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Mercenaries Garden   作者: ゆーやミント
ガーデン生活 ガーデン兵編
82/87

〜ガーデン本島防衛戦5〜

ーーガーデン近海 南南東ーー


ガーデン本島で激戦が繰り広げられている中、また別の場所でも戦闘が始まろうとしていた。


日が沈み始めた時間帯、ガーデンが誇る水上部隊 第2水雷戦隊は不審艦を追ってやや荒れた海を進んでいた。

大型の割に高速であった敵艦は追尾するうちに雨雲の中へと消え、ガーデン艦隊はこれを捜索中だった。


「スコールの中に逃げ込まれてしまいましたな。これじゃあ盲目航行もいいところだ」

「開発中のレーダーってのをこの艦も積んでればよかったんだがな」


旗艦の重巡洋艦 ヘレンの艦橋では、いっこうに見つからない相手へ士官たちが口々にため息を漏らす。

あまつさえ、後続の駆逐艦からは視界不良のため追尾不能と打電され、各艦は先行艦の探照灯の灯りを頼りに航行している状況であった。


「艦影からして、あの不明艦は輸送能力に特化していた。となれば、強襲上陸を行うための兵員輸送艦の可能性が高い。何があっても沈めなければ...」


彼らの知るところではなかったが、事実ガーデンの沿岸備砲群はドラゴンの襲撃で壊滅的な損害を受けていた。その為、揚陸艦が接近したとしてもこれを向かい打てる砲は、生き残った要塞砲と本土防衛に残されたわずかな艦艇だけであった。


「しかし、この方向はガーデンとは正反対。上陸作戦を敢行するのであれば、少々意図のわからない進路です」


艦長の言葉に、司令官も首を傾げる。


「その通りだ。これではまるで、ただ竜を空に上げる為だけにやってきたかのような...」

「まもなくスコールを抜けます」


そんな司令官の呟きと思考は、見張員の報告によって途切れた。彼自身も、敵の思考を探るよりも目前の戦闘準備へと意識を傾ける。


結果として、彼の予想は悪い方向へと当たっていくることもつゆ知らずに。


「各艦へ水上見張員の展開準備をさせろ。ここを抜け次第索敵を行う」

「了解しました!」


司令官が命じ、発光信号にて下命されると、各艦上で防水布のコートを着込んだ見張員が双眼鏡の前で待機する。


やがて、先頭の重巡 ヘレナが雨雲を抜けた。するとその水平線に黒い点がいくつも浮かんでいる。


「あれは...」

「未確認艦隊!陣容は戦艦4、巡洋艦6の大艦隊です!!」

「しまった!待ち伏せをされた!!」


一時混乱した艦橋は、見張員の悲鳴のような叫びでスイッチが切り替わる。続報はさらに悲痛な声色になっていた。


「砲がこちらに旋回しています!」

「勝ち目が無い。全艦転舵180度、全速回頭急げ!」

「しかし司令!スコールの中には未だ僚艦がいます。下手に再突入しては衝突の危険が...」

「では全艦がスコールより出るまで同航戦に持ち込む。単縦陣のまま敵艦隊と並走しろ、速度差を使い振り切れ!」


司令官の命令で重巡 ヘレナが舵を切った直後に不明艦隊の戦艦群の主砲が火を噴いた。

彼我の距離はおおよそ6,000m程。双方で命中を期待できる距離まで肉薄していた。

続いて、射程の劣る副砲や巡洋艦の主砲が射撃を始める。


「発砲炎確認!数多数!」

「旧式ばかりだが、相手は戦艦だ!当たったらタダじゃ済まないぞ!」


敵の戦艦は二基の連装砲塔を前後の中心線に備え、舷側に大量の副砲を持つ、(ガーデンからすれば)旧型の艦であったが、主砲直径は推定で30.5cm。水雷戦隊の装甲など易々と撃ち抜くことのできる破壊力を持っていた。


対する重巡洋艦 ヘレナは、先刻ドラゴンに撃沈されたエレナ級重巡洋艦の二番艦である。

20.5cm連装砲を5基備え、15cm級の砲弾を防御する装甲を持っている為、副砲、巡洋艦の主砲は防げるが、戦艦の主砲弾を数発も浴びれば致命打になる。


「戦闘指揮を艦長に委ねる」

「指揮受け取りました。全艦左砲戦用意。方位盤射撃、照準は戦艦に合わせろ!」


重たい重機音を響かせながら、5基の連装砲塔が敵艦を睨む。スコールを抜けた後続の駆逐艦もそれに(なら)った。


「敵艦との距離、6,100m!」

「主砲撃ち方始め!斉射!」


全砲門が開かれて、爆音が海上に轟く。

それと同時に敵の砲弾が水雷戦隊に到達した。水柱が視界を奪い、甲板を洗う。


「左舷に至近弾!被害無し!」

「今度はこっちの番だ」


砲弾は高速で空を翔け、標的の前後に水飛沫を立てた。


夾叉(きょうさ)!下げ2...修正射!次弾装填急げ!」


速射性で優位にある水雷戦隊は敵艦隊の装填が終わらないうちに第2射を行う。今度は隊列四隻目、戦艦隊の中で最も先頭の艦に火柱が上がった。

一発が甲板を貫いて浅い箇所で炸裂し、もう一発が副砲座の一つに飛び込んでこれを使用不能にした。が、どちらも戦闘に支障の出る傷では無い。


「敵戦艦に2発命中!損害軽微」

「狙いそのまま、装填急げ!」

「敵艦発砲!」


お返しとばかりに発射された敵弾が後続の駆逐艦一隻に命中。爆発が起こり、速力が低下して隊列から落伍(らくご)していく。


「照準良し、射テ!」

「駆逐艦 キニアス大破!戦闘不能!」

「同艦より撤退要請です」

「許可しろ」


黒煙を吹き上げる駆逐艦 キニアスは微速で舵を切り、隊列を離れていく。

しかし、傷ついた船体で吹き荒れるスコールの中へは逃げられない。大外回りでの退避を余儀なくされた。


「弾ーー着ッ!命中弾無し」

「修正射、上げ1!次弾装填急げ!」

「敵弾飛来!衝撃に備えーーッ!」


直後、重巡ヘレナの船体を揺さぶるような振動が走ると左舷中甲板付近で爆発が起こった。




旗艦ヘレナが戦闘を始めてからしばらく経った現在、後続の駆逐艦の大半は未だスコールの中にいた。


最後尾を進んでいた駆逐艦 アーヴァインの艦橋はまさに混沌とした状況に陥っていた。


「どうなっている!何があった!」

「旗艦より敵主力と会敵、全艦反転せよとの命令です」

「本艦はまだスコールの中だ、迂闊に舵を切れば方位を失うぞ!」

「続報!先行艦は敵艦隊と砲戦に入ったようです」

「間もなくスコールを抜けます!」


駆逐艦 アーヴァインが雨雲を抜けると、そこには地獄が広がっていた。

敵の大艦隊による砲撃が飛び交い、僚艦が燃えている。


「艦長!旗艦のヘレナがっ!」


数キロ先に浮かぶ重巡ヘレナは、先頭ということもあって集中砲火を受けており、既に大口径弾3発と中口径弾5発が命中して大破炎上していた。

航行不能にはなっていないものの、破口や亀裂からの浸水で大きく傾いている。


他の駆逐艦も総じて炎上しており、中には撃沈されてしまって姿を消したものもある。

無傷で浮かんでいるのは駆逐艦 アーヴァインのただ一隻だけだった。


「敵艦との距離、およそ4,500m同航戦ですが、旗艦の速力低下により急速に距離が縮まっています!」

「敵には戦艦がいるぞ。あの弾が当たれば轟沈です!」


散々たる光景にアーヴァインの乗組員たちは騒然としていたが、一方で旗艦 ヘレナではアーヴァインの出現を心待ちにしていた。


「司令!最後尾の艦が現れました!」

「よし、全艦面舵一杯。スコールの中に退避せよ!」


攻撃によってやや乱れていた陣形が立て直され、生き残った艦のほとんどがその後に続く。

ただし、駆逐艦 アーヴァインだけは違った。


「旗艦よりスコールの中へ退避するよう指示が出ています」

「敵には逃げる方向を悟られている。こちらは速度で勝ってはいるが、敵の規模がわからない以上スコールの向こう側で待ち伏せされていれば挟撃される可能性も高い」


僚艦にはもう戦う力は残っていない。全滅するのが早いか遅いかのどちらかだと判断した彼は、ジッと艦橋員の顔を眺めた。

国も身分もバラバラだが、強い意志と闘志を燃やした、若い顔、顔、顔...

最高齢の艦長自身でさえ、まだ30半ばであった。


「私は、諸君らを死神に売り渡す事になるかもな」


そんな呟きに皆が笑う。


「もとより死ぬのは覚悟の内ですよ」

「ガーデン兵として殉職。こんな箔がつけば国の家族も鼻が高い。なあ皆んな!」

「「「そうだ、そうだ」」」


艦長は口々に凛々しいことを言う乗組員たちを涙交じりの目で見回す。

その涙には、わずかな感動と、死ぬことの意味も分かっていない若者たちへの虚しさがこもっていた。


「・・・ありがとう」


その一言だけを呟いて、彼は振り上げた腕を右に倒す。


「取舵一杯。旗艦に電信、『我、諸君らの殿(しんがり)となる』以上だ」


すぐさま電信が打たれて、艦は左へと曲がる。ヘレナからは「了解した」の短い一文だけ返信があった。


「砲戦用意!敵に腹を見せるな、真っ直ぐに突っ込め!」

「了解!」


駆逐艦 アーヴァインは隊列を組んだ敵艦隊に対して、その腹を貫くような形の進路を取った。上空から見下ろせば、ちょうどT字になる形だ。

これは通常であれば集中砲火を浴びる危険極まりない突入法であったが、小型な駆逐艦であれば的が小さくなり、むしろ当てにくくなる。加えて、駆逐艦は艦腹への被弾が致命傷になるのに対して、艦首は断絶が起きても沈没には至らないという防御面での一考もあった。


突進してくる一隻の駆逐艦に動揺したのか、敵艦隊は陣形が乱れた。陣が崩れればその分砲弾の命中率も低下する。


「敵艦との距離 3,900m!」

「巡洋艦を狙え!」

「・・・先頭の巡洋艦に照準合わせました!」

「撃ち方始め、()テ!」


艦首の12.7cm連装砲が射撃を始める。

敵も自分も、海面も揺れる上での砲撃だというのに、初弾から全弾命中した。


装甲の無い上部構造物に突き刺さった2発の小口径弾は、装甲を撃ち抜く徹甲弾に対して、貫通性を犠牲にして炸薬量を増した榴弾であった。敵巡洋艦の煙突と後部甲板の一部が弾け飛ぶ。


自動装填式の砲は毎分6発の射撃が可能であったが、単発火力は低く、徹甲弾をもってしても巡洋艦の装甲を撃ち抜くことは不可能に近い。しかしその分、無装甲の強度甲板(縦横の水圧に耐える甲板)や上部構造物には、榴弾を速射することで高い威力を発揮した。


「全弾命中!煙突に損傷を与え、敵艦の速力が低下しています」

「狙いそのまま、次弾装填急げ」

「次弾装填急ッ!」


大きな振動が船体に響き、左舷艦首の外板に大穴が空いた。浸水を起こして艦首がわずかに沈み込み、駆逐艦 アーヴァインの速度が低下した。


「艦首部に直撃弾!」

「機関室、30ノット可能!」

「1番主砲揚弾塔発電機故障!自動装填不能!手動装填に切り替わります!」

「艦傾斜左3度!」


各部からの被害報告が飛び交い、固唾を飲んでいた艦橋は一気に騒然となった。


「隔壁封鎖、排水ポンプ作動!雷撃戦用意!」

「魚雷ですか⁉︎」


通常、魚雷とは大型の海魔相手に使う兵器である。艦艇に向けて撃つなど、常識外れも大概だった。

思わず副長も口を挟んだ。


「魚雷は砲よりもずっと命中率が低いです。華の水雷戦隊とはいえ、単艦ではその命中率も数%程度かと」

「本艦が敵艦隊に打撃を与えられるとしたら、方法はそれしかない。例え当たらずとも、回避のために陣形は大きく崩れて追撃どころではなくなるはずだ」

「・・・了解、雷撃戦用意!射角放射状に撃て」


砲雷長の指示で発射管に合計10本の大型魚雷が装填される。


「距離3,000まで詰めろ。魚雷発射後、すぐに撤退だ」


砲撃を行いながら肉薄する駆逐艦 アーヴァインは、敵に更なる命中弾を与えて先頭の巡洋艦を中破させ、戦列から落伍させた。

一方で、アーヴァイン自身も2発の命中弾を浴びて中破。1番主砲が使用不能になり、火災が相次いでいた。


「まだか、まだ距離は縮まらないのかッ」

「現在距離3,300m...あとわずかです」


そのわずかの間、駆逐艦 アーヴァインに打つ手はなかった。唯一射角の通っていた艦首側の1番主砲は直撃弾を受けて大破。対空機銃では敵艦にダメージは与えられない。


「距離3,000m!」

「面舵一杯!敵の横に並べ!」


急な転舵に、甲板作業員たちは軽くよろめいた。


「照準よし!」

「射テッ!」


魚雷発射管が敵艦隊をにらみ、圧搾空気によって発射される。

次発装填機によりすぐさま装填された第2射が発射されると、音に敏感な海のモンスター用に作られた合計15本の魚雷たちは航跡も立てず、静かに敵艦へと直進していった。


回頭を終えた駆逐艦 アーヴァインは、今度は敵に背を向けて退散する格好となる。

これにより再び砲撃が可能となったが、退散したものと勘違いした敵の砲撃も活気付いた。

今度は先ほどまでと違い、1発の被弾が致命傷となる緊張状態。アーヴァインの乗組員は誰もが気が気ではなかった。


「敵艦との距離3,500!」

「魚雷、間も無く目標に到着します!」


皆が当たってくれと祈りを捧げる静寂の中、2回の轟音が海上に轟き、敵戦艦の右舷艦首と同艦腹に水柱が上がった。敵戦艦で激しい爆発が数回連続し、最後に一度大爆発を起こすと急速に傾斜を増していく。機関は停止して、命運は尽きていた。


「よし!」


艦橋が戦果に沸いた瞬間だった。

突然の轟音と衝撃に見張員数人が吹き飛ばされ、ウィングから甲板に転落する。

マストがなぎ倒されて、下敷きになった者は皆死んだ。


閃光が(ほとばし)り、続く爆音によって世界から音が消える。

艦橋に直撃弾。艦長以下指揮系統は即死、全滅した。


頭脳を失ったアーヴァインもまた、命運が尽きていた。

操舵室が吹き飛んで直進しかできないところへ立て続けに3発の砲弾が命中した駆逐艦は、ガス缶が破裂するように艦中央部から弾け飛ぶ。


船体は中央部で断裂、駆逐艦 アーヴァインは轟沈した。


しかし、彼らの挺身攻撃は決して無駄ではなかった。

スコールの中へ退避した重巡 ヘレナは近海にいる味方戦艦隊へ救援要請を済ませていた。


「ドラゴンを迎撃した第1戦隊が向かっているようです」

「そうか。あそこの戦艦隊は試験的にレーダーを搭載しているそうだから、敵を見失うということはないでしょうな」

「ライトの若造がどこまでするか、見れないのが惜しいな。・・・ところで、僚艦 アーヴァインからの交信はどうした?」


つい先ほどまでは逐一報告されていたアーヴァインの経過報告が今では完全に途切れてしまっている。


「敵戦艦大破ないし撃沈の報告を最後に電信は途絶えています」

「ーーー沈んだか」

「おそらくは」


目を閉じて追悼を捧げていた艦橋員だったが、ふと司令がある疑問に気づいた。


「アーヴァインはどうやって短時間に戦艦を沈めたんだ?」

「・・・言われてみれば、確かに」


駆逐艦に戦艦の装甲を撃ち抜けるだけの攻撃力は無い。仮に無装甲の艦首や艦尾を狙い続けたとしても、水雷戦隊がスコールに逃げ込むまでの短時間に撃沈出来るような効率的な戦い方ではなかった。


「ガーデンに帰投後、考証と図上演習が必要ですな」


後に、アーヴァインの常識外れは魚雷攻撃は艦隊科から上位組織の艦政本部にまで持ち上げられて調査されることになったが、生存者0の戦闘はどれだけ議論を重ねても憶測の域を出ることはなかった。


若手士官の一人が魚雷攻撃の可能性を示唆したものの、それはあり得ないと一蹴(いっしゅう)されたきり、「小口径砲の特殊条件下での貫通性上昇」と結論づけて事実は闇へと消えた。

後にその結果は水中弾という新兵器の開発に至るのだが、これはまた別の話である。


「しかし、本海戦は惨敗ですな。こちらは喪失2、大破2、中破1。対して戦果は戦艦一隻の撃沈と少数の小中破のみ...これは戦場よりも報告書の方が荒れそうです」

「馬鹿を言うな!この海戦で何人が死んだと思っている。私は、彼らの魂に報いるためにも責任を負うつもりだ」


艦長の呟きを一蹴した司令官は、静かに目を閉じて死者を弔う。


その後、英霊たちの遺体は艦内の安置所に運ばれると、そのまま冷凍された。彼らはガーデンで死化粧を整えられた後に棺に納められて各々の故郷へと運ばれていく。一方、遺体の残らなかった者たちは戦死を知らせる書簡と遺品のみが送られて、ガーデンの慰霊地に碑石が建てられる事になるのだ。


「応急修理が完了致しました。艦傾斜は3度、速力は20ノットまで回復します」

「ご苦労。僚艦はどうなった?」

「現在各艦より集計中ではありますが、自力航行がやっとな状況です。戦力として数えられるのは本艦と駆逐艦 ディーンの2隻のみとなります」


格上の艦を相手取った戦闘の傷は深く、司令官は戦闘可能な艦が残っていただけでも十分だと思った。


「本艦の各部損傷具合はどうかね?」

「はい、2番主砲が大破使用不能、3と4番主砲が砲身曲損で能力半減、機関室の一部蒸気管破損、第6と第8区画に浸水...といったところが主な損傷になります」

「わかった、ありがとう」


報告した艦橋員は敬礼を返すと足早に作業へと戻っていく。

司令官は艦内放送用の伝声管を開いた。


「我が水雷戦隊はこれよりガーデンへ帰投する。ご苦労だった。帰投までの警戒を厳となせ」


その一言に、限界まで傷ついた艦を操る乗組員たちは安堵の息をこぼした。

このスコールを抜ければガーデンの島影が見えてくる。そう思うと、自然と力が湧いて出るような気分であった。


傷ついた水雷戦隊はよろめく様な鈍足で歩みを進める。その先が、海上以上の地獄だということも知らないで。

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