無意識の存在 side 光
二話目かな
それは突然だった。
目の前の箱に触ろうとしたら、
いきなりその箱から鬼さんが現れた。
その鬼さんはすごく怖かった。けど、僕を守ってくれる鬼さんがいたから、そこまで恐怖はしなかった。
けど、その鬼さんがやられて、目の前で鬼が腕を広げていた。
あまりに唐突で、目の前に誰もいなくて、体が動かなかった。
僕はどうなるの?
そう思った次に見た光景は、僕の前で、背中から血を流しながら、倒れているお母さんの姿だった。
「え」
どうして倒れているの?
「え」
なんで血を流しているの?
「え」
だれがやったの?
━━━お前か?
「お前」
「お前、僕の母さんに何をした?」
ここから先はあまり覚えていない。
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「私の邪魔をするからどけただけよ!さあ、坊や!私と一緒に天に昇るようなことしましょう!!」
「そうだな・・・。僕の、俺の大事な者に手を出したんだ。償いとして天に昇ってもらおう。」
「ひ、光ちゃん?」
「俺は、お前を、殺す」
生き延びれると思うな。
「ふんぬ!光!まずはご母堂の治療が先じゃ!」
「グァッ!」
そんな言葉と共に鬼さんが鬼を殴る。
そうだね。先に母さんを治さないとね。
「早く救急車を・・」
「治癒」
俺の言霊で母さんの傷が治っていく。
ごめんね、母さん。僕がしっかりしてないからこんなことになって。
「あ、あやかの傷が、治った・・・!?」
「・・・とりあえず、細かいことは後にして、良かったわね。」
さて、母さんは大丈夫だから・・・あの鬼を殺しに行こうか。
「鬼さん。下がって良いよ。」
「い、いや、大丈夫じゃ、わっちだけ・・で!」
「脇がアマーイィィィ!!!」
「またか!?」
虫みたいで、うざいよ。
「伏せ」
「グッ・・・・・・・!?」
俺の言霊で鬼は地面に縫い付けられる。
不完全な状態の俺でもこれくらいは出来る。
あとは、一言で済む。
「死「待つのじゃ、光!」
なんで、俺を止めるのかな。
「何?鬼さん?邪魔をするなら鬼さんも殺すよ?」
「いまの状態ならわっちでも無理やり統合できる!そうすれば普段のの光を守る力が増えるのじゃ!やらせてくれんか!!」
「・・・」
統合ね。確かに普段の俺はぽやぽやしてるからそれを守る鬼さんには力が必要か。まあ、鬼さんは脇が甘いところがあるみたいだけど。
「わかった。」
「ほ、本当か。」
「けど、もし鬼さんが暴走したら。分かってるよね?」
「だ、大丈夫じゃ。わっちは光のことが大好きじゃから光のことを傷つけたりせぬ!」
「そう。じゃあ、さっさとやって。」
「分かった。・・・!」
「ビ、ビ、ショウネ・・・」
「・・・終了じゃ。完全に取り込んだ。これで安心じゃ」
「そう。」
俺の仕事も終了かな・・・・・・・・・
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「ん・・・んぅ?」
起きたら、どこかで見たことあるようなふーけーだった。
「光様起きましたか!」
「光!痛いところ無い!?蛍、母さん呼んできてちょうだい。」
「はい!」
目の前にはママと、すみれお姉ちゃんと、ほたるお姉ちゃんがいた。
「え?えっと、どこも痛くないよ?」
「良かった・・・。」
「光!起きたのか!」
「あ、お婆ちゃん」
「体に不調はある?」
「ふちょう?えっと、何も無いよ?」
ふちょうってどういう意味なんだろ。
「良かった・・・。ごめんなさい、光。私たちが守ると言っておきながら・・・。」
まもる?・・・そうだ!僕はあのときもう一人の鬼さんに襲い掛かられて・・・うん?
そのあとなにがあったんだっけ?
「光よ、あやかが倒れた後の記憶はあるか?」
「え・・・そうだ!ママ大丈夫!?」
「大丈夫よ、光。母さんはあれくらいじゃやられないから!」
「よかった・・・ママ死んじゃうと思って・・・・」ぐす
こわかったよぅ・・・。
「よしよし、ママはここにいるから大丈夫だよ~。」
(私も光ちゃん抱きたい。)
(桜。今、光様に手を伸ばしてはいけません。)
(光様無事でよかった~。これからはもっと本格的な護身術教えなきゃ・・!)
ママに抱き締められてるうちに安心して僕は眠った。
いつまでもママと一緒にいられますように・・・。
お婆ちゃんはお母さんにこっぴどく叱られたので、罰として光とのふれあい禁止です。
ごく稀に出るかもしれない光視点




