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 暖かい陽光が神聖な教会に注ぎ込む。

 清廉な空気の中で、ベールをつけた花嫁が神父の元へと進み出る。

 新婦は一人で歩いていた。


 ユリの親は、あの公聴会の日に捕まった。

 だから、新婦であるユリは一人でガイの元へと歩いていく。


 その姿を眺めて、綺麗だな、と思う。

 ウェディングドレスは長い裾を引きながら、参列席にいる私の前を通っていった。





 公聴会で白魔女反対過激派を全て捕まえた日から約3か月。

 

 今日はガイとユリの結婚式だ。

 両方とも親も参列しないし、開くかどうかも怪しかったけれど、母の鶴の一声でやる事にしたらしい。

 両親は私が出来たから急いで籍を入れたらしく、ウェディングドレスは着ていない。

 母曰く、『子供がいたらそんなのしてる場合じゃないし。私はウェディングドレスにそこまで興味ないからいいけど、ユリ、着たいんでしょ?着るなら今のうちよ?』とのことらしい。

 結果、ホワイト商会社員、取引先、レジスタンスを含むガイの友人達、そしてユリ側から、魔術管理部門職員、友人枠で私とシフト、それから両親も呼んでのなかなかに盛大なお式となっている。ユリの妹と、祖父母は呼ばなかったらしい。ユリはもうふっきれたのか、『新しい門出に水を差されたくない』と話していた。


 結婚式の後の披露宴は、かしこまったものではなく、簡単なガーデンパーティーの様相にしてあるらしく、立食形式のブッフェだ。


 主役の2人もウロウロと立ち歩いて参列者と楽しげに会話している。

 それを眺めて、皿にとった料理を口に運ぶ。

 それをシフトが恨めしげに眺めてきた。


 「…なんなんだ?食べたいのか?」


 自分で取ってこい。

 まだ沢山あるのに。

 ジッとシフトを見ると嫌そうに眉を顰めていた。


 「…マジで、なんでガイとユリが結婚式してるの?俺とネジもまだなのに…!」


 そっちかよ。

 

 「煩いなぁ。婚約はしたからいいだろ」


 あの公聴会のあと、私はシフトとクレメンス侯爵家を訪問していた。

 物凄く反対されていると思っていたのに、ただの食い違いだった。


 シフトの両親は、息子から、『白魔女で一般人であるネジと結婚するから家を出る』と宣言され、慌てて反対した。

 それは、白魔女と結婚する事に対してではなく、『家を出る』発言への反対だった。

 シフトの両親は、『シフトと婚約したいけど、家を出るのはどうかと思う』と発言した私に、それはもう激しく同意してきた。

 結果、『家を出ずに、婚約するなら反対していない』という、アホみたいな食い違いを正し、私とシフトは正式に婚約した。


 「早く結婚しよ?」


 「まだしない」


 「えぇー……」


 私は魔力封じの腕輪を作り、魔術無効化液の材料として、正式に魔術管理部門の職員となった。

 今は新しく魔術と科学を融合した魔道具の開発に携わっている。

 ぶっちゃけ、楽しい。

 結婚なんかしてる場合じゃないくらいに、充実してる。


 シフトも騎士団団長として忙しく、充実した生活を送っているし、別に無理に結婚しなくてもいい気すらしている。


 「………ネジ、結婚なんかしなくてもいいと思ってるよね?」


 「えっ………」


 なんでわかったんだ…?

 ギクリとしてシフトを見ると、本当に嫌そうにため息をつかれた。


 「するからね?婚約までして結局しないとかないから。待ってるのは俺の我慢の賜物だからね?」


 「お前が言うと説得力が凄いな…」


 ストーカーだもんな…。

 シフトは婚約したのに、今までと変わらず、ストーカー紛いの事ばかりしている。

 時々家に来るユリはもう呆れ果てて、特に何も言わなくなっていた。


 「…まぁ…そのうちな?」


 いつか、多分。

 ユリとガイが近付いてくる。


 その幸せそうな姿を見て、今すぐじゃなくても、いつか。


 自然とそう思った。

                     おわり

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

主人公2人の物語はいったんこれにて完結となります。最後まで見守ってくださり、心から感謝です!


(※なお、本編とは直接関係ない親世代・オリビアとホーンのラブラブな番外編を、**1週間後の【10月30日20:10】頃**に投稿予定です。 よろしければおまけとしてお付き合いください)


最後に、**「面白かった!」「楽しかった!」と思っていただけましたら、下のほうにある【評価(☆☆☆☆☆)】や【ブックマーク追加】をポチッと押していただけると、今後の執筆の凄いモチベーションになります……!!泣**


皆様の応援が本当に支えでした。また別の作品や番外編でお会いできたら嬉しいです!


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