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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
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迷宮攻略33

「いや、呼び出すのにも結構大変なんですよ。

 しかも戦うってさっきの見ましたよね?天変地異クラスの現象を起こすんですよ。そんなのと戦ったらどうなるか。周りにも被害が出ると思いますしね。」


「それもそうか。いや、この迷宮だったら他に被害は出ないんじゃないか?」


「俺達って迷宮攻略をしてるんですよね?わざわざ戦う必要もないと思うんですけど。」


「あんなのと戦えることなんてこの先ないかもしれないだろ。」


「そりゃ、そんな事普通にあったらやですよ。でも100階層まで行ったら戦うことあるんじゃないですか?」


「それはそうかもしれないな。」


「とりあえず今のうちに進みましょう。この階層だっだったらモンスターが復活してまた出てくるかもしれませんしね。」



 俺はそう言って進みだした。

 バロンさんの戦闘狂(バトルジャンキー)っぷりも半端ないな。あれを見て戦いたいなんて思うなんて。

 しかし本当に偉いことを思いついてしまったかもしれない。今回は風の神を召喚してみたけど、後の土、水、火とか闇、光っていう魔法属性がある物に関しては出来そうだよな。【魔法作成(マジッククリエイト)】を主体に魔法として作ったからな。魔法できっちり属性分けされているとなると俺もイメージしやすいし。となるとこれは召喚魔法になるのか。この世界には召喚魔法って言うと、俺達勇者をこの世界に召喚した魔法が該当するんだよな。俺もスキルを付ければ使えるかもしれないけど、単体では効果ない魔法っぽい。星の並びとか色々な要素をクリアしてやっと行使できる魔法みたいだ。

 しかしこの世界には色んな神がいるんだから、魔法にある属性以外の神も召喚魔法として呼べるのかもしれないな。知識の神とか召喚出来たらいいんだけど。ただその場合はどうやって神を作るかなんだよな。

 今回風の神は「風」と言う要素を全て集めて固めた様な感じだ。切り裂く風、吹き飛ばす風とかそう言うのをね。それでどんな風でも操れて、凄まじい力を持っている、そうイメージした。

 知識の神を召喚しようと思ったら何を基礎にしてどうやって構築していったらいいのかがイメージしにくいんだよな。「知識」と言う要素を集めて固める。う~ん、そうなると全てを知るとかになるよな。流石にそれはイメージできないって言うか、不可能な気がするんだよな。世界の情報を全て昔から今になるまでの事を知ってるとかどういうやってイメージしていいかわからない。うん、無理だな。

 やっぱり具体的に俺がイメージできる神しか召喚出来なさそうだな。

 いや、恋愛の神とかどうだ?弓矢を持っていて、刺さった相手を好きにするとか。イメージはしやすい。要するに好きになるってことは相手の精神や考えに、その人間の事を好きになる様な考えをに植え付けたらいいんだろ。脳に直接そいうイメージを焼き付ける様な効果がある矢を作成してそれを放つ神にするとか。考えてみたけど止めておこう、そんなの恋愛の神じゃなくて洗脳の神だな。そんな神作ったら自分でも引くな。

 しばらくは4大元素の神位だろうか、召喚しても。でもどれぐらいの時間継続して使えるとか分らないんだよな。さっきも敵を倒したら消えちゃったし。ん?そう言えば召喚の時に敵を倒す様にと呼び出したからか。俺の願いを聞き届けたから消えたのか。さっき召喚の時に唱えた祝詞(のりと)の様な言葉も自然に出てきたものだからな。その時々俺が願ったことを叶えてくれるってことなのかな。自分で使っておいてまだまだ謎が多いんだよな。そう考えるとそこまでコストパフォーマンスは良くないのかもしれない。ほとんどのMPを1つの願い事で消費してしまうってことだもんな。まぁその分確実にその1つの事は守られるんだろうけど。これもここぞって時にとっておきになるのか。さっきの光景見てポンポン使おうとは思わなかったけど。

 スキルとして確実なものに出来ないのかな。その場合は【覡(かんなぎ)】ってところか。巫女ってことならアリアの方があってるんだろうけど。

 思い付きでやってみて成功したけど、また色んな課題やらが出てくる訳だ。前例がないと自分で色々と考えて試すしかないもんな。またこれもおいおいってことになるか。あんまり使いたいとは思えないけどボスへの切り札ってことで考えておけばいいか。


 そんなことを考えながら俺達は次の階層への魔法陣に向かって進んでいた。

 モンスターも出ないし、普通に歩いて行っている。急ぐ必要もないし、何より俺のMPが殆どない状態だ。急速に回復は出来るんだけど流石に今の上限値までの回復にはそれなりに時間ががかる。次の階層もどうなってるかわからないからしっかりと回復しておいた方がいいだろう。

 前の階層から想像するに、またプテラノドンみたいなモンスター以外に新しいモンスターが追加されてると予想してるんだけどな。



「次の階層ってどう思う?俺は前の階層からみて空飛ぶ奴以外に新しいモンスターが出ると思ってるんだけど。」



 ただ歩いてるのもなんだし、俺は思っていることを皆にも聞いてみた。



「そうなんじゃないか。」

「そうだな、俺もそう思う。」



 バロンさんとガイがそう言った。だよね、一応のパターンみたいなものがこの迷宮にもあるみたいだしね。



「そうなるとまた面倒だよね。たださっきみたいなのは俺も流石に出来ないかな。MPの消費が半端ないし。とりあえず別の攻撃で空飛んでるのを倒して行くって感じかな。」


「そうだな、俺もガイも戦えるようにはなったが大群を相手にするとそこまでの殲滅力はないからな。」



 俺の言葉にバロンさんが答える。

 


「あのモンスターなら弓とかでも頭狙えば一撃で何とかなりそうだから分身体に弓持たせて戦わせるかな。俺は魔法でフォローしていく感じかな。次の階層で出てくるモンスターがどんなのかわからないし、そこら辺は皆に任せることにしようかな。」


「あぁ、分かった。」


「えぇ、私も自分で出来ることをいたしますわ。」

「シータも頑張るよ。」



 ガイが答え、アリアとシータもそれに続く。



 そんな話をしつつ次の魔法陣のところまでやってきた。

 先に準備しておくか、そう思って俺は分身体を作る。今回は弓兵仕様だ。手には迷宮で手に入れた弓を持たせている。スキルは弓に関してのスキルと【倉庫持ち(アイテムボックス)】と【隠匿(インビジブル)】なんかの気配や姿を隠すスキルを持たせた。【倉庫持ち(アイテムボックス)】には結構な数の矢は入れてあるから大丈夫だろう。ちなみに分身体と俺が持ってる【倉庫持ち(アイテムボックス)】は同じ所に繋がってるみたいだ。まぁ俺のスキルを持ってるという事だから当たり前なんだけど。

 後はと、そこでまた閃いたことがあるので試してみるか。

 なんか色々と頭が回る様になってきた、というか羽目を外せるようになってきたってことかな。失敗しても皆がフォローしてくれるだろうって思ったら割と何でも試してみるべきだよな。昔はこうして色々試してみたのに最近は全然攻めていってなかったな。不安や心配と考えていることが多かったんだろうか。人間悩んでたりすると自分に制限かけちゃったりするしな。今はそれがなくなったってことだろう。いや、でも自重するようになってたってこともあるけどね。さっきのも偉いもん作り上げて反省したはずがもう次に思いついたことやろうって思ってるし。

 でもそうやってる方が俺らしい気がするし、なんだかちょっと楽しくなってきた。こんな気持ち忘れて気がする。そうだよな、新しい世界に来て想像したことが出来るようになって色々試した。時々失敗したりもあったけど、新しい何かをしようと思ってる時の方が俄然やる気が出るし、今なら何でもできる気がする。今が俺の成長期だってことにしようっと。



 そんなことを思いながら俺は魔法陣に足を踏み入れた。

 いつも通り次の階層に到着した瞬間に【索敵(レーダ―)】で確認する。

 階層の広さは86階層と同じぐらいだった。86階層からは少し狭くなったんだろう。狭くなったからって楽になってる訳ではない、敵があっちこっちからすぐに集まってくるってことだ。そして思った通りここから別のモンスターの反応がある。一応姿を確認すると今回はワニの様なモンスターだった。ただ足は6本あった。大きな顎が特徴で凄まじい力で噛みついてくるんだろう。特に遠距離攻撃が出来そうなスキルは持ってなかった。硬い表皮で守られ、噛みついて攻撃してくる感じの様だ。



「こんな感じのがうじゃうじゃいるみたい。ガイとバロンに任せる。」



 俺は【念話(テレパス)】で新しいワニのモンスターの情報を皆に伝えながら言った。



「わしもそちらに回りますぞ。」



 ブランが答えた。



「あぁ、頼む、俺とアリア、シータは空の奴かな。」


「えぇ、わかりましたわ。」

「シータも飛んでるやつ倒す~。」



「おっし、じゃあ行くか。」



 声を掛け俺達は次の魔法陣に向けて進行した。



 先頭を行くのはガイとバロンさん。

 さっそくワニのモンスターが2人の前に現れた。階層自体がそんなのに大きくないから進むとすぐにぶつかる様になってる。



「【闘気解放・斬の型】」



 ガイがそう言葉を発する。そして次の瞬間にはワニのモンスターの隣にいた。【瞬行(しゅんこう)】を使って移動したんだろう。



「【断鬼刃(だんきじん)】」



 そうガイは言い放ち、すでに抜刀していた剣を上段から振り下ろす。その剣には赤い気がすでに灯っていた。ワニのモンスターの横に立ち、その剣は赤い軌跡を残して地面スレスレまで振り下ろされた。

 ワニのモンスターの首はいとも容易く胴体から離れ、ワニのモンスターは消えていった。

 凄い切れ味だな。今まで剣に気を纏わせて戦ってた時と大違いだ。でも、あれ?



「そう言えば81階層についてから闘気解放して戦えたんじゃないの?なんで戦ってなかったの?」



 俺は疑問に思ったことを【念話(テレパス)】を通してガイに聞いてみた。



「あぁ、それか。闘気解放は基本的に一点集中で気を溜めるんだ。だから他の気で覆っていたところは薄くなる。斬の型なんかは剣に気を集中してるからな、体を覆っている気はほとんどなくなる。そこに攻撃を受けると普通にやられるからな。基本的には集中して戦える一対一が基本になる。多数の相手と戦う時には他からの攻撃を受ける可能性があるからな。」


「なるほど、じゃあ今は?」


「お前達がフォローしてくれるだろう?他の敵は任せたぞ。」


「了解、そういう事か。安心して倒していってくれ。」



 闘気解放にもそう言ったデメリットがあった訳か。今は俺達の事を信じて戦えるってことか。嬉しいことを言ってくれる。じゃあその期待に応えないとな。

 そう思った俺は一応念の為支援魔法の【魔法装甲(マジックアーマー)】を皆にかける。これである程度の攻撃は防げる、いきなり大ダメージを受けるってことはないだろう。まぁ皆が攻撃されないようにするけどな。



 すでにプテラノドンの様なモンスターも俺達の方へ集まってきている。

 分身体は弓に矢を番えてドンドンモンスターを打ち落としていた。やっぱり弓でもなんとかなるようだ。そこまで表面も硬くないみたいだし、正確に頭を打ち抜いて行ってるからな。分身体は勝手に動いて貰おう、弓だけだったらMPの消費もほぼないし継続して倒していってくれるだろう。

 よし俺もやるか。

 そう考えて先程考えた魔法を使う為に魔力を練る。



「目標補足《ターゲット・ロックオン》、いけ!【赤の猟犬(ハウンド・ドッグ)】」



 俺がそう唱える。すると俺の周りには数十個の岩の弾(ロックバレット)が浮かびあがり、空に向けて放たれる。岩の弾は長さ10cm位の先の尖った鉛筆の様な形をしている。それが凄まじいスピードで空を飛びプテラノドンの様なモンスターに向かって行く。何匹化のモンスターは飛び来る岩の弾が見えたのか回避行動に移る。しかし岩の弾はその動きに合わせ、軌道を変えモンスターの頭目掛けて突っ込んでいく。

 岩の弾がモンスターの頭に当たる。その先端は鋭く、しかも岩の弾自体が回転してるのでドリルの様な感じで表面を突き破って食い込んでいく。ある程度岩の弾が頭に食い込むと、その動きも止まる。

 しかし次の瞬間にモンスターの頭が爆発した。頭を吹っ飛ばされたモンスターは空から落ち、地面に到達する前に姿を消した。それが今放った全て数の岩の弾で起こったことだ。ちゃんと全段命中したようだ。



 今回新たに作った魔法【赤の猟犬(ハウンド・ドッグ)】、これは複合魔法だった。

 土と風、そして火魔法を合わせて作った魔法だ。

 まず飛ばす岩の弾を土魔法で作った。魔力で回転する力を加えている。そしてそれを飛ばしてから風を纏わせてる、軌道を修正する為だ。最後に岩の弾の中に火魔法の【大爆発(エクスプロージョン)】を仕込んでいる。岩の弾が何かに当たり、動きを止めた時に発動するようにしてる。

 この世界には2属性以上を同時に使う魔法はほぼ存在しない。単純に制御が難しいという事だ。後はいくつもの魔法を高いレベルで使える人間もいない為だろう。低いレベルでだったら2属性以上でも使える人はいるだろうが低いレベルのスキルしか持っていない人間にそれぞれの魔法を制御すると言った技術を持ち合わせているとは考えられない。【魔力操作】なんかも高いスキルレベルを要求される。

 その上それぞれの魔法で制御しないといけないことも増える。出力だったり、範囲、その他もろもろを自分で何とかしないといけないんだ。今回も俺は魔法以外の【並列思考(マルチタスク)】や【高速演算《ラピッドオペレーション》】なんかのスキルも使っての事だ。後最初にモンスターの頭に狙いを定める為の【目標補足(ターゲッティング)】や【目印(マーキング)】などのスキルも使ってる。

 それでやっと狙ったところに当たり、その後爆発するっていう魔法を作ったんだ。1つの魔法に別の魔法を組み込めるかとか、別のスキル同士を同時に上手く使えるかと思ったけど【結合(リンク)】ってスキルがあったから使った。

 魔法を放てば後は勝手に岩の弾は狙ったところに飛んでいく。【自動演算(オートオペレーション)】のスキルを他のスキルと合わせて自動で弾の軌道を変えていってくれる。だからあれだけの数の岩の弾を正確に当てることが出来る。人形(ゴーレム)の様にある一か所に当たる様に弾に意思を持たせることは出来るかもしれないが一つ一つ設定することは大変だし、弾自体が当たりに行きたいと思っても、他の魔法まで制御できる訳でもないしな。

 これで自動追尾用の魔法は出来上がった訳だ。後はそもそもの複合魔法もだ。やっぱりどちらも何とかなるもんだ。ある程度MPの消費はするけど、最上位クラスの魔法と比べたら大したことはない。今半減しているMPでもこの階層のモンスター全てに使っても問題ないだろう。

 まぁとりあえずガイとバロンさんに近付こうとするモンスターから始末していくか。

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