第45話 屋上
今後の方針がなんとなくだが決まったので、今日は帰って明日から行動しようと思った。
僕は、推川さん・電灯さんと男3人で帰ることにした。
「そういえば、最近僕は推川さんとばかりですね」
「なにか不満か?」
「いえ。意味があるのかなと」
「あるよ。我妻さんを誰と行動させるか考えた。すると見上がこれ以上ないほど適任だとわかった」
「どういうことですか?」
「見上なら、例えば渡辺とか怪しい奴に気づく。だから危険を回避出来る」
「なるほど」
「それに異性にあまり慣れていないというのもある」
「それなら見上さんはぴったりですね」
「電灯は1人を好む」
「そのと~り」と電灯さん
「だから私と進倉がペアなんだ」
「つまり余りもののコンビだったんですね……」
「正確には違うな」
「というと」
「私も1人で大丈夫だ。でも優秀な探偵には一般人の助手がついているだろ。だから進倉をつけている」
「私はワト〇ンやヘイス〇ィングスですか」
「まあそうなるな」
なんか推川さんに言われると、若干複雑な気分になるのはなんでだろう。
翌日。
朝登校すると、我妻さんが僕のところに来た。
「昨日の屋上のドア調べました」
「えっもう?」
「あの後見上さんと年配の教師を待ち伏せして聞きました」と笑顔で我妻さんが言う。
「ああ、そうなんだ」
「昔のままだそうです」
「そうなんだ。お手柄だね」
「えへへ。そしてビッグニュースがあります」
「なになに?」
「写真部が夕焼けの撮影に屋上に行くそうです。私たちも紛れ込みましょう」と笑顔で我妻さん。
「紛れるって。そこはお願いしてみましょうよ」
「そうですか」
「そうです。僕が頼みに行きますから」
「私も行きます」
ことの成り行きを推川さんに一応報告して、昼休み写真部の部長にお願いに行った。
「ミステリー研究会なんですが、調査のために屋上に行かせてもらえませんか?」
「そういわれても、困るなあ」と写真部の部長。
「お願いします」と我妻さんが頭を下げる。
「ちょっとだけならいいよ」
僕は複雑な気持ちになった。
夕方写真部が屋上に向かう。
僕らミステリー研究会の5人も後から付いていく。
屋上に着くと写真部の人たちは、夕焼けの撮影にそれぞれ構図を決めている。
柵の間からや、中には中央の踏み台に乗って柵を写さないようにしてる人もいる。
僕たち5人は、身投げのあった柵に近づく。
小早川さんの話では1メートルとのことだったが、現在は50センチほど高くなっていた。
「転落防止ですかね」
「ふむ。そうだな。転落防止で柵をかさ増ししたのか」
「愛美さんの事件で足したんでしょうね」
「そうだな」
「ここからですか……」
推川さんが柵から離れたところで、僕に印象を聞いてくる。
「推川さんもこっちに来ればいいじゃないですか」
「高いだろ……」
「えっ?」
「下を見たら怖いだろ」
「怖い?推川さんまさか」
「進倉一応写真を撮っておけ」
僕はスマホで写真を撮りながら思った。
古今東西、乗り物酔いや高所恐怖症の探偵って存在したのだろうかと。




