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第40話 証言の続き

「その前に恐喝について愛美さんは知っていましたか?」と推川さんが聞く。


「知られていないと思っていた。しかし、その後を考えると知っていたのかもしれない」


「失礼。気になったので。では続きを」


「その後はこの前話した通りだ。愛美が妊娠したが、私は降ろしてくれと言った。そして降ろしたものだと思っていた。愛美が学校に来なくなったのはショックだからだと思っていたので、時間が解決してくれるのを待った」


「なるほど」


「それで私は愛美がいない時に、誘惑に負けて田所に手を出してしまった」


「愛美さんのことは心配じゃなかったんですか?」


「心配したよ。だから何度も連絡した。その度に彼女は大丈夫。いずれ学校に行くと言っていた」


「以上ですか?」


「後は細川とも1度だけ関係を持った」


「金沢さんや藤原さんとは?」


「いや3人だけだ」


「だけって。まあいいですが」


「恐喝していた人に心当たりは?」


「いや。誰だかわからなかった」


「愛美さんが学校に来なくなってから急に来るまで、1年以上ありますが、その間には会っていなかったんですか?」


「会っていない。何度か家に足を運んだが、追い返された。降ろしたショックの後に、私のことを恨むようになったのではないかと思った。田所たちに手を出したのはそれがあったからだ」


推川さんが考え込む。


そして「進倉なにかあるか?」


僕は「確認なんですが、愛美さんは屋上から飛び降りたんですよね。屋上は開いていたんですか?」


推川さんが僕をみて驚く。


推川さんの顔色が変わった。


「屋上には鍵がかかっていたが、愛美が勝手に職員室から持っていったか、借りたのだろう。当時は誰にでも簡単に貸していたからね」


これは我妻さんも入学してすぐ聞いた時も、職員室にいた教師に言われていた。


「愛美さんが突然学校に来たのは、あなたに会うだけの為ですか?」と僕が聞く。


「それは考えたこともなかった。私に会う為だけだと思っていたからね。他にも用があったか。ちょっとわからないね」


「学校には監視カメラがありますよね。事件当時の映像って見ましたか?」


「当時私がいた時は。正門と、職員室周りしかなかったんだよ。今はどうなっているか知らないけどね。それで見たかと言われると見ていない。なにかあったなら、警察が見てるだろうから、そこから私に質問とか来ただろう」


「そして屋上は鍵がかけられており、その鍵は愛美さんのポケットから出てきたと。更に合鍵は職員室にあった。間違いないですね?」


「その通りだ」


推川さんがあたふたしている。


たぶん質問をそんなに用意していなかったんだろう。


ようやく思いついたのか、僕を手で制し「屋上からは簡単に、その、飛び降りられるものかな?」と言った。


「確か柵は1メートルぐらいじゃなかったかな。今はどうだか知らないが」


推川さんが僕を見る。


僕は首を振った。


「聞きたいことは以上ですな」


「小早川さんから逆に聞きたいことはありますか?」


「いや。ないな」


「ではありがとうございました。真相を突き止めてみせます」と推川さんが言った。


そして小早川さんの家を出たところで、推川さんのスマホが鳴る。


「推川、例の個人日記サイト。あれ偽装されていたわ」と見上さんが言った。

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