第43話 各班の報告
金沢さんのマンションに着き、オートロックなので部屋番を押すと、すんなりドアが開いた。
そして金沢さんの家に入れてもらった。
「あなたたち、田所が急に協力的になったみたいだけど、何かしたの?」と金沢さんが聞く。
「田所さんも真実を知りたくなったんじゃないでしょうか」と推川さんが言う。
「なるほどね。私もそう思う。それで今回の要件は?」
「愛美さんの個人日記サイトを見つけまして、そのことを知っているかどうかを」と推川さん。
「愛美のサイトを見つけたんですって?なんて書いてあるの?」
「それが途中から改ざんされてまして」
「改ざん?」
「はい。途中から、微妙な書き方の違いや、クセなどが違うので」
「そうなの。誰がやったのかしら」
「それを調べているところです」
「そうだよね」
「誰かこの個人日記サイトの存在を知っていた方をご存じありませんか?」
「いえ。私は今初めて知ったし。みんなそうなんじゃない」
「1人ぐらいはいるかと思ったのですが」
「いるかもしれないけど、私は知らないわ」
「次は田所さんにも聞いたのですが、当時の屋上について」
これは田所さんと言っていることに大差はなかった。
「藤原さんのことはよく知らないんですよね?」
「そうね。前にも言ったわね。でも屋上で思い出した。藤原さんが屋上の鍵を持って鍵屋に行ったのを見たぐらいね」
「なんで行ったんでしょうか?」
「さあ、教師にでも頼まれたんじゃない」
「鍵屋?」
「ええ。確か屋上の鍵だったと思うけど」
「屋上の?」
「なんでだったかは覚えてないわ」
「最後に小早川先生は、例えば誰かに弱みを握られたとかってあったでしょうか?」と推川さんが言う。
「小早川先生が弱み?ないんじゃない。だってそんな風に見えなかったし。弱みを握られてる人間が、女子生徒と仲良くしたりする?握られてるなら女性関係でしょ?ずっと変わらなかったもん」
「なるほど。そうですね」と推川さん。
「次は細川の所へ行くの?」
「いえ。学校に戻ります」と僕が言う。
「なんで行かないの?」
「行きたいんですけど、この前も怒らせちゃったし、かなり警戒されてるようで」
「だったら旦那から攻略したら」
「旦那さんですか」
「昔遊び人だったから社交的だし、話しやすいと思うよ」
「そうですか。ありがとうございます」と僕が礼を言った。
部室に戻ると、見上さんと我妻さんはまだ戻って来ていなかった。
「おかー」と電灯さんが言ってきた。
「そっちはどうだ?」と推川さんが聞く。
「細川さんは、そこそこ写真部をやってたみたいだね。1年時にコンテストで敢闘賞をもらったみたい。それで写真に力を入れたけど、その後はさっぱりって感じ」
「例の写真は見つかったか?」
「いや出てこなかったね。恐喝に使うような写真は基本出回らないよ」
そんな話をしていると、見上さんと我妻さんが戻ってきた。
「お疲れ。どうだった?」と推川さん。
「藤原さんについては、やはりよくわからないって。ただ1年の最後の方から、服やアクセサリーをたくさん買ってたとかって話を聞いたぐらいしか思い出せないと」と見上さん。
「ふむ。個人日記サイトについては?」
「知らないとのことです」と我妻さん。
「屋上については?」
こちらも田所さんと金沢さんの話と大差はなかった。
「それでそっちは?」と見上さんが僕らを見て言う。
「個人日記サイトは2人とも知らなかった。気になるのは、細川さん攻略で、旦那から攻めたらどうかと言われた」と推川さん。
「旦那ってデンバーから?」と見上さん。
「そう。ノリが軽いから話しやすいって」
「でもどうやって会えばいいのかしら。私たちデンバーさんとは面識ないでしょ」
「ふむ。そこが問題だな」
今回の調査は今後の方針と、いくつかの気になる情報を得たのであった。




