↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
113/237

迷宮攻略7

 ガイが【迷宮の守護者(ガーディアン)】を相手取ってる間に実はブランが土魔法を使って【迷宮の守護者(ガーディアン)】の上空に大きな岩を作っていた。天井の石を寄せ集めて直径20m位の大きな岩を作った。【迷宮の守護者(ガーディアン)】がその岩に気付いているかもしれないが今はガイが動きを止めているからどうしようもないんだろう。



「ガイ今じゃ。」



 ブランが叫び空中にあった岩を【迷宮の守護者(ガーディアン)】の元へと落下させる。ガイは【瞬行(しゅんこう)】を使って【迷宮の守護者(ガーディアン)】から一気に距離を取る。

 上から落ちてくる大岩を【迷宮の守護者(ガーディアン)】は4本の腕を全て上に伸ばして受け止めようとしている。そんな力(パワー)があるのかよ。頑丈だから質量で押しつぶそうと思ったのに受け止められたら意味がない。しかもその後こっちに投げ飛ばされたりしたら大変な事になりそうだしな。俺は急いで魔力を練る。

 【迷宮の守護者(ガーディアン)】の頭の上まで来た大岩を4本の手が押し止める。【迷宮の守護者(ガーディアン)】足が地面に沈む。しかしギリギリのところで押しつぶされない様に受け止めたようだ。



「【烈風の死神(ゲイル・デスサイス)】」



 俺は風の上位魔法で【迷宮の守護者(ガーディアン)】の1本の腕を狙う。今は大岩を4本の腕で受け止めているから盾では防げないだろう。俺の作った風の刃が当たった【迷宮の守護者(ガーディアン)】の腕を切り落とす。



「シータ、もう1本切り落とせ!」


「うん、ププお願い。」



 俺の叫びにシータが答える。すると俺が使った魔法と同じような風の刃が【迷宮の守護者(ガーディアン)】の別の腕を切り落とす。

 流石に2本の腕では支えきれないのか大きな岩が【迷宮の守護者(ガーディアン)】を上からぐしゃりと押しつぶした。ズドンという音と共に大岩が地面に到達する。砂煙が上がる。

 やったのか?ここで倒したと思って油断は出来ない。しばらく全員が大岩を固唾を飲んで見守る。

 するとガチャリと音がして次の部屋の扉が開いた音がした。はぁ~、倒せたようだ。今回はステータスの値も見えなかったから【鑑定眼(アナライズ・アイ)】では倒せたかどうかわからなかったんだよな。今はでっかい岩の下にいるし。結局核みたいなものがあったのかどうかもわからなかったけど倒すことが出来て良かった。



「一旦次の部屋まで進もうか。」



 この部屋にずっといるのも何だったのでとりあえず次の部屋に行ってから落ち着こう。そう思って俺は皆に声を掛けた。そして開いた扉を抜けて十字型の部屋まで移動した。



「今回の相手は強かったな。」



 部屋に入るなり俺は皆に言った。



「そうか?苦戦はしていなかったと思うけどな。」



 ガイが答える。まぁ誰1人怪我をした訳でもないけど。



「でも今までの魔獣に比べたたら急に強くなってなかった?今までのが弱かったって可能性もあるけど。」


「今までに比べたらそうでしょう。しかし主(あるじ)の力であればまだまだ余裕をもって倒せるとは思っておりますがのう。」



 俺の言葉にブランが答える。ブランの言った通り余裕はあると言えばあるな。あれ?焦ってたのって俺だけ?って俺もなんでこんなに焦ってたんだろう。皆全力で戦ってたって感じじゃないよな。今まで相手にしてきたのが弱すぎて急に強いのが来たからビビったんだろうか。



「しかし私は失敗しましたわ。武器も失くしてしまいました。」



 アリアが落ち込んだ様子で言った。そう言えばアリアの鞭は【迷宮の守護者(ガーディアン)】に巻き付いたまま岩の下敷きになっちゃったよね。



「アリアは仕方ないんじゃないか?この中では一番戦闘経験がないんだしね。」



 俺がフォローする。実際にそうだしな。アリアも俺と一緒で焦ってたんだろう。やっぱりボスを倒さないと部屋から出られないってのが怖いのかな。俺も何かあったらどうしようと思ってしまってついつい焦っちゃうんだよな。ガイとブラン、そしてシータは結構思いっきりがあるよな。俺とアリアはどちらかと言うと慎重派だからついつい色んな事考えちゃうんだよな。もう少し自分の実力をわかってればいいだけど。スキルはチートだけど自分の力が今どれぐらいかってあんまりよくわからないんだよな。相手とどれぐらいの力量の差とかあるかなんてわからないし。やっぱり普通に強くなって言ってない事の弊害なんだろうか。でもパーティの中にこういう考えを持った人間も必要だと思うし今後も慎重にいこうと心に決めた。



 「とりあえず俺の使ってた鞭を渡すよ。」



 俺はアリアにそう言って【倉庫持ち(アイテムボックス)】の中から俺がアリアと一緒に修行用に買った鞭を手渡した。どこかでアリアの武器も調達しないといけないかな。



「今回も50階層攻略出来たってことで宝箱見に行ってみようか。」



 俺はそう言って歩き出した。貰うもん貰って一旦宿に帰ろう。なんだか精神的に疲れた。

 皆で宝箱の前に行くとまた少し小さめの宝箱に戻っていた。装飾は綺麗になっていたけどいったい何が入ってるんだろうか。もう少しまともなものが報酬として欲しいところなんだけどな。結局ギルドには売らずに手元に置いてるな。今回のも使える物だったら手元においておくけど。

 そんなことを考えながら少しドキドキしながら宝箱を開けてみた。するとそこにはいつも通りの50階層と書かれたメダルと小さな袋が入っていた。大きさは手の平2つ分ぐらいの巾着の様な袋だった。なんだこれ?そう思って【鑑定眼(アナライズ・アイ)】で鑑定してみる。

 すると『神の神通力が宿った魔法の袋』と出た。俗にいうマジックバックってやつか。そう言えばキュクロさんが他の神に頼んで神通力を込めて貰った物が報酬として出るとか言ってたな。ってことはこれは収納の神にでも頼んだんだろうか。そんなピンポイントな神がいるかは知らないけど。もう少し詳しく解析してみるとスキルの【倉庫持ち(アイテムボックス)(中)】位の容量があるとあった。じゃあそれなりに容量はあるんだ。

 しかし微妙だな。俺は【倉庫持ち(アイテムボックス)】のスキル持ってるしかなりの量も保管しておくことが出来る。今更【倉庫持ち(アイテムボックス)(中)】位の魔法具があってもな。でも今までの勇者も50階層までは攻略しないといけなかったんだよな。それで50階層でこれが手に入ったらかなり使えるだろう。【倉庫持ち(アイテムボックス)】のスキルは割とレアなスキルで商人とかが持ってるスキルだから勇者の仲間にはなかなかいないスキル持ちだろうしな。でも俺には微妙なものに変わりない。



「え~っと、スキルの【倉庫持ち(アイテムボックス)(中)】位の容量が入る魔法の袋だって。誰か使う?」



 俺はそう言って皆にその袋を見せた。すると皆微妙な顔していた。俺が【倉庫持ち(アイテムボックス)】使えるの知ってるもんな。



「まぁ一応貰っておいて俺と別行動しないといけない時に渡すことにするよ。」



 俺はそう言って魔法の袋を【倉庫持ち(アイテムボックス)】の中にしまった。ってこれが本当の宝の持ち腐れだよな。



「今日は少し早いけどここら辺で切り上げて宿に戻ろうか。」



 俺は皆にそう言った。時間的にはまだ夕方にもなっていないだろう。でも今日は何となく疲れた。このまま60階層まで行けそうな気がするけど少しゆっくりしたい。



「そうだな。半分は攻略したし少しゆっくりしてもいいじゃないか。」



 ガイが答える。ガイもさっきの戦闘で少しはフラストレーションを晴らせたみたいで同意してくれた。

 他の人も問題ないみたいなので俺達は帰還用の転送魔法陣に乗った。そしてそのままギルドに帰った。

 そしてギルドに戻ってから何時もの様に50階層を攻略したことを登録してもらおうと受付に行った。すると受付の人の態度がいつもと違った。



「50階層を攻略されたんですか?」


「えっ?えぇ。その証拠にメダルをお渡ししたと思うですが?」



 受付の人に聞かれて俺はそう答えた。



「皆様Bランクの冒険者ですよね?そして迷宮に入り始めてそんな日数経っていませんよね?」


「えぇ、まぁそうですね。」



 受付の人に聞かれて俺はなんだかまずい空気を感じ取った。これは疑われているか何かかな。



「少しお待ち頂いてよろしいですか?」



 受付の人が俺達にそう告げて奥に消えていった。そして暫くすると戻ってきてこういった。



「申し訳ありませんが当ギルドマスターからお話があるとのことです。一緒に来ていただけますか?」



 あぁ、こうなるか。100階層を攻略することを考えていたからいつかはこんな日が来るとは思っていたけど結構速かったな。



「わかりました。」



 俺は仕方なくそう答えて受付の人の後をついて行く。もちろんガイ達も後ろについて来ている。このギルドも2階にギルドマスターの部屋があるようで受付の人が階段を上がっていったのでそれに続く。他のギルドと同じ様に一番奥の部屋みたいで廊下を歩いて一番奥の部屋に辿り着く。受付の人がノックしてからドアを開けた。俺達だけで入れと言ってる感じで受付の人がドアを開けたまま待っていたので部屋の中に入った。

 部屋の中はいつものギルドマスター部屋と変わりがなかった。しかし1人の男性が仁王立ちしていた。この人がこのクレタの町の冒険者ギルドのギルドマスターなんだろう。

 40代後半ぐらいだろうか、髪の毛は少し白が混じったグレーの髪色で少し長めなのをオールバックにしている。眉や目、鼻は整っていてダンディなおじさま雰囲気だな。若い頃はさぞモテたんでしょうね。体格も筋骨隆々で背丈も結構ある。なんか風格があるって感じだよな。でもなんか怒ってるっぽいんだけど、威圧されてる。



「俺がクレタの冒険者ギルドのギルドマスターのバロンだ。まぁ掛けろ。」


「そうですか、俺達は「ダイザン」と言うパーティで俺がリーダーのダイゴと言います。」



 俺はそう言ってお辞儀をした。そして勧められたように椅子に腰かける。俺の隣にシータとアリアが腰かけブランとガイは立ったままでいる様だ。バロンさんも俺達の前に腰かけた。



「しかし一体どういうことだ?」



 バロンさんは開口一番そう言った。



「どういうこととは、何のことでしょう?」



 それだけ言われてもどの件かわからん。



「さっき受付の奴から聞いたがお前たちBランクのパーティで50階層を攻略したそうじゃないか。」


「あぁ、その件ですか。そうですね、先程攻略してきました。」


「それがおかしいと言う自覚はないのか?」


「どうなんでしょうか?俺は俺達以外の冒険者の事は知りませんので何がおかしいかわかってないんです。」


「だったら教えてやる。今の所50階層を攻略できたのはSランクの冒険者パーティだけだ。」


「そうなんですか?確かSランクの冒険者パーティが62階層まで進んでるって聞きましたけど。」


「そうだ、しかしそれはSランクの冒険者パーティ3組、合計12人で何とか進んだ階層なんだぞ。

 50階層に出た魔獣は他の階層の魔獣に比べて一線を画している。あれをどうやって倒したんだ?」



 そうなんだ、やっぱりあの迷宮の守護者(ガーディアン)はかなりの強敵だったんだな。



「どうって言われても、攻撃をして注意を引いてる隙に頭の上からでっかい岩を作って潰しました。」


「なんだと!?どういうことだ。」


「どうと言われても言った通りなんですけどね。俺達スキルのレベル10ありますからそれぐらいの事は出来ます。」


「それも一体どういう事なんだ?スキルレベルを10にするなんてお前らの年齢なんかで到達する訳ないだろう。」


「エデバラっていう街の冒険者ギルドで鍛えて貰ったんです。今あそこで鍛えると簡単にスキルレベルを上げれるようになったんですよ。」


「どういうことだそれは、詳しく教えろ。」



 バロンさんにそう言われたので俺は師弟契約について少し話した。ただ俺が作ったとか、今も俺が契約できるなんてことは伝えない。ここで同じ事をしろと言われても困る。俺達は迷宮の攻略に来てるんだから。



「なるほどな、そんな手があったのか。」


「えぇ、だから俺達はそれなりの実力を持ってるんです。」



 少しは俺の言う事をに納得してもらったようだ。



「今度人をやってその事については確かめるが、お前達は迷宮にどこまで潜る気だ?」


「一応100階まで攻略するつもりです。」



 ここで嘘を言っても仕方ないので正直に答えた。



「本気で言ってるのか?」


「えぇ、そのつもりです。」



 バロンさんが威圧的な目をして俺に聞いてくる。俺は目を真っすぐに見てそう答えた。



「そうか、それは面白そうだ。だったら俺も連れていけ。」


「はい?」



 バロンさんに言われた言葉に驚いて変な声を上げてしまった。



「だから俺も迷宮に一緒に連れて行けって言ってるんだ。パーティのメンバーとしてな。」


「いやいやいや、それは無理でしょう。ギルドマスターなんですよね?ギルドマスターが迷宮に入ってしまっていいんですか?」


「あぁ、大丈夫だろう。俺も腕が鈍らない様にたまに入る様にしてるしな。」



 バロンさんも冒険者なのか。まぁ見た目で分かってたけど。基本的にギルドマスターは冒険者からなることが多いみたいだな。



「でも俺達これから51階層以上の深いところに行くんですけど。」


「あぁ、足手まといってか?心配するな俺もSランクの冒険者だ。」



 バロンさんの言ったことにまた驚く。バロンさんってSランクの冒険者なんだ。Sランクの冒険者って初めて見た。もしかして。



「バロンさんが62階層まで行った冒険者なんですか?」


「あぁ、そうだ。今は仲間と別れてここのギルドマスターやってるけどな。」



 なるほど。でも仲間と別れてからここでギルドマスターをやりだしたんなら、もっと若い時に62階層まで行ったってことだよな?じゃあ俺達の時にもうSランクの冒険者だったんだろうか。【鑑定眼(アナライズ・アイ)】で確認したが高ランクのスキルは持ってるようだけど俺達に比べてずば抜けて強いって感じではない気がするんだけどな。

お読み頂きありがとうございます。



最近私生活が忙しすぎてこれからは毎日更新が出来なくなりそうです。

いつも読んで頂いている方には申し訳ないんですが1月末までは不定期更新になりそうです。

出来れば2日に1回ぐらいは更新していけたらいいなとは思ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。