が使えるのだという。

 ギルド職員の説明は、端的且つ要点を押さえたわかりやすいもので、講座が始まってから既に数十分経った今も集中力を持続させてる力があった。

 説明は流れるように続く。


「最後に、危険度レートについて軽く説明します」


 冒険者にはランクが設定され、ランクF〜Sまでがある。

 獣・魔獣にも同じ様に、危険度に応じたランク分けがされていて、F〜SSSまでがある。

 冒険者ランクは、その1つ下のランクの魔獣までなら1人でも勝てる、という位置付けらしい。

 だが、レートB以上は複数人必至、レートS以上は国レベルで対応して五分いくかいかないか、まで強さが上がる。

 職員は最後に、未知の魔獣や高ランクの魔獣を発見した場合は、速やかにお近くの冒険者ギルドまで、と締めくくった。


 この講座により、少なくともエドバンズの街にスポーンしたプレイヤーはこの世界をもう1つの現実と認識するようになる。

 それ程までに作り込まれていて、“ゲームだから”という魔法の言葉で誤魔化されている所が無かったのだ。

 勿論、受け入れられない層も一定数いた。

 彼等の多くは、こんなのはゲームでは無いとして去っていった。

 それでも大多数は残ったことを考えると、この世界の凄さが感じられるだろう。


 1日遅れのチュートリアルは掲示板等を通して全プレイヤーに伝わり、これによりようやくSRQが始まったと言っても過言ではなかった。


Tips:冒険者ランク

ランクアップの条件は、一定数の以来の達成に加え、試験が課される。例外として、特別な時に活躍した者が特進することもある。


Now Loading ……




祝30話。

感想、どんなものでも嬉しいです。宜しければ是非。

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