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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
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迷宮攻略24

「とりあえずこのまま進んでみる?」



 俺達はもう迷宮の81階層にいた。

 いつも通りの受付をして、皆に見送られてと言う最近の一連の流れを済ましてきている。

 そして皆には既に【アイスマント】を渡してる。

 ガイとブラン、バロンさんはいつもの様にマントとして身に付けているし、アリアやシータは体に前を留めてアウターの様に着てる。今回はフードも付けてみた。火の粉とかが髪に飛んでもあれだしな。風で周りを覆ってるから大丈夫とは思ってるが一応念の為の配慮だ。それぐらいは考えてるんだよ、俺も。

 俺は今回はマントとして使ってる。スキルの【炎熱無効】が俺にはあるから関係ないんだけどな。この一か月ずっと付けるようにしていたからスキルを付けていたからスキルを外して、マントを付けていなくてもそこまでの暑さは感じないんだけど気分的なものだ。


 81階層に降りて来て魔法が使えるようになってるけどもうここ位から魔法で姿を隠しても通用しなくなってる気がする。溶岩の中にいたりするモンスターがいるみたいだからこちらの気配を察知するみたいだ。

 だからもう姿を消す支援魔法なしで進もうかと提案したんだけど。



「そうだな、ここでの戦闘になれないといけないだろう。」

「あぁ、多分幻獣がいるのもこういった場所だろうしな。」



 ガイとバロンさんがそう答えた。

 2人は単純に戦闘がしたいだけなんじゃないかと思うけど、俺も色々試したいことあるし反論はない。

 アリアは仕方そうな顔をしていたが特に意見はないみたいだ。

 俺達はこのまま進むことにした。



 【索敵(レーダ―)】も使えるようになってるんで次の階層に進む道はわかる。それだけでも大分時間の短縮になる。

 しかし流石にこの状況下の中で一夜を明かしたりしたくはないな。前の階にあったような神殿風の場所までは進みたい。その気になったら土魔法で家みたいな物を建ててもいいけど、いきなり溶岩とか流れて来ても嫌だしな。中も涼しくしないといけないからかなりのMPを使い続けないといけなくなる気がする。

 まずは89階層を目指そう。



 俺達は81階層の攻略に乗り出した。

 

 81階層は罠の様なものは一切ないみたいだ。と言うか配置できないんだろう。

 ごつごつとした地面に溶岩の川や、湖みたいになってるし。溶岩に触れたら火傷どころじゃ済まないだろう。こんな中に罠なんてあったら鬼だよな。

 そう言えばこの世界にも鬼っているんだろうか。ガイの必殺技名に鬼が入ってたりするし、そう言えば聞いたことがなかったな。今度聞いてみよう。


 そんな特に意味もないことを考えながら進んでいると、俺達に近付いてくる気配があった。

 こんなところでぼうっと考え事してる余裕はなかったな。

 【並列思考(マルチタスク)】があるから色々と別々の事を考えられるようになったから、必要ないことも良く考えちゃうんだよな。

 ってまた別の事考えていた。


 俺達へ近づいてくる気配はどう考えても溶岩の中にいる。溶岩の川の中を進んできているみたいだ。

 そして俺達の近くにその気配が来ると、溶岩の川から何かが飛び出してきた。

 周りに溶岩を飛び散らせながら出てきたのは一見ナマズの方な形をしたモンスターだった。

 しかし身体は真っ赤に染まっている。溶岩の中を進んできたんだから当然かと思うが、ナマズと違って表面はごつごつとした岩かと思う肌だった。

 更に大きさも体長は5mを越える。後はナマズとトドなんかの海獣を合わせた様な感じで、前足っぽいものがあった。でも尻尾は魚のそれなんだよな。初めて見る姿で何とも形容しがたい。


 溶岩から出てきたってことは体も相当の熱を放ってるんだろう。そうそう近づけないな。

 そんなことを思っていたらその出てきたモンスターは口を大きく開けて溶岩の塊の様な物をこちらに向けて放ってきた。


 いきなりかよ。と思ったが他の仲間達も警戒はしていたので皆その塊を余裕でかわす。



「【凍る槍(フリージングスピア)】」



 お返しとばかりに俺は数本氷の槍を作ってモンスターに放つ。

 地上では素早い動きは出来ないみたいではなった氷の槍はモンスターに全て命中した。

 ただ命中した瞬間に全て煙になって消えた。

 やっぱりここではかなり威力が落ちるみたいだな。それに体表がかなりの温度になってるみたいだから魔力を込めた氷ですら速攻で溶かされた。



「ふんっ。」

「どりゃぁー。」



 俺が魔法を使っている間にガイとバロンさんがそれぞれモンスターの左右に別れて剣に気を乗せて放っていた。

 2人の剣撃がモンスターに当たるがガンッと音がして表面が少し削れたぐらいだった。かなり固い鱗と言うか体表をしてるのか。

 ガイとバロンさんはその剣撃が効かないのが分かっていたのか、すでにモンスターのところまで突っ込んでいた。突っ込んでいって大丈夫なのかよ。

 左右から2人は剣を振るいモンスターを攻撃していく。

 剣には気を纏わせているからか、何とかあの硬い肌に当たっても折れたり欠けたりはしていない様だが。そこまで通じている様には思えない。剣術レベルが10と言ってもなんでも斬れる訳でもないしな。溶岩の中でも無事な鱗だ、普通ではない。

 モンスターも2人が近づきすぎてるからか口から溶岩を吐かず、身を捩(よじ)って2人を弾き飛ばそうとしたりしている。

 しかし2人はモンスターの動きを見て的確に距離を取って、相手の攻撃をかわしまた攻撃を加える。

 ガイは剣撃を斬るよりも当たった瞬間に爆発するタイプの使い方に変えてモンスターに向かって放っていた。それを見たバロンさんも同じ様な戦闘スタイルに変えた。

 モンスターの体表に2人の攻撃が当たる度に、当たった部分が爆発する。その方が効果があるみたいでモンスターの体表がどんどん削られていく。

 それに恐れをなしたのかモンスターは体を大きく振るわせて、回れ右をして溶岩の川の方に凄いスピードで進みだした。逃げられると思った時には既に遅く、モンスターは溶岩の川に飛び込んだ。


 逃げられたけど倒さないと進めない訳じゃないからいいかと思ったが間違いだった。

 溶岩の川に逃げたモンスターは、溶岩の川からひょこっと顔を出して俺達の方へ溶岩の塊を飛ばして来やがった。

 遠くからだし、そこまで狙いが正確ではないので簡単にかわせたが面倒なことになった。

 モンスターは溶岩の川の中に陣取ってドンドンと俺達の方へ溶岩を口から吐き出してくる。

 あそこにいたらこちらからの攻撃が届かない。こちらもそんな溶岩の塊に当たることがないが、地面に溶岩が巻き散らかされ、足の踏み場がなくなる。

 更にまずいことにこの戦闘に気付いたのか別のモンスターの気配もこの場所に集まってる。

 こんなところで足止めされるわけにはいかない。



「【岩の人形(ロックゴーレム)】」



 俺は地面から岩の人形(ロックゴーレム)を呼び出す。身長5m位のを5体呼び出す。



「飛んできた溶岩を受け止めろ。」



 岩の人形(ロックゴーレム)に命令をする。

 命令を受けた岩の人形(ロックゴーレム)はモンスターが吐き出した溶岩を受け止める。受け止めた岩の人形(ロックゴーレム)の溶岩を受けた部分が赤くなるが問題ない。この場の溶岩が冷めて出来た岩で作った岩の人形(ロックゴーレム)なので熱にはかなり強いみたいだ。後もし溶けたりしてもこの場には材料があるから自動修復するようにしている。



「とりあえず岩の人形(ロックゴーレム)に守らせたまま先に進もう。」



 俺はそう皆を促す。

 ガイもバロンさんも近づいてくる気配が分かっているからかわかったと言って走り出した。

 俺達の周りに5体の岩の人形(ロックゴーレム)を配置して、飛んでくる溶岩を避けながら先に進む。

 岩の人形(ロックゴーレム)の足はそこまで早くないので進むスピードは速くない。

 いつの間にかナマズの様なモンスターが数を増やしていて、いくつもの溶岩の塊が俺達の方に飛んでくる。

 前までの階はモンスターはそれぞれの場所に配置されていて、その場周辺以外は動かないみたいだった。しかしこの階は違うのかナマズの様なモンスターは俺達の後をずっと付いてきている。ただ溶岩の中から出ないようで、俺達も溶岩の川からなるべく離れる様に移動しているので遠いところからの攻撃だから被害は出ていない。

 ただただ面倒だ。こちらから攻撃は出来ずに、炎の塊が飛んでくる。岩の人形(ロックゴーレム)達が俺達に届く前に防いでくれているがいつの間にかナマズの様なモンスターも数を増やし、色んな所から飛んでくる。

 俺とアリアが飛んできた溶岩の塊に氷の槍を当ててこちらに届く前に叩き落したり、ブランが岩の矢を作りモンスターに向けて放ったりして何とか飛んでくる数を減らしている。


 しかし助かってるのは今の所ナマズみたいなモンスターしかこの階層には出ないってことだな。これで別にモンスターが襲ってきたら対処が難しくなる。しかしもしかしたら下の階には別のモンスターも出てくる可能性がある。

 そんなことを思いながら俺達は何とか次の階層の進むための魔法陣まで辿り着いた。

 そして皆で魔法陣まで駆け込んだ。


 次に見た光景も同じだった。

 ごつごつした岩と溶岩がある光景。

 しかし【索敵(レーダ―)】で確認するとさっきの階とは違う気配がする。思った通りこの階層から別のモンスターも出る様だ。

 まったくもって面倒なことになった。これでまた溶岩の中から攻撃をしてくる奴なら面倒だ。しかし地上で面と向かって攻撃されるもの面倒だな。その間にまたナマズ達から溶岩攻撃を受けると、両方に気を配らないといけなくなるし。

 流石は迷宮終盤ってところか。


 とりあえず俺のスキルを色々と試してみるか。

お読み頂きありがとうございます。


少し短めになって来てます。時間が欲しい。

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