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ISMRhythm  作者: Uranus
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7/11

資本主義

「林先生?新任だから頼りないですよ。おとなしい先生だし、多分無理です。」

彼はジトッとした目で俺を見つめる。


 「でも加瀬先生はやる気ないからもっと論外だしな…。」

俺は嘆く。まあ、確かに、顧問がちゃんとしていたら、こんなことになってないんだよな。


 「卓球経験者でもないですからね、その二人は。まあ、もう部長交代まであと数カ月ですよ。きっとなんとかなりますよ。」


後輩にめっちゃ気を使われてる。なんか虚しい。


 「顧問に部活をまとめてもらうことが共産主義なみに無理ゲーってなんだよ!」

俺は頭を抱えた。


 「林先生、担任として最低限のことはしているし、生徒の相談にも乗ってあげているから、多分いい人ですけど、上に立つようなタイプではないですね。でも、相談したらなにかしてくれはしそうですけど…。」

なるほど。あんまり解決の見込みはないか。


 「じゃあ、いっそのこと、人間の本能に任せるか。もうええわ。どうとでもなれ!ユウセイ君、林先生のこと聞かせてくれてありがとう。」

「いえ。」

丸メガネの奥の目は微かに笑っていた。


 「えーと、君についての密告も多いんだよな。あの反乱分子の二人は多すぎるから論外として。しかし今日、君の後輩のユウセイから、ユウキ先輩は諦めましたって報告がきたのだが。一体どっちだ。密告が多くてやんなっちゃうわ!白黒つけてくれ!」

帰り、俺は部長に呼び出されてしまった。

 てか、当たり前のように密告がある部活ってどうなんだよ。


 「俺は自分が成し遂げたかった方針を諦めただけです。改革自体は諦めていません。」

ユメを裏切りたくはなかった。実際、このままじゃいやだし。

 「でも、もう、完全な実力主義にしてもいいかなとは思います。多分、もう、どうしようもないです

よ…。」

最後にそれだけ言い残して、俺はユウのもとへ行った。いつも一緒に帰るからな。


 「どうしようもない、か…。」

後ろでそんな声が聞こえた気もした。


 「部員諸君!今日からこの部活は実力主義だ!実力のあるものは球を打て!ないものは球を拾え!ミーティングは以上。解散!」

 そして、部長はとんでもないことを言い出したのであった。


 ユウセイ君は俺の方に近寄って言った。

「急に部長はどうしたのでしょうか…?」


 おそらく、未経験で入部した彼にとっては恐ろしいだろうな。これから格差が広がるんだ…。どうしよう…。


 「これで失敗したら、部長を批判できる。俺なりに頑張った。」

とりあえず、それだけ言った。言ったけど、後悔が押し寄せて、俯いた。


 「台ついてー!」

キャプテンの声が聞こえたので、指示通りに台へ向かった。


 「格差が広がることは必ずしも悪ではない。部として強く成長すればその分全体的な実力は上がるからな。しかし、この政策は差別を合法化したと言っても過言ではない。即ち、実力を持っている者が実力を持たない者を酷使するということになりかねない。トップの実力者は強くなるから、部としての実績は残るだろう。でも、それは裏の多くの犠牲者で成り立っているというわけだ。」


 とりあえず、頼れる元部長のユキ先輩に電話をした。しかし、案の定言ってることが難しくて理解に

また時間がかかりそうだ。


 「俺は過ちを犯したんですか?」

とりあえず、一番聞きたいことを聞く。


 「なんとも言えない。しかし、その政策こそが人間の本能であり、欲である。資本主義が上手くいっ

て社会主義が上手くいかないのは、社会主義が人工的だからだ。資本主義は自然発生した流れに名前

をつけただけに過ぎない。きっと、なんだかんだ回っていって、そして、なんか防止するきまりがで

きて、誰かが破って、の繰り返しだろう。」


 「なるほど…。」

わからん。


 「要はな、なるようになる。そんな気にせんでいい。冷戦でアメリカが実質勝った歴史が物語ってい

る。自己責任でも自由に競争して発展した方が全体的には強くなるってな。」

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