共産主義
「えー、第三回党大会を開会する。」
我ながら何を言っているのだと思うセリフも、もう三回も言っていることになる。
「うえーい!政府介入推進!」
修正主義者のユウキがなんか言ってる。いや政府って。顧問って言えよ。
「わーい!球・休憩・平和!」
極左冒険主義者の我が妹、ユメがなんか言ってる。いや、ボリシェヴィキのパン・土地・平和じゃねえんだよ。
「おー!自由万歳!」
自由主義者のユウタがなんか言ってる。言っていることは一番まともだが、「天皇陛下万歳!」みた
いなノリで言うな。
そして、絶対にそんなテンションでやることではない。なんか怪しい地下活動者の集まりみたいにな
ってしまっている。
ただ単にそこら辺にあるよくある中学校の卓球部を改革しようという話し合いなのに。
「マルクス主義的には反すけど、一気に共産主義にすることは不可能なの?」
改革ではなく革命をしたいユメが早速発言。
ここで言う共産主義は、球は必要に応じてとり、(最初から分けるのではなく)みんなが部室のものを平等につかえて、(大会出場メンバーが優先という暗
黙のルールがある)先輩や後輩などの人間関係がなくて、みんなが自主的に部活を運営する体制(部長とかが勝手に決めるのではなく、意見がある者が集まってメニューを決めたりする的な)である。
「急には難しそう…。」
顧問の権限を強めて、秩序の回復を目指すユウキが返す。
「ユキ先輩はどんな方針がうまくいきましたか?」
ユウタが我に質問をする。
「それはただ一つ。独裁政治だ。今だって、なんだかんだ言ってなんとかなっているだろう?」
こんな会議を仕切っている割に、自分が部長だった頃は同じような独裁をしていたという矛盾。
「まあまあ、やってみようよ革命。まず行動し、そのあとで考える。」
ユメがまた極端な発言をする。って、ナポレオンの言葉じゃん。その言葉好きだなお前。
「君が指導するのか、部員の爆発的な革命を促すのか、それによっても話が変わる。」
我は急いで発言をする。
「ユメが部長になればいい話なのにな…。」
ユウタがぼやく。
「黙れ日和見主義者!!」
他全員が口を揃えて批判する。それはつまらんし、まだ先の話になるから、ユウタ以外はその方針が
嫌なのだ。
「大体、現実性がないんだよ、共産主義なんて。今まで社会主義がうまくいっている国は一つもな
かったのに、その先の共産主義を目指すなんて無謀だ。球の私有、すなわち、独占も難しくなる。また、お前みたいな誰かが自由を求めて革命に走るぞ。」
我がユメを批判する。妹?なにそれ関係あるの?
「俺は共産主義シュミレーションゲームを制作して来ました!これでうまくいくか確かめよう!」
ユウキがおそらくユメの擁護をするための提案をする。
「いや、あるなら早く言えよそれ!」
一同は口を揃えて言い放った。
「ちなみに、テストプレイはしたの?」
ユメが質問する。
「え、あ、うん…。」
ユウタは言いにくそうに答える。
「では聞く。テストプレイの段階で成功したのか?」
我も質問する。
「え、いや…。」
ユウタはすごく言いにくそうに答える。
なるほど、だから最初からゲームを制作したことを言わなかったのか。
「20回やったけど駄目でした。球の分配がうまくいかなかったり、革命が強引で非難されたり、みんなサボって強くならなかったり、誰もちゃんとまとめなくて崩壊したり…。そして再革命が起きて元通りです…。」
再革命?カードゲームの大富豪かよ。そんなノリでもとにもどるな。
「20回もやって無理なら無理だね。新しい派生形でも作らない限りは。」
ユウタがはっきり言う。
「理想は理想のままで終わるのかっ!そんなのあんまりだっ!!」
ユメは叫んだ。しかし、現実とはそんなものだろう。まあ、あいつのことだし、多分諦めない…。
その後、ユメはいい案を出してくれる人を探すべく、オルグを活発にやり始めたのだった。
要するに、いろんな人に革命を誘っているのであった。
卓球部とはもはや関係のない帰宅部の人にまで…。




