第6話:雷霆ハッキング――一撃必殺の超合体
刹那の雷撃を駆の『ギア』でハッキング・吸収し、即席の超合体技でボスをワンパンする
「――チッ、硬えなッ!?」
スクランブル交差点の中心で、刹那が驚愕の声を上げた。
彼の放った最大出力の雷撃は、タイタン・ジェネラルの表面を展開する半透明の障壁――『対物理・対魔導複合多層装甲』に完全に阻まれていた。火花が虚しく霧散する。
「ギ、ガ、ガガッ!」
無傷のタイタンが、その巨大な鉄拳を刹那に向けて振り下ろす。攻撃の余波だけで、周囲のコンクリートが爆ぜ飛ぶほどの破壊力。
「クソがっ……!」
体勢を崩した刹那に、回避の猶予はない。
だが、その鉄拳が彼の肉体をすり潰す直前、僕の左腕の『レプリカント・ギア』が鋭く駆動した。
「織絵、第一種結界コードを展開! 刹那の足元へ!」
「了解! ――『拒絶せよ(イージス・ウォール)』!」
刹那の目の前に、強固な光の壁が出現する。タイタンの鉄拳が激突し、激しい火花が散った。
間一髪で命を救われた刹那が、驚きと共に背後を振り返る。そこへ、僕は歩を進めていた。
「おい金髪、お前のその出力は認めよう。だが、ベクトルの指向性と周波数の同調がまるでなってない。ただ電力を垂れ流しているだけだ」
「あぁ!? テメェ、誰に向かって口叩いて――」
「お前の『雷』を、僕に預けろ」
僕は『レプリカント・ギア』のホログラム画面を高速でスワイプし、刹那の身体から溢れ出る雷撃のエネルギー波形を強制的にロックオンした。
『対象のエネルギー特性を検知。ハッキング(周波数同調)を開始します』
「おい、何しやがる!? 俺の力が勝手に……!?」
刹那が目を見開く。彼の全身から暴走していた青白い雷撃が、僕の左腕のギアへと磁石のように吸い寄せられ、凄まじい勢いで収束を始めた。
現代のパーツで作ったギアが、刹那の規格外の出力にミシミシと悲鳴を上げる。
「ぐっ……さすがは後の『雷帝』だな。出力だけなら、今の僕の百倍はある」
「駆君、デバイスの負荷が限界値を超えちゃう! 破裂するよ!」
織絵が悲痛な声を上げるが、僕は不敵に笑った。
「問題ない、3秒持てば十分だ。――未来の術式コードを入力。『雷帝の電撃』×『零式の術式』。強制錬成――『雷霆・零式烈衝』!」
ギアの画面が警告の赤から、臨界突破の純白へと染まる。
僕の右腕に、刹那の青雷と、僕の魔導術式が融合した超高密度のプラズマ光刃が形成された。その輝きは、渋谷の夜空を昼間のように照らし出す。
「な、んだよそれ……。俺の雷を、そんな風に弄り回せる奴がいてたまるかよ……!」
天才としてのプライドを完全にへし折られた刹那が、呆然と呟く。
「ギ、ガ、ガガガガッ!?」
タイタン・ジェネラルが、僕の右腕に宿る「明確な死」の気配を察知し、その巨体を震わせた。全エネルギーを前面の複合装甲へ注ぎ込み、防御姿勢をとる。
「無駄だ。その装甲の固有振動数は、すでに僕のハッキングで相殺してある。……塵に還れ」
僕は地面を爆破するように蹴り出した。
『レプリカント・ギア』による一時的な身体強化。刹那を置き去りにするほどの神速で、タイタンの懐へと潜り込む。
そして、融合した雷の刃を、その胸のコアへと突き立てた。
「――穿てッ!!!」
ドゴォォォォォォォォォンッ!!!!
一瞬の静寂の後、渋谷のスクランブル交差点に大爆発が巻き起こった。
タイタンの巨体は内側から閃光に焼き尽くされ、装甲の破片を遺すことすら許されず、一撃で完全に消滅した。
立ち込める煙の中、僕は静かに右腕を下ろす。
パチパチと壊れかけのギアから火花が散る中、背後でへたり込んでいた刹那が、信じられないものを見る目で僕を睨みつけていた。
「テメェ……一体、何者だ……?」
「小鳥遊駆。……お前の未来の『司令官』だ」
こうして、未来の最強の矛との、最悪で最高の再会が果たされた。
一撃必殺の超合体技で大ボスを完全撃破! 刹那のプライドを完璧にへし折りつつ、圧倒的な実力を見せつけました。




