第39話 小早川さんの証言
小早川さんの家に行こうとすると推川さんが言った。
「我妻さんは電灯と見上を手伝って欲しい」
「私も行きます」
「いや我々は細川に突きつける証拠がない。こっちで証拠を探して欲しいんだ」
「わかりました」
すると電灯さんが推川さんの所へ行き小声で「別にいられてもやってもらうことないんだが」
「我妻さんがいると小早川さんが喋り辛いことも多いだろう」
「そう言われるとそうだな」
「何か資料を見させておいてくれ」
「りょーかい」
こうして僕と、推川さんで小早川さんの家に、向かった。
大泉学園の小早川さんのアパートに着くと、チャイムを押す。
「君たちか。連日急に人が来るようになったな」
「連日?」と僕が聞く。
「いいやこっちの話だ。それで今の私に何の用だ」
「小早川さん。知ってることを全て教えて下さい」と推川さん。
「全てか。私は思い出したくないんだが」
「小早川さん。この前は愛美さんと口論になってと言いましたが、愛美さんは飛び出した後に、その……亡くなるまで数時間あったんですよね。これはおかしいです」と僕が言う。
小早川さんが考え込む。
「普通小早川さんとの口論が原因なら、すぐに行動に移すはずですよね。だから……とにかくおかしいです」
「そこで我々はまだまだ色々と情報が足りないと思い知らされた。なので全てを教えて欲しいのです」と推川さん。
「なぜそこまで知りたがる」
「向日葵さんからの依頼だからです」と推川さん
「そうか」
「後はこの事件を知って真実を知りたい。それが愛美さんへの供養になると思っている」と推川さん。
「何から話せばいい?」
「最初から」
「そう言われても困るな。私と愛美は、いつ仲がよくなったかはっきりしてないしな」
「そうなんですか」と僕が言う。
「自然とお互いに何度も会うようになった」
「それで?」
「それこそ、学校でも、学校外でもだ。その後、恐喝が来て」
「なんですって!」思わず僕が叫んでしまった。
「進倉、落ち着け。それで恐喝というのは?」
「私宛に愛美との密会の写真が送られてきたのだ。そして黙っていて欲しければ毎月指定の口座へ振り込めと」
「そのこと愛美さんは?」
「当然知らない」
「それで毎月払ったんですか」
「そうだ」
「口座の名前は?聞いたことのない名前だった。さらに詮索するとばらすと言われていたしね」
「そんなことが。今その写真ありますか」
「昔のことだ。もうないよ」
推川さんと僕は考えこんだ。
そういえば写真部でデジカメを持ち歩いていたと証言した人がいた。
細川さんである。
僕は推川さんを見る。
推川さんは手で皆まで言うなと言っている。
それから推川さんが「振り込みには振り込みカードみたいの作りましたか?」
「作った。しかしもうないだろう。引っ越した時に無くなったと思う」
「それは残念ですな」
「君たちはこの恐喝犯が愛美と関係あると思っているのか?」
「もちろんです。非常に重要だと思っています」と推川さんが力強く言う。
「一応探してみるか。荷物は少ない。すぐ済む。ちょっと待っていてくれ」
「わかりました」と僕が言う。
「そして申し訳ないが、君らに出すお茶もない。本当に申し訳ない」
「いえ、気を使わないで下さい」と僕が言う。
そして小早川さんは小物入れなどを見て回っている。
「進倉、電灯に探させよう。万が一だが写真がネットにあるかも知れない」
「可能性はかなり低そうですね。それより細川さんをもっと調べてもらいましょう」と僕が言う。
「何故細川なんだ?」
「だってこの前、写真部で昔デジカメをよく持ち歩いていたって言ってたじゃないですか」
「!?」推川さんが驚いた。
「まさか気づいていなかったんですか?」
「そんなことあるわけなかろう……ちょっと電灯に連絡だ」
しばらくして小早川さんが「やっぱり何もなかったよ」と言った。
そして話の続きを始めたのである。




