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第57話 細川との対峙

5人で細川の家に向かう。


時刻は昼頃。


夫は仕事だろうし、子供の迎えもまだだ。


家にいるはず。


ドアのチャイムを押す。


細川がドアを開ける。


僕たちを見て閉めようとする。


推川さんが閉まりかけたドアを手で押さえる。


「警察呼ぶわよ」と細川。


「呼ぶならどうぞ。こちらも話したいことがありますので」と推川さん。


「はっ?不退去罪って知らないの?」


「殺人罪って知りませんか?」


「なに言っているの?」


「まあ話でも聞いて下さい。当時、愛美さん急に登校した。目的は2つ。小早川先生とあなたたちと話をすること。まずは小早川先生のところに行き言い合いになった。その後あなたたちに会うために写真部に向かった」


「だからなに?」


「写真部に行ったのは目撃者もいます。その後3人で屋上に行く。こちらも目撃者と藤原が否定しなかったので確定ですね」


「その後すぐに帰ったわ」


「ええ。愛美さんが亡くなり、あなたたちは生きて帰ってきましたね」


「私たちはすぐに帰ったのよ。そして愛美が自殺した」


「そうでしょうか。屋上に行き、愛美さんはあなたたちが恐喝をしているのを責めた」


「私たちは恐喝なんてしていないわ」


「愛美さんが個人日記サイトに書いていましてね。もっとも後に誰かに改ざんされましたがね」


「なによそれ」


「改ざん前の個人日記サイトを見た人がいるんですよ。そこには小早川先生が恐喝されていることなども書いてありました」


「関係ないわ」


「そしたら藤原がね。服やアクセサリーをたくさん買い始めたんですよね。あなたも買っていましたよね」


「自分で稼いだお金で買っただけ」


「さてそこで言い合いになった」


「愛美が悪いのよ」と細川が言ったあと推川さんは見逃さなかった。


「悪いのはそちらでしょう」と推川さん。


「私たちは悪くない。そうだ。警察は自殺って言ったわ。なんで殺人罪とかなってるの」


「自殺の理由はドアに鍵がかかっていて、愛美さんのポケットから鍵が出てきたからでしたね」


「そうよ。合鍵も職員室にあった」


「実はね藤原が屋上の鍵を持って鍵屋に行ったのを見たって人がいるんですよ。そこでスペアキーを作った」


「誰が言ったの?」


「情報源は明かせません。警察には言いますけどね」


「だから」


「あなたたちが愛美さんを柵から落として、その後ドアを出てスペアキーで鍵を閉めた」


「全部想像じゃない。落としてなんてしてない。あれは……」


「あれはなんです?」


「落としてなんてない!」


「じゃあ何があったんです?」


「もみ合いになっただけよ!」


「そうですか」


「そうだ証拠は?」


「今集めています。スペアキーもその1つです」


「愛美が勝手に死んだだけよ。私たちが殺した?何年前よ。時効でしょ」


「殺人罪に時効はありませんよ」


細川の顔が真っ青になる。


「指紋は……」


「あなたたちが手袋をしてたから出るわけないですよね」


「あれは……あれは……」


「柵は当時1メートルだけですものね」


「藤原が悪いのよ。藤原と愛美が悪いのよ」


「もう確定ですね。自供したほうが楽になりますよ」


細川はさらに青くなり、呂律(ろれつ)が回らなくなった。


「電灯。警察へ電話だ」


「わかった」


電灯さんが警察へ連絡する。


細川は椅子に座り込んだまま何も言わない。


僕たちはその場で警察を待った。


その後


暫くして警察がやって来た。


これまでのやりとりと今の会話をICレコーダーで録音をしていたので、これらも提出。


そして各関係者の発言も一緒に提出をした。

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