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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
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迷宮攻略34

 とりあえず俺はまた【赤の猟犬(ハウンド・ドッグ)】を発動して、目標を確定していく。

 数が多いと目標を設定するのが少し時間がかかるのが難点だな。敵が一体なら問題ないんだけど。少しタイムラグがどうしても出来てしまう。


 ただ俺の分身体も次々と矢を放って敵を葬っている。

 後は・・・、と思ってシータを確認するとシータは空の上にいた。

 正確ではないかもしれないが地面に足を付かず、ずっと空中にいる。ププを使っているとかそういう事でもない様だ。モンスターの背中を移動している感じだな。

 あれってもしかして【追跡者(トレーサー)】のスキルを使ってるのか。


 俺が先程確認したシータのスキルの中に【追跡者(トレーサー)】と言うスキルを見付けた。いつの間にか身に付けたスキルみたいで、結構前から使えていたみたいだな。

 【追跡者(トレーサー)】のスキルは相手に気付かれずに対象者の後をつけることが出来るスキルだ。相手から意識されないだけだと思っていたけどそうでもないみたいだ。よくよく【鑑定眼(アナライズ・アイ)】で確認してみるともっと有用なスキルっぽかった。

 対象者の存在に潜むことが出来るらしい。どういうことかと思ったが影みたいに一緒について行けるって事みたいだ。以前にガイの【瞬行(しゅんこう)】で一緒に移動していたのはこのスキルを使っていたからだろう。対象者と一緒に移動出来て、相手に気付かれない。ホントに忍者か何かだな。しかも対象の所へ【瞬行(しゅんこう)】の様に一瞬で移動できるんだろう。シータは空中のモンスターの背中に現れ首を搔っ切ってから、別のモンスターの背中に一瞬で移っていっている。多分【瞬行(しゅんこう)】と同じ様に目で見える範囲でしか使えないとかはあると思うけど、それでもすごいスキルだよな。どちらかというと【影移動(シャドウムーブ)】に近い感じだな。モンスターも何もわからずに首を斬られて消えていってる様だ。


 俺と分身体、そしてシータが空にいるプテラノドンみたいなモンスターを片っ端から倒していっている。

 アリアはガイやバロンさん、ブランのフォローに回っていた。

 討ちもらした敵からの攻撃を支援魔法や、水の魔法で防いでいる。

 火炎のブレスなんかは広範囲に攻撃はしてくるが威力はそこまで高くないので簡単に防げるみたいだ。アリアももう無詠唱で魔法を使えるようになっている。水の魔法はここでは使いにくいが、支援魔法は特に制限を受ける訳ではないし、支援魔法にも防御魔法は数多くあるし。【魔法の壁(マジックウォール)】で魔素の壁を作るだけでも火炎ブレスぐらいなら防げるみたいだ。今度属性に特化した防御魔法を作ってもいいな。【防火の壁《アンチファイヤーウォール》】とか。


 ガイとバロンさんも進みながらワニのモンスターを倒していっている。

 やっぱり【闘気解放】した方が気の力は大分強くなるみたいだ。

 ガイは【斬の型】でモンスターを斬っていって、バロンさんは【撃の型】ってのを使っていた。剣に気を込めて叩く感じで使ってるみたいだ。剣を受けた所が潰れていってる。なんかね、こうトマトをグチャッと潰す感じなんだけどね。凄いね。


 ブランは【岩の人形(ロックゴーレム)】じゃなくて俺が使っていた【砂の人形(サンドゴーレム)】を使っていた。

 この場所の岩を砕いてというか分解してというのか、砂を作って操作してるみたいだ。岩で作った人形(にんぎょう)に比べて砂が流れる様に移動するので、進むスピードが段違いに早い。足で人間の様に進むわけじゃないしな。そう考えたら四足歩行の動物とかにしてもスピード出るかな。まぁそれは今度試すとしよう。

 ブランの砂の人形(サンドゴーレム)はワニのモンスターに突っ込んでいって口とか鼻とかの穴という穴から侵入して内部を破壊してるみたいだ。俺が前に使っていた戦法そのまま使ってる感じだ。目の見えない所の操作は砂の人形(サンドゴーレム)に任せてるんだろう。そこまで大きくない生物に対してはかなり有効なのかもしれない。体の中を鍛えられるってことはないだろう。あ~でも、溶岩吐く奴の内臓とは強そうだからもしかしたら効果ない場合があるのかもな。今回のワニのモンスターは問題ないみたいだ。

 後は炎のブレスがきても砂の人形(サンドゴーレム)が盾になって防いでるみたいだ。形も簡単に変えられるから壁の様になったり出来るし、周りを完全に取り囲むように防御できるしな。そう考えると汎用性はいいかもしれない。


 俺達は順調に進んでいる。

 皆も傷を負ったりもしていないし、疲弊している様子もない。魔法組はそれなりのMPを持っているし、今は回復するMPも多い。ガイやバロンさんはアリアが都度都度回復している。アリアは防御と回復しかしていないからMPが尽きるって程の事はないだろう。

 進むスピードもガイやバロンさんは走りながら倒していってるし、シータも問題なく空を転々と移動しながら進んでる。アリアも水の馬に乗ってるので問題ない。一番足が遅いブランなんだけど、いつの間に編み出したのか、自分の盾の上に乗って砂に運んでもらってる。砂の人形(サンドゴーレム)を操っているんだろうけど盾の上に胡坐(あぐら)をかいて座っているブランが、地面の上をすべる様に進んでいってるのがちょっと面白い絵面なんだが。そう言う移動手段もあるってことか。


 おかげでそんなに時間もかからず次の階層への魔法陣も見えてきた。

 この階層もそこまで広くないからいいんだけど、モンスターの数が多いんだよな。30分位なんだけど、その間俺だけでも100匹以上敵を倒している気がする。

 次の階層で88階層か。今までのパターンで考えるとまた敵の種類が増えるんだろう。89階層がもしかしたら神殿風の階層で敵が出ないかもしれないから、次の階層を突破出来たらまたゆっくりできるかも。


 俺達は魔法陣まで到着出来たので、急いで中に皆で駆け込んだ。

 さてと、そう思って目を開け【索敵(レーダ―)】を使った。

 そこで想像していたことと違っていたのに驚いた。

 てっきりこの階層ではプテラノドンみたいなのとワニみたいなモンスターに別のモンスターが1つ追加されると思っていた。

 だがこの階層には全く別のモンスターがいた。前の階層のモンスターにはここには出ないみたいだ。

 それよりも発見したモンスターの詳細をもう少し見てみる。



名前:リザードマン・ウォーリアー

種族:リザードマン

レベル:85


スキル:

【剣術 LV.7】

【体術 LV.5】

【火炎耐性】

【鋼鱗】


名前:リザードマン・アーチャー

種族:リザードマン

レベル:83


スキル:

【弓術 LV.7】

【体術 LV.5】

【火炎耐性】

【鋼鱗】


名前:リザードマン・ソーサラー

種族:リザードマン

レベル:81


スキル:

【火魔法 LV.7】

【火炎耐性】

【鋼鱗】

【MP高速回復 Lv.3】



 何体かのモンスターのステータスを確認した。

 ここにきて亜人と呼ばれる様なモンスターが出てくるとはな。称号には迷宮モンスターって項目があったから実際のモンスターとは違うんだろうが。しかしどう考えても今までのモンスターに比べれば知恵があるとみていいだろう。姿形はファンタジーゲームや漫画に出てそうな、二足歩行のトカゲの姿をしていた。しかもそれぞれのモンスターがある程度の武装をしているってことだ。ウォーリアーと名の付くモンスターは剣や盾を持ち、槍や槍術のスキルを持った奴もいるみたいだ。アーチャーは当然弓と矢を持っている、ソーサラーは杖を持っていた。それぞれそれなりのスキルレベルも持っているしな。

 そして数だが前の階層に比べれば少ない。100体ちょいと言ったところだろう。ただ相手は集団で、どう考えても戦術というものを知っているんだろう。今までの敵はそれぞれ連携なんて無視して襲ってくるモンスターが殆どだった。しかしこの階層では違うだろう。お互いの長所を生かす様な戦い方をしてくるはずだ。今までの迷宮の難易度から考えて、こんなところに配置されている理由だろう。

 6人で100人を丸々相手するようなものだろう。どう考えても難易度は跳ね上がる。今までの様に一点突破って言うのは難しいだろう。向こうがそれに気付けばそこを重点的に守られて、周りを囲まれるかもしれない。しかしバラバラに行動してもどうなるか。今までこんな戦闘になるなんて想定してなかったからな。



「今回は軍隊相手になるけど、どうしよう?」



 とりあえず俺は得た情報を【念話(テレパス)】で皆に送って考える。

 しかし今回はバロンさんとガイも渋い顔をしていた。

 流石にこんな群れとは戦ったことはないよな。強い敵っていうよりも本当に対大人数、戦争みたいなもんだもんな。



「流石に今までの様に敵を倒しながら進んでいくって言うのは難しいだろう。」



 バロンさんがまともな事を言った。



「そうだな。どう考えても相手は連携を取ってくるだろう。遠距離からは弓や魔法。近づけば剣や槍が襲ってくる。厄介なのが硬い鱗と火炎耐性だな。仲間がいようとお構いなしに矢や魔法を打ってきそうだ。」



 ガイも冷静に分析したみたいだ。



「今回も俺が一発デカいので吹き飛ばすってやりたいけど、知恵がある相手にどこまで通じるかだろうな。別の方法を考えた方がいいかもしれない。」



 俺はそう言った。流石にまた神降しをするのもな。どこまで通用するかわからないし。奥の手として置いておきたい気がする。


 俺達はこの階層に来たところの魔法陣の所にいる。まだ敵は俺達の事に気付いていない様だ。

 距離があって【遠視(ロングサイト)】なんかのスキルを持っていないからか。それとも次の階層へ向かう魔法陣の所にいてくる者を待ち構えているのかもしれない。

 それはそれでやりにくい、拠点を守ってるってことになる。俺達は全ての敵を倒す必要はない、次の階層に行く魔法陣に辿り着いたら済む話だ。そこに近寄ることが出来ない様に防衛しているのであれば余計に厄介だ。

 敵がやってこないことをいいことに俺はもう少しこの階層についてスキルを使って調べることにした。



 調べた結果はやっぱり俺の推測が正しかったようだ。

 次の階層へ行く魔法陣を中心とした布陣を組んでいる様だった。

 そしてモンスターを調べて行く内に、他とは違う名前が付いているのを発見した。


名前:リザードマン・キング

種族:リザードマン

レベル:98


スキル:

【剣術 LV.10】

【体術 LV.10】

【火炎無効】

【金剛鱗】

【統率】

【鼓舞】

【剛力】

【高速情報処理《ハイクイックオペレーション》】

【念話(テレパス)】

【痛覚無視(ペインキラー)】

【恐怖耐性】

【支配者】


 ってキングがいるのかよ。しかも強いな。しかしキングを倒したら命令系統がなくなって統率が取れなくなるってパターンだろうか。

 でもほぼ中心で他のモンスターに守られた位置にいるんだよな。ちょっかいかけても動きそうにないしな。ここはどうするか少し作戦を練らないといけないか。


お読み頂きありがとうございます。

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