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毎日来る副校長が、なぜか“会計の瞬間だけ消える”話  作者: おみき
第7章「同じ音、違う意味」
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第45話 攫われた夜

進学校という肩書きは、ときに目立つ。


近隣の治安の悪い学校の連中に絡まれることも珍しくなかった。最近では、清水たちの高校の仲間が軒並みやられていた。カツアゲはもちろん、暴行まで受けている。悪質だった。


そして、ある日ついに、清水が攫われた。


放課後。校門の前。まとわりつくような気配。嫌な予感はあった。だが、その時の清水はまだ、実際の暴力がどこまで現実になるかを理解しきれていなかった。


数人に囲まれ、車に押し込まれる。腕を取られ、腹に打撃が入る。息が止まる。視界が揺れる。


連れて行かれた先で、清水はさらに現実を見る。


清水だけじゃない。小沼も、岡野も、石川も、大村も、すでに捕まっていた。吊るされていた。手首に食い込む縄。床に届かない足。見せしめのように繰り返される暴力。


相手は半グレ集団、渋谷joker。チーマー崩れの、プライドも何もないクソみたいな連中だった。


「優等生ってやつを見ると、無性に殺したくなるんだよ」

「お前ら、いい学校通ってるだけで偉そうなんだよ」


笑いながら、平気でそう言う。


清水はそこで理解した。ここには契約もない。説明責任もない。証拠も論点整理もない。あるのは、力と悪意だけだ。


法律も理屈も、一ミリも届かない場所がある。


その現実の前で、清水は初めて本当に諦めかけた。


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