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大天才だった幼馴染に久しぶりに会ったら、見る影もないくらい心身ボロボロになっていた件  作者: 平元桜央
第一章 太陽と月

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朝の出来事


 翌日


「すいませんウララさん。こんな朝早くにお邪魔してしまって……」


「気にしないで。ユノのためにやってくれていることなんだもの。これくらいなんでもないわ」


 朝、ユノの家を訪れた僕は、ウララさんに謝罪しながら家に上がる。

 事前に伝えてはいたものの、やはり申し訳ない気持ちが強い。


 リビングに上がると、ウララさんは2人分の朝食をお盆に乗せ、僕に渡してきた。

 スクランブルエッグとウインナー、サラダにパンとミルクが乗った晴れやかな朝ごはん。


「ユノと、サイくんの分の朝ごはんよ。せっかくだし食べてって」


「あ、えっと……でも昨日も言いましたが、僕は寮で食べてきたので……」


「少しで良いから。ユノに朝ごはんを作ってあげたいし……そのついでで……ね?」


 きっとウララさんはお礼をしたいのだろう。

 毎日毎日ご馳走になって、お礼をしたいのはこちらの方なのに。


「わかりました。ありがたくいただきます」


 ウララさんからのご好意を受け取り、僕は2階へと上がる。


「失礼するよ」


 返事はなかった。


「ユノ?」


「スー……スー……」


 ベッドから聞こえてきたのは寝息だ。

 起きているものだと思っていたが、どうやら眠っていたようだ。


 どうしたものか。

 起こすのも申し訳ないが、このままではせっかくの朝ごはんが冷めてしまう。


「ユノ」


 テーブルに朝食を並べて、ユサユサとゆすってユノを起こす。


「んぅ……」


 何度かゆするとユノは寝ぼけながらもほっそりと目を開ける。


「おはようユノ。ウララさんが朝食を作ってくれたよ。一緒に食べよう?」


 気持ちよさそうに眠っていた顔が少し歪み、何事かと顔を僕の方へ向けて。


「……ほぁ?」


 パッチリと、目が合った。

 細められた目がパッと見開かれ、まるで状況がどんどん頭の中で処理できてきたかのように、顔が真っ赤に染まっていく。


 あ、まずい。


 理由はわからないけどなぜかそう思った時には、もう遅かった。


「いやぁああああああああああああああ!!!!!!」


 ユノが叫んだ。

 慌てて布団で顔や体を完全に隠す。


「な、な、な、なんで!? なんでサイがここにいるの!? え!? うそ、もうそんな時間!?」


「い、いやいや今日は朝に約束してたでしょ……?」


「ちょ、ちょっと待ってよぉ……! か、髪の毛とか、清潔の魔法とか、まだかけてないからぁ!!」


「……へ?」


 ユノの突然のセリフに困惑を隠せなかった。

 そもそも寝起きの姿なら初日にも見ている。

 今更なぜ気にしているのだろうか?

 でも気にしているならフォローはしたほうが良いかな。


「気にしなくて大丈夫だよ。別に髪の毛も寝癖が凄いわけじゃないし、普段から魔法で体を綺麗にしてるからか、変な匂いとかもしないよ。良い匂いだよ」


「……!!!」


 顔を隠しているから表情は読み取れないけれど、ユノの体が震えたのが布団の揺れから伝わった。

 そして、徐々にその震えが大きくなっている。


 あ、やばい。


 理由はわからないけどなぜかそう思った時には、もう遅かった。


「出てって!!」


「わ、わかったわかった! 出るからちょっと待ってて!!」


 ユノの大声で慌てて部屋から出た僕は、朝から疲労感に襲われることになった。

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