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第5話 細川さん

翌日の朝、我妻さんが声をかけてきた「今日は細川さんのところですよね?」


「その予定だけど、その前に確認」そう言って、僕たちは電灯さんのところへ向かった。


「細川さんに会う口実はありますか?」と僕が聞くと


「彼女は呟きサイトはやってなかった。でも、数日間だけ実名交流サイトをやっていた。そこに愛美さんのことが書いてあったよ」


「住所がわかりそうなことは?」


「それが今調べてるとこ。もう少し時間がかかりそうだね。まさか“田所さんから聞きました”なんて言っちゃまずいんだろ?」


「そうですね。では住所の方引き続きお願いします」


「あいよ」



昼休み。


「細川さん呼び出しちゃおうぜ」と電灯さん


「どういうこと?」と僕が聞く。


「細川さん今呟きサイトをやっているんだ。だからDMで直接話す」


「それ失敗したら会えなくなるじゃん」


「そしたら別の手を考えよう」


「う~ん」


「それでいきましょう。私がやります」と我妻さん。


部室にあるパソコンを使い細川さんと思われるアカウントにDMを送る。


「初めまして。私、我妻向日葵といいます。我妻愛美の娘です。母の事を知りたいので会ってくれませんか?」


しばらくして「娘?」


「はい。今、母のことを調べています。どうかお話を聞かせて下さい」


「無理」


「どうかお願いします。家族にも迷惑かけませんから」


しばらく間があった。


「10分だけなら」


「ありがとうございます」


「16時に○○へ来て」


そして会話は終わった。


家族に反応したのだろうか。


とりあえず会えることになったのでホッとした。



16時前に待ち合わせの場所にきた。


我妻さん1人で待ち合わせ場所にいることにした。


僕らは隠れることにした。


我妻さん以外がいると警戒するだろうから。


代わりにスマホを通話状態にした。


これでやりとりは聞ける。


16時になると公園のベンチに、30代でやや疲れた様子の女性が来た。


茶色の髪にベージュのパンツと茶系の上着。


カバンなどを持っていなくて、手ぶらで来た。


我妻さんがお辞儀をする。


細川さんと思われる人は、我妻さんを見て驚いている。


少し経ってから「何が知りたいの?」


「母のこと全て」


「愛美はどこか冷たい感じがした。細くて綺麗だったけど、感情がうすいというか」


「他に知ってることはありますか」


「私は1年のときしか知らないから。そういえば何人かに告白されていたね。その中の1人渡辺って男が付きまとってたよ」


「その人は今は?」


「さあねえ」


「他に母のことに詳しい人はいますか?」


「さあ。藤原……いやなんでもない」


「藤原さん?」


「だから何でもない。そいつは逆で、あんたの母とは仲が良くなかったよ。じゃあ時間だから。後、もう来ないで」


そういって細川さんは去っていった。



部室に戻り、今回の出来事を話し合った。


「まず、新たに渡辺って男の名前が出ましたね。ふられてからストーカーになったみたいですが」と僕が言う。


「後は藤原という人だな。仲が悪かったというが会ってみたいものだ」と推川さん。


「藤原って名前出した時に、しまったって顔をしていました」と見上さん。


「次はこの2人を調べないとですね。電灯さん」


「あいよ。任された」


これで愛美さんと仲がよかった3人とは会った。


しかし進展はない。


後は愛美さんのストーカーと、仲がよくなかった人だ。


案外こういった人たちの方が良い話が聞けるかもしれないと期待を込めた。

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