↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傾国の悪女になんかなりません! ~蛮族令嬢クリスティナは予言された破滅フラグを【カンスト】パワーでへし折ります~  作者: 川崎悠
四章 傾国の悪女になんかなりません!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/104

90 フェリシアとのお茶会

 アルフィナ伯爵家としての家紋と印章の作成を進める。

 同時に戦勝祝賀会こと王家主催のパーティーの準備をしなくちゃいけないわ。

 それに褒賞金が出たのだから、ここは領地に還元しないとよね?

 なにせ今の私、伯爵! なんだもの! フフン!


「お嬢って領主の仕事は一通りできるんですよね。意外に」

「意外に!?」

「王妃教育を受けられてきた過去がありますものね。意外に」

「意外に!」


 リンディスとセシリアが失礼ね!

 私がちゃんと教育を受けてきたのは公然の事実よ!


「それよりアルフィナ伯爵家の家紋、どんなのがいいと思う?」

「どうと言われましても。何か決まりがありますか?」

「一目見てわかるデザインがいいでしょうね!」

「そうなりますとお嬢様の場合、どうしてもイリス神のモチーフと被るのでは」


 今の私のトレードマークって薔薇と剣、或いは拳だものね!


「領地に属する爵位なんだから、私を示す家紋である必要はないわよ?」


 個人に与えられた世襲できない一代爵位の扱いじゃない。

 ちゃんと血縁に継承可能な爵位を賜ったのだもの。

 それならモチーフは領地にちなんだものがいいわ。


「意外とちゃんと考えていらっしゃるんですね」

「意外と!?」

「クリスティナお嬢様って意外と知的なところがありますね」

「意外と!」


 二人、もしかして私をからかっているのかしら!


「そもそも前アルフィナ男爵家の家紋はないのでしょうか」

「あったとしても、そっちは使わないわよ」


 領民を捨て、逃げたという前領主。貴族としての責任を放棄した人物。

 そんなのイメージが悪すぎるわ。

 せっかく領地に帰ってきてくれた領民たちに不安だって与えるでしょう。

 ただでさえ、すぐに領地に帰れないっていうのに。


「アルフィナ領の冬支度は任せてしまっているけど。王都から支援できることも探さないといけないわよね」

「……僭越ながら、いただいた褒賞金だけで、そこまで手が回りますかね」

「けっこうな額よ?」


 たぶん、慰謝料的なのも含まれているのよね、これ。


「しかし、使えば減るものです。続く収入源がないのであれば、まずご自身に使われるべきかと」

「まぁね。褒賞金だものね」


 継続的な収入じゃないんだから、領地にちょこっとお金を使って満足! なんてどうなの? と。

 そういうことね。なにせ伯爵だもの。


「貴族によっては領地を代官に任せ、領主当人は王宮に出仕することで継続的に金銭を得る場合もありますよね」

「ええ、大臣や官僚、騎士にだってそういう人はいるでしょう」


 士官学校出身のエリート騎士は領地を持っている場合もあるからね!

 レヴァンやエルトもそっちに近いわ。

 エルトだけじゃなくレヴァンも士官学校を卒業しているから。

 二人とも立場がそれぞれ大きく違うけどね!


「クリスティナお嬢様もそういった道を選ばれることは?」

「つまり王宮で仕事を得るってこと?」


 セシリアが頷く。


 王宮でお仕事ねぇ……。

 領地は復興中だから、税収を期待とかの段階じゃないのよね。

 魔獣災害によって国中の領地が、程度の差こそあれ復興中みたいなもの。

 王宮からの支援は、どうしても限られてくるため、待っていられない。

 そうなると、自力での収入源確保も視野に入るわね。


 王宮にある部屋で話し合っていたところ、コンコンと扉をノックされる。

 使いが来て、手紙を受け取る。


「どちら様から?」

「フェリシア様からね! 招待状、お茶会をどうかって。場所は王宮を借りているんですって」



 準備を済ませてから、王宮の中庭にある四阿へ向かう。

 そこにはもうフェリシア様が待っていた。


 フェリシア・ルフィス・リュミエット公爵令嬢。

 ウェーブがかった銀色の長髪と青い瞳。

 『光翼蝶』の【天与】を授かった、女神の巫女の一人。

 亡くなった王妹殿下を母に持ち、私の親戚であることが明らかになった人。

 今は神殿に入り、日々を過ごしているそうよ。


「来てくださってありがとう、クリスティナ様」

「お呼びいただき光栄ですわ、フェリシア様」


 親戚関係だとわかったから感じることかもしれないけど。

 私と少し顔立ちが似ているのがフェリシア様よ。

 案内されるままに座り、テーブルを挟んで向き合う私たち。


「こうしてゆっくり話す機会が得られて嬉しいわ」

「それは私もですわ」

「ふふ、普段の貴方のように話してくださっていいのよ、クリスティナ様」

「……そう?」

「ええ、貴方もそうだと思うけれど。貴方とルーナ様には近しいものを感じているの。きっと私たちが授かった【天与】がそう感じさせるのでしょうね。それこそ本当に姉妹みたいに感じているわ」


 その感覚はわかるわね!

 私、出会った頃からルーナ様に敵意とか感じなかったの。

 むしろ、そこはかとなく好きだったわ。

 それは目の前のフェリシア様にも感じている。


「私たち、三女神の生まれ変わりだったりする?」

「……そうではないことは、貴方が一番、理解しているのではなくて?」

「まぁ、そうね!」


 三女神の生まれ変わりじゃないわね。

 でも、内側には確かにそういう存在を感じる。


「ふふ。私と仲良くしてくれるかしら、クリスティナ様」

「ええ、もちろんよ!」

「ありがとう。……きっと、こうして私たちが交流し、心を通わせることを教団は望んでいなかったのでしょうね」


 王国の敵、邪神を呼ぶ邪教集団。それは私たちの親の仇でもあるのよね。

 きっと私よりフェリシア様の方が、強く恨みを抱いていると思う。そう感じるわ。


「フェリシア様。私、貴方の話が聞きたいわ」

「……ええ。私も貴方に知ってほしい。すでにご存知のことも多いでしょうけれど」

「そうねー……。じゃあ、初めから!」

「ふふ、なんだか貴方らしいわ、クリスティナ様」


 そうして私は、改めてフェリシア様の話を聞くことになったのよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。