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第58話 藤原

細川が逮捕された。


このことはニュースにもなった。


ニュースで知ったことだが、揉みあいになった後、細川が突き飛ばしたとのことだった。


愛美さんに子供が出来たと知った怒りと、一緒にいた藤原からの指示だと自供したことだ。


その藤原は現在逃走中とのこと。


あとは藤原が捕まれば事件解決になるだろう。


我妻さんがミステリー研究会のみんなにお礼を言っている。


僕も言われてなんだか照れ臭かった。


ミステリー研究会は以前のような状態に戻った。


推川さんは推理小説を。


見上さんはあたりの観察を。


電灯さんはパソコンをひたすらいじっている。


僕は特にやることもなく、本を読んだり、散歩をしたりしていた。


そういえば、推川さんが、本を読んでいないときは、ニヤニヤと思い出し笑いをするようになった。


あの事件のことを思い出しているのだと思われる。


我妻さんもミステリー研究会に入ると言い出した。


すると推川さんが反対をした。


「君は母の死の真相を暴くことだけを目的としてきた。これからは普通の女子高生として生活をしなさい」とのことだ。


僕はもっともだと思った。


我妻さんには幸せになって欲しい。


以前みたいにまたクラスのみんなと回転寿司に行って欲しい。


他にもカラオケや食べ歩きに買い物など。


正直この変人ばかりの部活に、入り浸ってほしくはないと思った。


ただそれだと寂しくなるから、僕としては少し複雑だ。


しかし気になることがある。


藤原が逮捕されていないことだ。


あれから5日が過ぎた。


まだ逮捕されていないのが不思議でしょうがない。


そのことを推川さんに話した。


「時間の問題だろ。藤原はただの主婦だ。そう何日も隠れ続けるのは不可能だろう」


僕もそう思った。


電灯さんが「もし自分が藤原なら何処に隠れる?」と言い出した。


推川さんと見上さんがその話に乗り、3人で色々意見を言い合っている。


そこへ我妻さんがやって来た。


「あのもしよかったら、打ち上げってのをしませんか?」


捜査終了に打ち上げってあるのだろうか。


それにまだ藤原は逮捕されていない。


「ダメでしょうか?」


でも折角我妻さんが提案してくれたんだ。


隠れる場所で盛り上がっている3人に声をかける。


3人とも了承してくれた。


今度は5人で何処でやろうかと盛り上がった。


いくつか候補が出たが、食べ放題に決定。


僕はあまりにも無難な選択に驚いた。


お肉やお寿司に飲み物も食べ放題。


我妻さんは、初めての場所に困惑していたが、仕組みがわかると、楽しそうに料理を運んでくる。


5人で食べて飲んで楽しんだ。


我妻さんがお肉やお寿司ではなく野菜を食べてるのがかわいいと思った。


そしてお開きとなり帰ることに。


僕と推川さんと我妻さんが比較的同じ方向なので一緒に帰ることになった。


ビル街を抜け、住宅街に。


3人で歩いていると、目の前に人が立っていた。


女性?と思った。


すると「お前のせいだと包丁を持って我妻さんに襲いかかろうとする」


僕は咄嗟に我妻さんの前に立ちふさがった。


刺される。


そう思った時にその女性が顔を抑えて倒れた。


推川さんの右ストレートが決まったのだ。


「こういう時の為に300円使ったんだよ」と推川さんは言う。


「まさか、あの右ストレートですか?」


「そうだ」


そして倒れた人をみるとやつれているが間違いなく藤原であった。

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