第36話 再調査開始
「まだ捜査の必要がありますね」と僕が言う。
「そうね。まだやることがあるわ」と見上さん。
「さあて、また調べにかかるか」と電灯さん。
「ふむ。捜査を再開しようじゃないか」と推川さん。
「みなさん。お願いします。私にも出来ることがあったら何でも言って下さい」と我妻さん。
「でもさあ、愛美さんが飛び出した後ってどうやって調べるのさ。監視カメラもないんだろ?」と電灯さん。
「まずは田所さん、金沢さん、細川さん、藤原さんに聞くしかあるまい。確か渡辺はこの時補習を受けていたって言ってたからな」と推川さん。
「では順番に行きますか?」と僕が言う。
「私と進倉と我妻さんで聞いてまわろう。見上と電灯はここで調査だ」と推川さん。
「えっ私も調査?」と見上さん。
「そうだ。見上には新しく発見された個人日記サイトを調べてくれ。そして内容をまとめておいてくれ」
「わかった」と見上さん。
「では我々はまず田所さんの所へ向かうか」
3人で田所さんの家に行く。
玄関のチャイムを鳴らした。
「またあなたたち。もう話すことはないわ。帰って」と冷たく言う田所さん。
「小早川さんに会いました」と推川さん。
「えっ、ほんと?どこにいるの?今どうしてるの?」と矢継ぎ早に聞く田所さん。
「落ち着いて下さい。我々はちょっと話を聞きに来ただけです」
「とりあえず上がって」
3人で田所さんの家に入り、部屋に向かう。
「それで先生は今どうしているの?」
「あなたの言った通りですよ」
「私が言った通り?」
「日雇いのアルバイトをされてます」
「そうなんだ……」
「我々は、愛美さんが急に登校してきた時のことを知りたい」
「ごめんなさい。それは私も知らなかったの。事件のことは夜に知ったわ」
「そうなのか」
「私はその時家に帰っていたから。夜に仲のいい友達数人から聞いたの」
「なら仕方ありませんな」
「待って。小早川先生の住所を教えて?」
「それは出来ません」
「お願い」
「そういう問題ではありません。我々が勝手に教えていいのかと言う問題と」
「問題とは?」
「あなたと小早川さんの為です」
「私と先生の?」
「そうです。あなたは小早川さんに良い印象をお持ちのようだ。それが崩れることになる。そして小早川さんも、過去の知人に会うことを望んでいないだろう」
「それでも会いたいです……」
「私の言葉から察してくれるとありがたいのだが」
「それでも」
「推川さん、教えてあげて下さい」と我妻さん。
「わかった」と言い推川さんはメモ帳をちぎり、住所を書いて渡した。
「ありがとうございます」田所さんが頭を下げる。
僕たちはそのまま金沢さんのもとへ向かった。
金沢さんのマンションに着くと、オートロックの番号を押す。
「はい」
「遅い時間に申し訳ありません。僕たち○○高校の……」
「今日はなに?こんな時間に困るんだけど」
「聞きたいのは1つだけです」
「では今言って」
「愛美さんが急に登校してきた時のことを知りたくて」と僕が言うと
「その時私、家にいたから知らないわ。後で聞いてものすごくびっくりしたのを覚えている」
「やはりみんなから聞いてですか」
「ううん。細川さんから聞いたの」
「えっ細川さんから?」
「彼女学校にたまたまいたんだって。じゃあこれでいい?」
「はい。ありがとうございました」
3人で顔を合わせた。
細川さんが知っている。




