↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傾国の悪女になんかなりません! ~蛮族令嬢クリスティナは予言された破滅フラグを【カンスト】パワーでへし折ります~【書籍化】  作者: 川崎悠
三章 民なき領地

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/86

72 再会2

 クインの背にリンディスと乗って空を飛ぶ。

 以前、エルトと一緒に邪神と戦うことになった場所、マリルクイーナ修道院へ向かっているわ。

 

「空って風が強いのよね!」

「まったくです!」


 クインには馬用の鞍や手綱を改造してつけているの。

 そのおかげで以前よりは快適に乗れているのだけど。

 それでも空を飛ぶ時の風が鋭くて困るわね!

 私は多少、『怪力』の【天与】が体を守ってくれているみたいで平気だけど。

 一緒に乗っているリンディスは大変みたい。


「薔薇の風防壁!」


 リンディスの横に壁となるように木立性と蔓性の薔薇を編み込んだものを生み出す。

 空中に浮いているんじゃなくて根はリンディスの腰回りにあるわ。


「ありがとうございます、お嬢……」

「どういたしまして!」

「ところで私がついてくる意味、ありました?」

「まぁ! リンディスの言葉とは思えないわね!」


 どこでもついてきてくれるんじゃないのかしら!


「それとこれとは話が別かと……」

「ええ?」

「でも、見届ける必要はありますかね」


 何を見届けるのかしら?

 とりあえず約束の場所はアルフィナ領からそう遠くはないの。

 空からなら、あっという間ね! 道を間違わなければ!


「……って、あれは!?」

「邪神ね!」


 その約束の場所、遠くの空に見えたのはやっぱり黒泥の体をした巨人!

 そんなところにルーナ様が私を呼び出したの?

 まぁ、救援要請なら望むところだけどね!


 空を飛び、遠くから見えても、実際に近付くまでには距離がある。


「クイン、あの邪神にぶつからないように全速力!」

『キュアアアア!』

「リン、掴まっていなさいよ!」

「はい!」


 クインの体に薔薇を伸ばし、リンディスが飛ばされないようにしておく。

 速度を上げる。

 どんどん距離が縮まり、その巨体がはっきりとしてくる。


 相変わらず異常な姿をしていて、今回は、人型は人型でも女性タイプに見えるわ。

 頭からマントを被ったみたいな幕が下りている。クラゲかしら?


 その巨大な女型邪神に対して、ルーナ様が光の防護膜を張り、押し留めているみたい。

 エルトは足元から切り崩して、隙あらば体を駆け上がっているわね。

 近くにはレヴァンもいて、騎士たちの指揮をしているみたい。

 ルーナ様のそばにはラーライラがいて護衛をしているようね。


 別動隊に別れたって話だったけれど、どうやら合流した様子。

 今はそれより邪神の処理ね!


「──毒薔薇!」


 邪神の足元から巨大な薔薇を咲かせる。

 エルトや他の騎士の邪魔にならないように意識し、彼の足場になるように。


「……!」


 まだ声をかけられるほどの距離じゃなくても、私が来たことは伝わったみたい。

 エルトが以前みたいに私の生やした螺旋状の薔薇の木を駆け上がり、邪神の胴体を切り裂きながら進む。


「クイン! 思いっきり振り回して、私を投げなさい!」

『キュアア!』

「お嬢!」


 私は空中でクインの背中から飛び降り、棘なし薔薇の蔓を伸ばす。


『キュアアア!』


 急旋回するクインの腕で蔓をひっかけて、その回転の勢いを殺さないように、邪神に向かう角度で薔薇の蔓を消した。

 そうすると勢いをそのまま、私の体は邪神へ向かって吹っ飛ばされる!


 すぐさま網状の薔薇の蔓を左腕から伸ばして後方にたなびかせる。

 見た目は真横を向いた円錐。

 その勢いのまま『怪力』の【天与】で邪神へ。


 その時点ですでに頭部まで駆け上がっていたエルトが、邪神が頭から羽織っているマントのような部位を引き裂きながら……邪神の頭部を切り落とした。

 黒泥が血飛沫のように飛び散る。

 けれど、それでは〝死〟に至らないとばかりに、黒泥が蠢き、首から触手のようなものが伸びて、頭部と首が再度つながろうとする。


「クリスティナ!」

「エルト!」


 エルトは、邪神の頭部のマントもどきを引っ張った上、切り落とした頭部を私に向かって蹴り上げる(・・・・・)

 私は、そう来ると信じて『怪力』の【天与】の光を溜めていた拳で。


「──フンッ!!」


 ドゴッ!


『ギ……!』


 邪神の頭部を光の拳で粉砕する。

 その勢いのままだと対面にある壁に衝突するから、広げていた薔薇の網を邪神の巨体に引っかけて勢いをなんとか殺す。

 それでも、崩れ始める邪神は私の勢いを殺し切れなくて──


「掴まれ!」

「……!」


 エルトが私を抱えるように掴んで、その勢いを弱める。

 私の体を抱えたまま、体を捻り、修道院の壁に対して横方向に着地!

 勢いを完全に殺したというか、衝突したまま、壁に剣を突き立てた。

 ガリガリガリと音を立てて壁を削り落としながら、勢いよく落ちていって……。

 ストン、と。

 最後は、驚くほど優しく地面に着地したのよ。


 ちょっと楽しかったわね!


「相変わらず無茶な戦い方をしているな、クリスティナ」

「ふふ、貴方もでしょう? エルト」


 今回は私の方が助けに来られた……いえ、まぁ、エルトたちだけでも倒せていたかもね!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アクションとかアニメ映えしそうです。 爽快!
クリスティナとエルトの阿吽の呼吸が気持ちよかです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。