第48話 ストーカー
私は早歩きをした。
渡辺さんは一定の距離を保ちつつ、後を付いてくる。
怖い。
私は恐怖心を感じた。
しばらく行くとスーパーが見えたので、そこに避難をする。
渡辺さんも後を付いてスーパーの入り口まできた。
私は店の中に入ると、怖くてしゃがみこんでしまう。
少し経つと、「あの大丈夫ですか」と店員が声をかけてきた。
そしてすぐに「我妻さんじゃない」と言ってくる。
私は顔を上げる。
この前一緒に回転寿司に行ったクラスメイトの女の子の吉田さんだ。
私は怖さと同時に、少し安心して涙ぐむ。
「我妻さん。なにがあったの。大丈夫だから」
私は小声で「男の人につけられてて」
吉田さんは近くにいた別の従業員に「店長を呼んできて」と言っている。
少しして店長と思われる人がきた。
「この子私のクラスメイトなんですが、男の人につけられてるみたいなの」
店長は「もう大丈夫です。歩けますか。事務所まで行きましょう」と私を連れて行ってくれる。
事務所に着くと、出入り口の防犯カメラを見る。
「この男の人ですか?」と店長が聞く。
私は一目見てから頷く。
渡辺は時々、店の中の様子をうかがっている。
このスーパーは出入り口が1つしかない。
そのことを知っているのだろう。
少し待つが渡辺は出入り口から動こうとしない。
「タチが悪いな」と店長が言う。
「店長警察呼びましょうよ」と吉田さんが言う。
「ダメだ。スーパーに買い物に来たと言い張れば何も出来ない」
その後「スタッフルームの出入り口前に警備員を立たせろ」と店長が指示。
しばらく様子を見るが状況は変わらない。
店長が少し考えてから「タクシーで帰りますか?」と私に言う。
「ちょっと店長。あいつがいるのにタクシー呼んでも意味ないよ」
「違う。スタッフ専用の出入り口に呼ぶんだ」
「なるほど、それなら。我妻さんどうする?」
「スタッフ専用の出入り口があるなら歩いて帰ります。これ以上迷惑をかけれません」
「ダメだ。君は未成年だ。なら大人が守る義務がある」
店長がそういうと吉田、お前もついていけ。
そういって吉田さんにいくらか渡していた。
「流石店長」と吉田さん。
店長がタクシーを呼び、私と吉田さんはスタッフ専用出入口にきたタクシーに乗る。
店の裏から出てきたタクシーに渡辺が気づき追いかけるが、追いつかない。
「我妻さんもう大丈夫だよ」と吉田さん。
私は「ありがとう」というのがやっとだった。
その後私は3日ほど学校を休んだのであった。




